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アサヒ
2025-12-26 03:40:45
1375文字
Public
忍たま(鉢雷)
お題『寝相』
鉢雷ワンライ(#8828_1draw )に2025/9/28に投稿したもの。
(Web向けに改行だけ追加しています)
三郎はたまに、やたらと寝相が悪い時があった。
寝相が悪いというか、僕にくっつく癖があるというか。
例えば布団ごと僕に寄ってきてくっついて寝ていたり、僕の布団の中にいつの間にか半身だけ侵入していたり、僕の胸の上に手を伸ばして寝ていたり
……
などなど。
とはいえ布団が奪われるわけでもないし、冬は暖かくて快適だったりもするから、僕は特に困っていない。
演習なんかで長屋以外の場所に泊まる時には、むしろ生きてるの?って疑いたくなる位にぴくりとも動かずに眠るのだから、忍務やらなにやらで三郎自身に悪影響があるわけでもない。
だから特に気にすることもなく、なんなら微笑ましく見守っていさえした。
だって三郎みたいなやつにも無意識に人恋しい時があったりするなんて、想像したらすごく可愛くない?
しかもそれを知っているのは多分僕だけってところも、なんだかちょっと恋仲っぽい感じがしていいよね。えへへ。
「だから僕、お前のたまに寝相が悪いとこ、けっこう好きだよ」
「君、そんなことを思っていたの?」
ひょんなことから寝相の話になって、そんなこんなで三郎の可愛げを褒めた時
……
ん、褒めてるのかな、これ?
まあいいや、とにかく三郎の寝相について全力で僕が肯定してみせた時、真っ赤に照れるんじゃないかと予想していた三郎は、何故か目をまん丸にして、それから笑い出した。
「あはは!私こそ、ずっと君のことを可愛いやつだなと思っていたのに!」
「え、どういうこと?」
「君、入学したばかりのころ、夜に家が恋しくて泣いたことがあるのを覚えてる?」
そんなことあっただろうか。
……
あったかもしれない。
僕は随分と甘えたな子供だった自覚はあるから。
「布団に入った後、寝付いたかと思ったら隣からすんすん泣き声が聞こえてきてさ。起き出して布団の上から寝かしつけてやったら、泣き止んだはいいけど私の腕を抱えて寝入ってしまった。起こしてしまうのは可哀想だったから、掛け布団を引っ張ってきてそのまま君に添い寝した
――
それがはじまりってわけだ。それから君が人恋しげな素振りを見せるたびに寝かしつけたり肩を抱いてやったりを繰り返して、今では君、私がそばに寄るだけでぐっすり眠ってくれるようになったんだよ。まあ、最近は君が人恋しさに寝付けない夜もめっきり減って寂しいくらいだけど。
……
どう、雷蔵?思い当たる節はある?」
悪戯な表情を見せる三郎から、そっと目を逸らす。
言われてみると、確かに低学年の頃は寝付きが悪い時もあった僕だけど、最近はすとんと眠れている。
まさかそれが、恋仲になったことで距離が近くなった三郎の存在に安心していたからだったなんて。
「
……
うう、恥ずかしい」
「そんな君のことも好きだから、何も問題ないさ!」
言うなり腕が伸びてきて、ぎゅっと抱きしめられた。
腕の中で感じる三郎の体温も匂いも、確かに僕の心を落ち着けてくれる。
あやすように背中をぽんぽんと叩かれると自然と甘えたくなって、三郎の肩に頬を預ける。
これは刷り込みのようなものなんだろうか?それとも三郎のことが好きだから?
……
まあ、どっちも同じようなものか。
「私は一生雷蔵のそばにいるから、これからも可愛いところをみせてくれて構わないよ」
「ありがとう、三郎。これからもよろしく頼むよ」
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