片桐
2025-12-25 23:44:22
15393文字
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【あんスタ・紅敬】賢者さんと狼さんと、小さな者たちのお話

人狼鬼龍くんと賢者蓮巳くんと、ぬいたちの冬。 ※パロ・特殊設定です。

 王都から離れた深い森の小さな家。そこには特に優れた魔法使いである『賢者』の称号を持つ青年ハスミと、狼の耳と尻尾を持つ人狼族の青年キリュウが二人で暮らしている。それから、賢者が召喚した、二人によく似た小さな者たちも。

 一年で十一番目の月も後半となれば、朝晩の気温はどんどん低くなってくる。窓の外を覗けば、木々や地面は白く染まっていた。厳しい冬の到来だ。雪がちらつくのを見つめていると、部屋の扉が開いた。
「今日はまた一段と寒ぃな」
 身を震わせながらキリュウが部屋に入ってきた。普段の格好は薄着だが、流石に冷えるのか外套を身に着けている。
「一晩でだいぶ積もったようだしな」
 窓の外を見つめたままハスミがそう告げれば、キリュウは隣に来て同じように窓の外を見た。そしてすぐに離れてしまった。窓際は空気が冷えるから、温かい暖炉の方へ逃げたようだ。
 部屋を見渡してキリュウは首を傾げる。
「なあハスミ。あいつらどこ行った?」
「その辺にいるんじゃないのか」
 言われて探してみるが、確かに見当たらない。いつも朝の時間はこの部屋にいるのに。
 放っておいても問題はないだろうが、いつもと違う行動が気になって家の中を探すことにする。
 それからしばらくして。
「あ、こんなところに」
 いくつかの部屋を探しても見つからず、外に出てようやく見つけた。探していたのは小さなクマの着ぐるみのようなものを着た、布と綿でできたぬいぐるみだ。ハスミとキリュウによく似た二人は、ハスミの召喚魔法で異なる世界から呼び出され、以来、ハスミの魔法で自在に動くようになった。とはいえ手足の短いぬいぐるみなので、できる動きは限られているが。ちょっとしたものを運んだりはできるので、お手伝い要員として家に棲まわせている。
 そんな二人が、玄関の前で寄り添って、真っ白に染まった景色を見つめていた……ように見えた。頭に少し雪が積もっているから、長い時間こうしていたのだろう。
「寒くないのか。いや、寒さは感じないのか」
 小さな二人は一瞬振り返り、それから雪景色へと視線を戻した。いや、ぬいぐるみなので表情が変わるわけでもなく、常にまっすぐ前を見ているのだけれど。小さな二人が寄り添ってじっと見つめている先には、雪に覆われた森があるだけだ。太陽は顔を出しているが、雪を溶かすほどの気温にはならない。木々も、地面も、白く染まっている。
「なんだか寂しそうにも見えるな」
「言いたいことがわかれば良いのだが」
 しばし待っていても、小さな二人は動かなかった。
 やがてキリュウがくしゃみをしたのをきっかけに、みんなで部屋の中へ引き上げることにしたけれど。小さな二人もその後はいつも通りに家の中の手伝いをしはじめたので、様子がおかしかったことなど夜にはすっかり忘れてしまっていた。
 それから数日後。一年の最後、十二番目の月になった日の、朝。



一日目。

 いつものように、きりゅうよりも早くはすみが起きると、部屋の様子がいつもとちがっていた。
 部屋のすみには、大きな木。にんげんたちの背たけよりは小さいけれど、ぬいぐるみの自分たちの何倍もある大きさだ。そして、木のとなりには大きな箱が一つ。この箱は、はすみやきりゅうの背たけくらいの大きさだった。
 はすみはきりゅうを起こした。まだねむそうなきりゅうを引きずるようにして、はすみはとつぜん現れた木を指さす。二人がとまどいながらも近づいてみると、箱の中に何かが入っているのが見えた。
 そこに入っていたのは、いくつかの赤い木のみだった。まんまるなその先には、わっかがつけられている。
 大きな木と、それから、まるいかざり。二人は顔を見合わせて、うなずいた。

 二人の背では手を伸ばしても木の枝まで届かないけれど、賢者さんがくれた乗りものがある。
 はすみは両手で木のみを抱えると、鳥の模型の背に乗った。
 きりゅうは鳥に乗るのをいやがるので、長いハシゴを作ってもらっていた。それを器用に運んで、木に立てかけて、木のみを背負ってのぼっていく。
 やがて箱にあった木のみを全て飾りつけ終えたとき、賢者さんが部屋に入ってきた。
 大きな木は、完成までまだまだかかりそうだ。



二日目。

 今日はきりゅうが起きるのをまって、手を引いて木のとなりにある大きな箱を見にいった。昨日と同じように、中になにか入っている。
 昨日の木のみより大きい。きりゅうがハシゴを使って箱の中に入っていく。中からまつぼっくりをもちあげて、はすみに渡してきた。
 外が銀色に彩られたまつぼっくりだ。わっかがついているのも同じだ。これもまた、木にかざりつけるものだろう。
 箱の外にまつぼっくりを出して、ならべて、そしてふと気がついた。
 きりゅうはどうやって外に出るのか、と。
 ハシゴは箱にたてかけてあるが、中からは手をのばしても届かない。たぶん、そこまでかんがえていなかったのだろう。
 はすみは鳥の模型をとばした。背に腹は代えられない、というやつだ。
 きりゅうが鳥の背中に乗って、もどってきた。なんだか元気がないように、見える。
 それよりも、大事なしごとだ。ならべたまつぼっくりを手に、今度ははすみが鳥の背に乗る。
 きりゅうはハシゴを運んで、昨日と同じように飾りをつけた。
 これで、木には二つの飾り。まだまだ緑はいっぱいある。



三日目。

 今日は箱の中に何が入っているのか。そわそわしながらのぞきこむ。
 さいしょに入っていた木のみとよく似た、白い木のみだった。昨日はきりゅうが出られなくなってしまったから、今度ははすみが鳥の模型に乗って、箱の中に下りる。
 両手で拾い上げれば、まんまるで、すべすべしていた。もこもこの着ぐるみでも、手には糸でできたにくきゅうがある。だから、すべらないように持ち上げられた。
 見た目よりもずっと軽いそれを、きりゅうに手わたす。
 それを何度かくりかえし、箱の中が空になったのを確認して、はすみは鳥の背中に乗ってきりゅうの元へ戻った。
 白い木のみも、二人ではんぶんこ。力を合わせれば、大変なおしごともすぐに終わるから。
 赤と、白と、茶色と、緑。まだ飾りの種類は少ないけれど、ちゃんと毎日少しずつ完成に近づいている。
 二人は顔を見合わせて、うなずいた。



四日目。

 ずいぶん早く起きてしまった。はすみはまだ起きていない。昨日はおそうじのお手伝いをして、いっぱいにもつを運んで、早くねむってしまったから。魔力切れ、というやつだ。けれど、今はすっかり元気だ。
 箱のことが気になったけれど、はすみが起きるのをまって一緒に見に行くことにした。
 二人のベッドはカゴの中にある。小さな毛布やたくさんのクッションもあって、やわらかい。
 はすみが起きると、きりゅうははすみの手を引いて箱に近づいた。
 きりゅうがのぞきこんでみると、緑色の大きなリングが入っていた。
 緑色に、カラフルな色が乗っている。ドーナツのようなもの。
 ……ドーナツ? と首をかしげてみたけれど、まずは近づいて確認することにした。
 両腕を広げたくらいの大きさのそれは、やっぱり布でできたドーナツに見えた。
 狼さんが前につくっていた、ドーナツにお砂糖のコーティングをして、くだいた木のみをまぶしていたのに似ている。
 でも、これも飾りなのだろう。ちゃんとわっかがくっついているから。
 今日の飾りは大きくて、運ぶのが大変だったけれど。二人で一緒に鳥の背中に乗って、なんとか飾りつけた。
 ……もう鳥にはのりたくない、という気持ちもあったけれど、木に飾られているのを見れば、やりきった、という満足が勝った。



五日目。

 きりゅうがいつものように箱にハシゴを立てかけていると、リン、と小さな音が鳴った。上から覗いてみれば、金色にピカピカとかがやく飾りがあった。ベルだ。
 少し重そうに見えたので、きりゅうが中に入ってはすみに渡すことにする。
 力もちのきりゅうには、これくらいなんてことはない。けれど、はすみはちがったようだった。受け取るときに、ふらりとたおれそうになったのが見えて、あわててかけよろうとして……
 ドスン。チリン。バタン。ガシャン。
 なんだかいっぱい、音が聞こえた。転んでも痛くないけれど、あわてて顔をあげる。箱の外が見えて、目の前にはすみがたおれていた。箱の中にあったベルも、ちらばっている。壊れたりしたものはなさそうだけれど。
「な、なんだ、どうした」
 音を聞きつけたのか、狼さんがこっちに来た。どうしよう、と見上げると、狼さんはそっと手を伸ばして二人の頭をなでてきた。
「あー、箱倒しちまったのか。おまえらには大変だったよな、気づかなくて悪かった」
 そう言いながら一人ずつ持ち上げて、ひっくり返して、すみずみまで見てくる。
「どこも怪我とかしてねぇな」
 やぶれたり、ほつれたりはしていない。こうみえて、けっこう、丈夫なのだ。
「ほら。続き頼むぜ。気をつけて、な」
 狼さんは拾い上げたベルを二人にわたすと、にっこり笑った。



六日目。

 昨日は失敗してしまったから、今日は気をつけよう。そう思って箱に近づくと、箱に切れ目が入っている。
 きりゅうとはすみは顔を見合わせた。昨日までは確かになかったはずのものだ。
 よく注意して見ると、手の高さにドアノブらしきものもある。二人の手では上手くつかめないけれど、そっと押してみると力に合わせて動いた。
 多分狼さんが、二人のためにとびらをつけてくれたのだろう。
 はすみがとびらをあけて、中に入る。きりゅうはその後に続いた。二人が出入りするのにぴったりのサイズだった。
 さがし物はすぐ目の前にあった。
 箱の底には、小さな靴下が並んでいた。人間たちには小さくて、自分たちだと両足がすっぽり入ってしまいそうなもの。
 毛糸で編まれた靴下は、赤と、緑と、白の三色の組合せで作られている。
 きりゅうは赤と白でできた靴下を持ち上げる。はすみは緑と白のしましまをとった。
 最後には全部飾るのだけど、この靴下はやわらかくて、ふわふわだ。温度を感じるわけではないけれど、あたたかい、ってこういうことだろう。
 少しだけ、ぎゅっとだきしめてから、飾りつけをした。



七日目。

 今日で一週間が経った。大きな木は、少しずつ飾りが増えて、カラフルになっている。
 それでも、まだまだ飾りつけをするスペースはいっぱいある。
 きりゅうとはすみは、今日は何が入っているのかと、とびらをあけて覗きこむ。
 すると、こちらを見ているものがいた。白くて、まるい形が縦に二つ重ねられたそれは、木でできた雪だるまだ。顔がかいてあって、毛糸の帽子とマフラーを身につけている。
 よく見ると、普通の雪だるまだけでなく、片眼鏡をかけているのも、耳と尻尾がついているのもいる。二人は顔を見あわせた。
 一体ずつ、雪だるまを飾っていく。そして、最後に残ったのは、狼さんと、賢者さん。
 二人はいつだって、仲良しだ。だから、この雪だるまもいっしょだ。
 並んだ雪だるまたちと同じように、自分たちもいっしょにいられるのだろうか。
 きりゅうははすみの手にふれた。二人にそっくりな雪だるまたちは、笑った顔でこちらを見ている。
 しばらくの間、二人はじっとそれを見上げていた。
 賢者さんと狼さんが、呼びにくるまで。



 夢の話。

 今年初めての大雪が降った翌日、朝食と片付けを済ませた後、ハスミはキリュウを呼び止めた。
「不思議な夢を見たんだ」
 キリュウは怪訝そうな顔をしていたが、ハスミの隣に腰を下ろした。



「ああ、もうすぐクリスマスか」
 とあるおもちゃの店のショーウィンドウの前で、二人は足を止めた。雪景色のような真っ白な世界に飾られているのは、大きなクリスマスツリー、サンタやトナカイの人形、アドベントカレンダーにプレゼントボックス。いくつかのおもちゃと、それからたくさんのぬいぐるみたち。白いクマの着ぐるみを着た、ESのアイドルたちがモデルのもの。トナカイの引くそりに乗っていたり、プレゼントボックスから顔を出していたりと様々だ。つい、知り合いや自分たちの姿を探してしまう。
「俺たちもいるぜ、ほら」
 鬼龍はクリスマスツリーの下を指差した。ツリーの下で並んでいるのは、確かに鬼龍と蓮巳がモデルのぬいぐるみだ。
「昔は、自分にはクリスマスなど縁がないと思っていたのだがな」
「そうかよ。俺は結構楽しみにしてたけどな、クリスマス」
「ふふ、貴様にも『サンタさん』を信じるような可愛い時代があったのか」
「いやぁ、この時期は母ちゃんによく叱られたぜ、『悪い子にしてるとサンタさん来てくれないよ』って」
 笑いながら鬼龍は言う。
「でもよ、ガキの頃、親と一緒にクリスマスツリー飾ったり、ケーキとかごちそう用意してくれたり、……プレゼントも、さ。そういうの、今はちゃんと、大事な思い出になってんだよな」
「うちはクリスマスより年末年始の記憶の方が鮮明だがな」
「旦那んとこはなぁ。ま、クリスマスの思い出だってこれからいくらでも作れんだろ」
 鬼龍の言葉に、蓮巳は頷いた。
「そうだな。今年は待ち遠しいくらいだ」
「アイドルになってからは結構色んな仕事させてもらって、それも楽しいけどよ。仕事抜きで一緒に過ごせるのはなんか嬉しいよな」
「クリスマス当日の仕事は午後までだからな。夜に放送される番組は前撮りだし」
「神崎が張り切ってたぜ、チキンとケーキを作るんだってよ」
 鬼龍の言葉に、蓮巳は顎に手を当てて考え始める。
「それならば俺は何かプレゼントを用意するか」
「じゃあ俺はプレゼント入れる用のでっけぇ靴下か?」
「ふはっ、子供じゃないんだから……
 楽しそうに笑って、二人はまた歩き出した。



「俺たちによく似た奴ら、ねぇ」
 キリュウは頭の後ろで腕を組んで、呟いた。
「おそらくは別の世界の俺たちなのだろうな」
 詳しく解明されているわけではないが、今いる世界と別の世界が無数にあり、時折別の世界と繋がることがある。それは時折自然に発生するものであったり、召喚魔法を介して繋ぐものであったり。現にキリュウもあの二人のぬいぐるみたちも、別の世界から来たのだから。
「二人が見ていたのは、雪の中にある何か飾られた木だった」
 ハスミは紙と絵の具を使って、夢の中で見た光景を描いていく。
「なんだこれ。俺の世界でも見たことねぇな」
「分からん。こちらでも見たことはない。だが、あいつらはきっとこれを思い出したのだろう」
 家の前の森に生えている木は、その飾りつけられたものと近い種類だろう。あとは、飾りだ。木の枝につるしているのはわかったけれど、こちらの世界にはそんな風習はない。となると、全て自分たちで準備するしかない。
「なあ、キリュウ」
 ハスミが言い終わる前に、キリュウは頷いた。口にせずともハスミの考えは伝わっていたらしい。
「作ろうぜ。俺たちであいつらの世界にあった木を、さ」



八日目。

 とびらに手をかけて、二人で、そっと押していく。上が開いているから箱の中は明るいのだけれど。今日は目の前に小さな山があった。赤と、白とでできた山だ。
近づいてみると、それは花だった。昨日の雪だるまのあたまくらいの大きさだ。
 この花は見たことがあった。賢者さんが研究に使っている花だ。賢者さんの魔法で枯れないようになっているもの。
 薬の材料にしていることが多いけれど、狼さんはお茶や料理にも使えると言っていた。はすみは賢者さんのお手伝いでこうしたものを整とんすることが多いから、よく知っている。両手いっぱいに抱えて、運び出す。
 軽いし小さいけれど、いっぱいあったから大変だった。全部飾りつけ終えるまでに、いつもより時間がかかってしまった。
 それでも、完ぺきにやりとげた。
 ……と思ったら、きりゅうがはすみの頭に手をのばした。
 どうやら、赤い花が一つ、ついていたらしい。
 きりゅうがはしごを登って最後の一つを飾りつけた。今度こそ、完ぺきだろう。



九日目。

 今日はとびらをあけると、目の前にはにこやかな笑顔。真っ赤な洋服と帽子、白いひげのサンタクロースだ。
 近づいて触れてみれば、木でできた人形に布の服を着せて白い綿でひげが作られていた。
 これも雪だるまと同じように、賢者さんと狼さんがいっしょに作ったものだろう。
 ……二人がいたショーウィンドウには、クリスマスツリーの飾りの他に、ソリに乗った大きなサンタクロースがいた。
 その時に見た景色も、聞こえた音楽も、たしかに覚えている。そのころは動くこともないただのぬいぐるみだったはずなのに。
 ショーウィンドウを見ていた人たちはみんな笑顔だった。大人も、子供も。
 クリスマスはみんな笑顔になれるものなんだ、って。いっぱいいた仲間たちも、その日はプレゼントになって、だれかの元へ旅立って行った。
 自分たちはクリスマスのあとは、いっしょにいたみんなと、お店の倉庫で眠っていた。賢者さんに召喚されるまでは。

 ショーウィンドウの中にいるのも立派なおしごとだった。でも、そのかわり、プレゼントになることはない、はずだった。
 はすみはツリーを見上げる。きりゅうも同じように見上げた。
 このツリーを完成させたら、賢者さんと狼さんも、喜んでくれるだろうか。
 みんなにプレゼントを運んでくれるサンタクロースは、木の高いところに飾られた。みんなの顔がよく見えるように。



十日目。

 今日はとびらをあけてみても、目の前には何も見えなかった。くびをかしげてよくよく見てみれば、床、というか底面に何かが置いてあった。
 細長いそれは、赤と白のキャンディケインだ。
 持ち上げてみれば、二人の背たけほどの大きさだった。
 これは何でできているのだろう、とよく見てみると。少しぼこぼこしている部分もある、飴だった。
 ……本物の飴!
 食べられるのかはわからないけれど、どちらにしろ自分たちには食べることはできない。
 このお部屋は暖炉の火であたたかいから、溶けてしまわないだろうか、と少し心配にはなったけれど。
 とにかく、飾りつけのために用意してくれたのだろうから、いつものように木に吊るすことにする。
 細長いけれど重さがあって、少しだけ運びにくかった。はすみはなんとか背負って持ち運び、役割を果たした。
 でも、キャンディにほんの少し、真っ白な毛が残っているのは、きっと誰も気づいていない。
 はすみもきりゅうも、賢者さんたちだって。



十一日目。

 今日は箱の前に、ツリーをかくにんすることにした。
 目が覚めた時にはお部屋は暖炉の火であたたかくなっていたけれど、昨日のキャンディは溶けていないようだった。
 二人はぬいぐるみだし人間のように眠るわけではないから、明るさは関係ないのだけれど。夜はお部屋が暗くなるように、暖炉の火も消える。
 そして朝は、賢者さんが起きる頃に火がつくようになっていた。かんたんな魔法の仕掛けらしい。
 箱の方を見てみれば、今日は茶色い人型のなにかがあった。ジンジャーマンクッキーだ。
 といっても、これは布でできたぬいぐるみだった。やわらかな生地の体に、糸で顔が描かれている。
 きりゅうはキャンディとクッキーを、仲良くならべた。はすみはサンタクロースのとなりに運ぶ。
 昨日までと同じはずのサンタクロースの顔が、なんだかうれしそうに見えた。



十二日目。

 今日も朝いちばんのおしごとはツリーの飾りつけだ。はすみときりゅうは一緒に箱のとびらをあけた。
 すると、キラキラとかがやくものが見えた。
 雪の結晶の形をした、飾りだ。結晶はいくつかの種類がある。
 透明で、ガラスでできているように見えた。
 慎重に持ち上げて、きりゅうは首をかしげた。
 二人は温度を感じるわけではないけれど、これは、つめたいものだとわかる。手の部分の毛が少しはりついたし、近付くとうっすらと白い煙が見える。本当に、うっすらと。
 ガラスというより、氷のようだった。
 これはキャンディと違ってすぐ溶けてしまうのではないかと思ったけれど、溶けるようすはない。
 賢者さんの魔法で作られているのだろう。
 安心して、ツリーにかざることにする。
 揺れる結晶が、光を浴びてきらめいていた。



十三日目。

 ツリーの飾りはかなり増えてきたけれど、それでもまだまだ飾れるスペースがある。これはいつまで続くのだろう? と、はすみは考えるけれど、箱の中に用意されているうちはまだあるのだろう。
 今日は何が入っているのか、そっととびらをあける。目の前にはつやつやにかがやく赤い何か。
 昨日の雪のようなキラキラではないが、鈍く光る赤色だ。ハートの形のそれは、金色の模様が描かれている。
 今日もまたきりゅうと二人で分担して、ツリーに飾っていく。
 赤、白、緑、茶色、金色に、透明。
 その間に、赤を足していく。
 はすみはハシゴの上にいるきりゅうを見上げる。赤はすきだ。きりゅうの色。そして。
「おはようさん。今日も頑張ってるな」
 目を細めて笑う狼さんも、同じ色だから。



十四日目。

 今日はとびらをあけたらつぶらな瞳と目が合った。以前サンタクロースのかざりがあったけれど、それと同じような人形だ。木でできた顔は同じだけれど、白い布でできた服を着ていて、背中に羽がはえている。そして頭には金色のわっか。可愛らしい天使だ。
 すでに慣れた様子で二人はそれを木に飾る。
 木はだいぶにぎやかになって、すきまも減ってきた。もう少しつけられそうだけれど……
 天使の顔を見ていると、頭のなかで音楽が聞こえてくる。鐘の音と、楽しそうな歌声。
 ――二人がいたのはおもちゃを売る店だった。そこでディスプレイ用に使われていた。この季節の店には、クリスマスソングが流れていて、時折それに合わせて歌う子供がいたのだ。
「なんだ。踊っている……のか?」
「ははっ、可愛いじゃねぇか」
 賢者さんと狼さんの声がする。二人には、手をばたつかせて体を揺らしているようにしか見えていなかっただろうけど。
 トントンと一定のリズムで机を叩く音が聞こえて、小さな二人は振り返る。
 賢者さんと狼さんは、優しい顔で笑っていた。



  十五日目。

 今日入っていたのは、金色にキラキラかがやくお星さまの飾りだった。
 そういえば、と、きりゅうは上を見上げる。
 ツリーのてっぺんには、大きな星が飾られているものだと思ったけれど。これは小さいし数も多いし、わっかがついているから吊るすようだろう。
 これは星の形と言うけれど、空に浮かぶ星はこんな形ではない、という話を賢者さんがしていたのを思い出す。
 賢者さんと狼さんに連れられて、夜に外に出て星を見たときのことだ。
 賢者さんのお話は長くて、とちゅうで力尽きて、気づいたら朝になっていることもあるけれど。一緒に過ごせるときはどんなに寒い日でも暗い夜でも、あたたかくて、やさしい。
 ……はすみと二人きりでいる夜も、じゅうぶんあたたかいけれど。
 となりにいるはすみの方を見れば、こちらに気づかないでいっしょうけんめいツリーに星をかざっている。
 きりゅうもハシゴをのぼって、一番高いところで腕をのばして、ツリーにつけた。



十六日目。

 ひらひらしたものが山になっている。
 緑、赤、金色、銀色、白。今日の飾りは色とりどりのリボンだ。
 きりゅうが一つ持ちあげて、はすみの後ろでなにやらやっている。振り向くと、どうやらはすみの頭の後ろにあてていたらしい。
 たしかに、頭につけるのにちょうどいい大きさかもしれないが。自分につけてもしかたないだろうに。
 きりゅうはこんどは自分の胸もとにリボンをあてていた。それならまだ、悪くないと思う。
 いや、自分たちがつけるには可愛らしすぎる気はするが。
 とにかく、これはツリー用のものなのだから、遊んでいないでおしごとをするべきだろう。
 そう思って箱から運び出していると、とびらのところにリボンがひっかかってしまった。
 するりと解けて、一本の長いリボンに戻ってしまう。
 どうしよう。せっかく、賢者さんと狼さんが用意してくれたものなのに。
 きりゅうは慌てるはすみの手からリボンをとると、その場で器用に結びなおした。
 解けたなんてわからないくらい、元通りだ。
 それをはすみに差し出して、自分が持ってきたリボンを運び始める。
 ……今日はきりゅうのおかげで助かった。最後まで気を抜いてはいけない、と、一つの教訓だ。



十七日目。

 今日こそは失敗しないようにしごとをおわらせよう。はすみは気合いを入れてとびらをあけた。
 目の前に、小さな箱が山のようになっている。といっても、はすみやきりゅうの大きさと比べて、だけれど。
 積み上げてあるのはプレゼントボックスだ。小さな四角い箱はカラフルで、リボンも結ばれている。
 飾りなので箱はあかないけれど、見ているだけでも楽しい。
 はすみは落としたりくずれたりしないよう、慎重に箱をもちあげる。その間にきりゅうは、三つ重ねて運んでいた。
 それを見て、はすみは運ぶ数を二つに増やした。
 対抗しているわけではない。あまり慎重になりすぎても、時間がかかってしまうからだ。
 きりゅうはなにもしらず、かるがると箱を抱えてハシゴをのぼっている。
 それがたのもしくもあり、ちょっとだけくやしくもある。
 箱を全部飾りつけると、すきまもだいぶ減ったように見えた。
 完成は近いのだろう。



夢の再現。

「だいぶそれらしくなってきたか」
 二人のぬいぐるみたちがそれぞれ研究材料の整理と、掃除の手伝いに行った後。ハスミとキリュウは初日よりもずっと彩りを増した木を眺めていた。
 おそらくは小さな二人の故郷の光景であるものを再現しようと決めたはいいけれど。情報がハスミの見た異世界の夢しかないのだから、最初は苦労した。
 ハスミが懸命に夢の記憶を絵にしてキリュウに伝え、二人で相談して、分担して作成をする。
 雪だるまや天使、鐘は分かる。赤い服と白い髭の老人のような人形は、大きく飾られていたのだから重要なものなのだろうけれど。詳細がわからないので、見たままを人形にするしかない。
 杖のような形のしましまが、一番難航した。途中でキリュウが、形がうずまきだったら見たことあるのにな、なんて言い出さなければ飴で作るなど思いつかなかっただろう。
 何を作るか決めて、その日のうちにハスミは王都へ転送魔法で移動し、買い出しにいった。家にある材料だけでは、到底足りなさそうだったから。
 木は外にある物をキリュウが切って、ハスミが魔法で家の中でも飾れるようサイズを変えた。
 研究に使っていた材料の木の実に色を塗って、飾る紐をつけて。ベルやハート、花や雪の結晶は魔法で加工して作り上げた。
 緑色のドーナツのようなものと、靴下、リボン、木の人形とその服はキリュウが作った。人形の顔はハスミに任せた。それから、杖型のキャンディも手作りした。
 最後は飾りを入れておくための箱を用意した。毎日少しずつ、楽しんでくれたらいいと思ったのだ。
 小さな二人が眠ったあと、もしくは仕事を任せている間に、二人で少しずつ準備して。その時間は、これまでにないほど楽しかった。
 ハスミの研究や、料理、買い物、掃除などの家のことは二人でやる時もあるけれど。
 誰かの為にこうして二人で準備したのは、初めてのことだった。
 まあ、その誰かというのが、自分たちによく似た小さな人形なのだから、面白いと思う。
 
 少しは小さな彼らがいた元の世界の景色に近づけただろうか。
 普段から色々と手伝いをしてくれているが、それに加えてツリーの飾りつけだ。小さい身でここまで用意するのも大変だったろう。
 でも、あと少しだ。ハスミたちが準備するものも、まだいくつか残っている。
「楽しみだな」
 キリュウが笑う。ハスミもそれに頷いた。



十八日目。

 今日は白い木のみが入っていた。最初の方に飾りつけしたものの色違いのようだ。
 そう思っていたけれど、触れると、ピカピカと光った。賢者さんの魔法の効果なのだろう。
 すきまを埋めるように飾りつけをすると、木のあちこちで光り始めた。光の色も赤や白、青など何色かあって、規則的なかがやきを放っている。
 はすみときりゅうはツリーを見上げた。
 これまで毎日飾り付けをしていた木は、自分たちがいた場所の大きなクリスマスツリーにも負けないくらい、色々な飾りでかがやいている。
 賢者さんと狼さん、それからはすみときりゅうの四人で準備した、世界に一つだけのクリスマスツリーだ。
 けれどまだ、足りないものがある。
 それはまた明日、箱に入っているのだろうか。
 完ぺきな姿が見られるのが待ち遠しい。
 きっと、大きな二人も、喜んでくれるから。



十九日目。

 きりゅうがとびらをあけると、真っ白なものが山になっていた。二人よりも大きな山。
 今日はいつものようなわっかのついた飾りとは違うらしい。触れてみれば、ふわりと柔らかい。綿のようだ。
 たっぷりの綿を両腕で抱える。これは雪の代わりだ。
 上の方ははすみに任せて、きりゅうは下の方から綿を乗せていく。
 二人が飾りつけたツリーは、外の森に生えている木と同じように、綿の雪におおわれていく。
 二人は寒さや冷たさは感じないけれど、この綿の雪は、あたたかそうだと思った。
 自分たちの中にもこれがあるのは知っている。あとは、自分たちが眠っているカゴの中に敷かれた、狼さん作のおふとんの中とか。
 賢者さんと狼さんがいる、ソファのクッションの中身も。
 きっと、飾りつけ用に狼さんが作ってくれたものの中にも、同じように。
 だからこの雪は全然寒くなくて、あたたかいんだ。



二十日目。

 今日入っているものはきっとこれだろう、と思っていた。はすみときりゅうは顔を見合わせて頷く。
 とびらをあけると、そこには予想通り大きなお星さまのかざりが入っていた。これはツリーのてっぺんに飾るキラキラの星。
 自分たちよりも大きいから、二人で協力して運び出す。ハシゴでは届かないから、鳥の模型に二人で乗った。落ちないように、落とさないように、慎重に飛び上がる。
 一番高いところまで飛んで、木のてっぺんに、そっと二人で星をかぶせる。
 これで、ツリーは完成だ!
 二人を乗せた鳥はゆっくりとツリーのまわりを旋回しながら降りていく。きりゅうは思わずはすみにぴったりとしがみついていたけれど。
 どこからみても立派なクリスマスツリーだ。
 賢者さんと狼さんも、喜んでくれるだろう。
 床に着陸すると、きりゅうは逃げるように鳥から飛び降りた。はすみは鳥の背を撫でてから、きりゅうについていく。



二十一日目。

 ツリーは完成したけれど、まだ箱は残されていた。箱の前で、きりゅうとはすみは上を見上げる。
 とびらをあけるまでもなく、今日入っているものは分かった。
 箱の上から、大きな白いクマの顔が覗いている。自分たちが着ているクマと似ているような、そうでもないような。大きさは自分たちの三倍以上はあるだろう。赤い帽子をかぶっているのは、クリスマス仕様らしい。
 自分たちがいた場所の景色を思い出す。
 今日からはツリーに吊るす飾りではなく、まわりの飾りつけらしい。
 しばらく考えて、きりゅうが箱の中に入った。
 自分たちより大きなクマを、端まで押して、それから足元を持ち上げた。それから、勢いよく放る。
 ころん、と転がす要領で外に出して、それから木の下に二人で運んで座らせる。
 最後に帽子を整えて、終わりだ。
 クマは優しい顔で二人を見下ろしているようだった。
 クリスマスまで、あと四日だ。



二十二日目。

 今日もまた、はすみときりゅうは箱の前に並んで上を見上げていた。
 昨日と同じような光景。箱の上からクマの顔が覗いている。顔もそっくりだ。
 違うのはその色で、茶色いクマだった。赤い帽子は昨日の白いクマとお揃いだ。
 きりゅうは同じ方法でクマを転がして外に出ると、はすみの姿がない。慌てて見回すと、どうやらクマの下敷きになってしまったようだった。腕をつかんで引っ張り出す。
 はすみはしばらく物言いたげに――喋れるわけではないが――きりゅうのことを見ていた。     
 無言の抗議に頬をなでて、なだめてやる。
 しばらくそうしていたらようやく機嫌がなおったらしい。
 力を合わせてクマを起こして、帽子を整えてやってから白いクマのとなりに並べた。
 木を挟んで座ってもらうのも考えたけれど、やっぱりどうせなら仲良くいっしょにいたほうがいいから。
 今日もひとしごとを終えたけれど、二人のおしごとはここからが始まりだ。大きなクマたちを残して、賢者さんと狼さんのお手伝いに向かうことにする。
 クリスマスまで、あと三日。



二十三日目。

 今日は箱の中には何もなかった。その代わりに、箱のまわりにたくさんの箱が積んである。
 プレゼントボックスだ。飾りにつかったプレゼントボックスよりも、ずっと大きい。はすみたちがすっぽり入ってしまうくらい。
 中身は空のようだけれど、綺麗に一つ一つラッピングされている。
 それをクリスマスツリーのまわりに、並べていく。いくつかは積み重ねたりして、見栄えにも拘った。
 きっと、このクリスマスツリーはこれで完成なのだろう。
 賢者さんと狼さんが作ってくれて、はすみときりゅうが二人で飾りつけをして。みんなで作り上げたもの。
 ショーウィンドウにあったツリーにも負けないくらい、豪華なクリスマスツリーだ。
 この世界に一つだけの、特別なもの。
 ほこらしい気持ちだった。
 ついに明日はクリスマスイブ。
 みんなが楽しみにしている日は、もうすぐそこだ。



二十四日。

 ツリーのおしごとはもう終わりだろうと思っていたけれど、まだ大きな箱はそのまま残っていた。
 まだ何かあるのだろうかと気になって覗いてみる。
 そこには、自分たちがいっしょに入れそうなくらい、大きな大きな靴下が入っていた。人間のサイズよりも大きい、真新しいものが二つ。
 毛糸でできたそれはふわふわでやわらかくて、よくのびる。
 これはベッドに飾っておく、プレゼントを入れるためのもの、だろうか。
 とはいえ、賢者さんたちのところに運ぶのは違うと思うし、自分たちのベッド――という名のカゴには飾るところがない。
 二人は迷ったすえに、大きなクマたちに一つずつ持たせた。
 クマたちは自分たちのようには動かないので、じっと座ったままだけれど。
 賢者さんたちならばすぐ気づいてくれるだろう。

 クリスマスの準備はきっと、これでおしまい。 
 明日はいよいよクリスマス本番だ。



二十五日。

 朝、目が覚めてツリーの下を見てみると、大きなクマが持っていた靴下が、ぱんぱんに膨らんでいる。
 靴下の中に何か入っているようだった。
 はすみときりゅうが近づいて覗いてみると、中には新しい洋服が詰まっていた。
 それから帽子とマフラーと、小さな靴。はすみの方には眼鏡もある。
 これは二人のために賢者さんと狼さんが……いや、サンタクロースが用意してくれたものなのだろう。
 二人は顔を見合わせた。それから、受け取ったプレゼントをぎゅっと抱きしめた。



 小さな二人が靴下の中身を出しているのを、ハスミとキリュウはそっと離れたところから見守る。
「変わった風習だと思ったが、なるほど、こんな感じなのか」
「はは、悪くねぇな」
 我が子の喜ぶ姿を見つめる親というのはこんな気持ちなのだろうか。二人はあの子たちの親ではないが、それでも家族のようなものだから。
 ハスミが夢で見た情報を繋ぎ合わせて、クリスマスというものを二人で作り上げたが、なんとか形になっただろうか。
 はしゃいでいる姿は本当に小さな子どものようで微笑ましくなる。
 早速着替えて満面の笑顔を浮かべる小さなきりゅうと、脱ぎ散らかした洋服に怒ったような顔をする小さなはすみと。
「ん……? あれ?」
「どうした」
「いや、こいつら顔変わってねぇ?」
「顔?」
 そう言われて、ハスミはまじまじと見つめる。
 笑った顔と、怒った顔と。それでも二人の視線に気付くと、二人とも嬉しそうな笑顔に変わった。
「本当だ。表情が変わるようになっているな。理由はわからんが」
「わかんねぇのかよ」
「かけた魔法の力がなんらかの原因で強まったんじゃないか。まあ、悪影響もなさそうだし、可愛らしいし、いいんじゃないか」
 二人とも新しい服に着替えて、脱いだ服は畳んで、それからこちらに寄ってくる。
「話さずとも表情が変わるだけで意思が伝わってくるのが面白いな」
 キリュウは小さなはすみを手のひらに乗せて引き寄せる。
 ハスミはきりゅうを抱き上げた。
 身振り手振りと表情で、洋服について伝えてくれる。どうやら、プレゼントは気に入って貰えたようだ。
「あぁ、大切な言葉があるんだったな」
 意味は分からないけれど、今日という日に使う言葉なのだとは理解した。
 賢者さんと狼さんの、声が重なる。

『メリークリスマス』