三毛田
2025-12-24 22:35:56
1079文字
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16 た. 大切なものはポケットの中

16日目
君から貰ったものは全部大切

「穹。ゴミはごみ箱に捨てろ」
「それはゴミじゃないって~!」
「それなら、ポケットに入れておくな」
「は~い」
 上着を選択するからと持っていった丹恒だが、ポケットに入っていたものが気になったのか。それとも、確認を取りに来たのか。
 ぐしゃぐしゃになっているけれど、俺にとっては大切なものだ。
 今日丹恒に貰った、飴の包み紙。
 洗って乾かして、大切に保管しようと思っていたのだが、すっかり忘れていた。仕方ない。
「大切にするのは、構わない。だが、ゴミかそうじゃないかというのは、俺には区別がつかない」
「はい」
 俺と自分の上着をランドリーに入れてきた丹恒は、ソファーに座って俺にそう告げて。
 俺もそうだなと思ったので、素直に頷く。
「子供は、大切だと思ったものはポケットに入れる習性があるという」
「俺は子供だって?」
「行動は子供じみているな」
「馬鹿にしてる?」
「そうじゃない。そういう行動をしてもかまわないが、俺以外の人はそう言うことには気づかない」
「はい」
「だから、洗濯物を出す時は、きちんとポケットの物を出すように」
「はーい」
 手を挙げて応えると、乱暴に頭を撫でられた。
 特に怒っていないようで一安心。
 乱暴だけど、意外と気持ちいい。
 もし俺が猫だったら、ゴロゴロ喉を鳴らしちゃうかも。
「なあ、丹恒」
「どうした?」
「好き」
「それじゃ誤魔化されないからな」
「ううん。誤魔化すために口にしたわけじゃないからさ」
 それは本当。
「再三になるが、大切なものは、きちんとしろ。いいな」
「はぁい」
「いい子だ」
 すっと目を細め、今度は優しく頭を撫でてくれる。
「ちゅーは?」
「しない」
 言葉と同時に、額にキス。そっちじゃなくて、唇に欲しいんですけど~?
 とは、言わない。今度キスしてもらおうっと。と、気持ちを切り替えて。
 洗濯が終わったら、乾燥機に入れて乾燥。
 丹恒に甘えようと抱き着くと、そっと抱きしめてくれる。
 ママじゃん。
「それで。何で飴の包み紙を?」
「言わなきゃ駄目か?」
 胸に頬をくっつけて、顔の見上げる。
「言いたくないのならば、無理に言わなくていい。理由があるのなら、大切にとっておけ」
 そう言われたら、ちょっとだけためらってしまう。
「ちゅーは?」
「仕方ないな」
 胸から頬を離し、キス。
「えーい」
「っと」
 胸を押して倒そうとするけれど、失敗。でも、その後俺の意図を把握した丹恒は後ろに倒れてくれて。
 今度は胸を枕にするように乗っかる。
「今日も甘えん坊だな」
「えへ」