三毛田
2025-12-22 22:10:12
1074文字
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14 せ. 切なさと隣り合わせ

14日目
君がいないと辛い

 切なく思う気持ちは、何処からやってくるのだろう。
「なあ、丹恒」
「俺にも、わかるものと分からないものがある」
「まだ何も言ってないじゃん」
 思わずむすっとした顔をしちゃうけど、それすらも織り込み済みって感じで。
「仕方ない。何を聞きたい」
「切ないって。どういう時に?」
「悲しさ、辛さで胸が締め付けられた時などが多いらしい。俺には、あまりなじみがない」
「うーん……俺にも当てはまることは、あまりないかな」
 なんて、会話をしていたのが少し前。少し? もっと前?
 あまりよく覚えていない。
「たんこ~」
 べしょべしょに泣きながら、丹恒に泣きつく。
 悲しさと辛さで、胸が締め付けられて。もしかしたら、これが切なさなのかもしれない。
「どうした」
 彼は泣きじゃくる俺を突き飛ばすことなく、優しく抱きしめてくれる。
「胸が痛くて、涙が止まらないんだ……
「胸痛か? 一応俺が簡易検診をして、それでも原因がわからないのであれば、白露に」
「ううん。そこまで、しなくてもいい」
「なら、原因はわかっているのか」
「多分だけど、映画を見てからだから」
「なるほど」
 俺の返答に、丹恒は納得したように頷く。
「それならば、しばらくすれば治るだろう。それでも治らなかったら、一緒に寝よう」
「いいの?」
「特別だ」
「お願いします」
 しばらく頭を撫でてくれて、落ち着いたら一旦寝ろと言われた。
 目元がはれぼったくなっているので、濡れタオルで冷やしてくれて。
 至れり尽くせりで、嬉しくてちょっとだけ興奮していたのだけど気づけば眠っていた。
「ああ。起きたか」
 ゆっくり目を開け、ふと気配を感じてそちらを見れば丹恒。
「ん」
「顔を洗え。涙の痕が残っている」
 触れると、涙の跡がちょっとだけカサカサに。
「ふっ」
「笑うなって」
 ぐぅ。と、腹が鳴って丹恒が笑みをこぼし。
「まずは食事だ。お前の分は、消化がいいものにしてもらった」
「別に腹が痛いってわけじゃないし」
「だが、少々具合が悪いのだろう? 寝る前よりは顔色が良くなっているが、まだまだ色がない」
 そっと頬に触れる丹恒の指が、冷たいと感じない。気持ちいいわけでもなく。ちょうどいいくらいかな。
「わかった。食べて歯磨きしたら、一緒に」
「構わない」
 待っていろ。と言い、部屋を出ていく。
 そして戻ってきた彼の手には、二人分の食事。
 ダイニングテーブルに置かれたので、ベッドを下りて俺もそちらへ。
「いただきます」
「いただきます」
 丹恒の食事もリゾットだった。