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いを
2025-12-21 18:16:45
888文字
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うきまほ
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硝子のヴェール、虹の靴、花びらのドレス
イゾルデ
・キノコノさん【Aoto708kikaku】
お借りしています。
恋というものを、わたしは多くを語ってこなかった。また、わたしが見る星もおなじ。そこに答えがあるのなら、なおさらだ。
赤いかさの下の目は、星空を眺めているようだった。星々もまた、生きている。生まれ、燃え尽きるまでそこにただ瞬いている。ただ粛々と。
「キノコノちゃんはそのひとのことが大好きなんだね。そしてきっと、とってもすてきなひと。星を詠まずとも、わたしには分かるとも」
「はい!」
胸を張るように背筋を伸ばすキノコノに、ほほえみかける。
「星はね、わたしたちとおんなじように生きているんだよ。とっても寿命が長いけれど、こうやって毎晩輝いてくれる。眠りへいざなう道しるべのようにね」
杖の先をそっと土に置くと、手のひらのうえにほの明るい白い光が浮かぶ。
「これは?」
「星のかけら。たまに星がこの地上に落ちてくる。そして、ひとしれず見つかるのを待っている。これは五十年くらい前に見つけたものだ」
キノコノの目にその光が反射する。
ちらちらと、その光は湿った土や植物を照らした。
「わたしはこういった星のかけらを保護して、持ち歩いている。お守りのようにね」
輝きが細くなってきたころ、星のかけらは親指大のちいさな石になっていた。
「キノコノちゃんにこれを差し上げよう。きみが迷ったときにはきっと道しるべになってくれる」
手袋がゆっくりと上にむき、手のひらにその石をおさめる。
キノコノはそれをつまんで、夜空にかかげた。透明な石は夜空の輝く星をとおしてその目に光をさす。
「とってもきれいですね。まるで水を形にしたみたいに」
「うん。きみがそのひとと、毎日楽しくすごせて、幸せになれますように。一介の占術師として祈っているよ」
「ありがとうございます。イズーさん」
目をほそめ、笑う。にごりのひとつもないような、美しく清らかな魂を持っている子だ。
「そういえばイズーさんは恋人がいたこと、あるんですか?」
「わたしかい? そうだねぇ、わたしは
……
」
星々は、またたいている。永遠にも似た時間のなか、この島で生きてゆくすべての生物をつつみこむように。
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