ウサギ
2025-12-20 22:14:45
4650文字
Public 怪文書
 

フレイヤはかわいい

自称幼馴染みの抱かれない受けでかわいいのでおとみか読んでください(結論)

フレイヤはかわいい
嫌われがちなフレイヤだが、私は結構かわいいと思っている。抱かれない受けだし。

用語解説
抱かれない受け

Q 南国少年パプワくんをご存知ですか?
はいの場合→アラシヤマをご想像ください
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Q 少女歌劇⭐︎レヴュースタァライトをご存知ですか?
はいの場合→露崎まひるをご想像ください
いいえの場合→次の質問に進んでください

Q バディミッションBONDをご存知ですか?
はいの場合→フウガをご想像ください
いいえの場合→次の解説を読んでください

性行為を心から望んでいるのに、攻めから手を出されない哀れな受けのこと。転じて「一方的に感情を募らせているが相手にされていないキャラクター」を指す。一方的に相手を思うあまり有害性を同伴してしまっているタイプや、一方的すぎてもはや滑稽まであるタイプに対してよく使われる。ウサギの周りのオタクしか使わない言葉。


つまりフレイヤは抱かれない受けなのだ。


なんなんだ、この女は
フレイヤ・ピュリアーナ、物語の主人公にしてヒロインであるルビの夫、イースケの幼馴染みである。
だが、幼馴染みというのはおそらく自称だ。二人には幼少期から面識があるので客観的には幼馴染みで間違いないが、主観的に幼馴染みだと思っているのはほぼ確実にフレイヤだけである。イースケ側にはなんの情もなく、なんなら今時点において妻を傷つけた女という認識以上のものはない。

そもそもの話、イースケくんさんは理解ある彼くん、ならぬ理解ある夫くんだ。理解がありすぎてルビのためなら世界とか全然壊すタイプである。つまり、言い換えれば彼は大事に思ったものを文字通り命がけで大事にする男である。
そんな彼から一片の情すら向けられていないどころか、所業の最悪さを疑われすらしない(あいつがそんなことするはずない、とかすら思われていない)のだ、フレイヤは。

なんなんだこのおもしれー女は。


意外と意外にいじらしい
この話はすでに何度もやっているのだが、お願いなのでもう一度だけやらせてほしい。

ルビの背中はどこかの誰かチェシアレによってズタズタにされている。そのため傷跡がしっかりはっきりガッツリ残っているのだ。故に彼女が背中の見えそうなドレスを着る時は、大抵髪を下ろした状態である。
だが事情を知らないフレイヤは、どうも彼女が髪を下ろすのは「イースケの好みに合わせているから」だろうと解釈しているっぽいのだ。実際、50話の宴シーンではちゃっかり髪の毛を下ろして登場している。

好きな人の気を少しでも引きたいという乙女心を感じてしまい、正直この場面のフレイヤを憎めないのだ。かなりいじらしいじゃん、髪下ろしてくるの。


母との関係と、同情

同50話の解いた髪をして、フレイヤは自らの母親に「だらしない」「はしたない」と叱られている。
確かにマナー違反なのかもしれないが、だとしてもなにも公衆の面前でそんなこと言わなくてもいいじゃないか、と思う。
また、当該フレイヤ母だが、ルビの目に、憑依前——すなわち前世の母とオーバーラップして見える場面がある。そして母を思い出したルビは震え出す。

ある種のトラウマとなる程度には性格がキッツイと推測されるルビ母と、そんな彼女に似ているらしいフレイヤ母。
つまりフレイヤ母も性格がキッツイということになる。実際、駆け寄ってきた娘に微笑みかけるでもなく、冷たい目で「はしたない」と痛烈なひと言を残してそのまま去っていく。なんなら直前までルビに皮肉を言ってイースケに牽制されていた。彼女の性格はほぼ確実にキツイ。

ルビに対してはものすごく不敵な態度を取るくせに、母にはあっけなく気押されてしまうあたり、フレイヤも母を怖いと思っている様子が窺える。
この小物っぽさが可愛いし、同時にいい歳した今でも母が怖いタイプの娘である私にとって「わかるよフレイヤ……」と変な同情をしてしまう場面でもある。
わかるよフレイヤ……。不機嫌な母を宥めようとしたのに自分に火の粉が飛んできて傷つく辛さと嫌さ……。わかるよ……
ルビもエレンも髪下ろしてるのに自分がやったらはしたないとか言われるの、半分八つ当たりだけど事実マナー違反ではあるのでなんも言い返せなくてキッツイよね……、わかる……

なお、このあと82話においてもフレイヤは正装して登場するが、このときはきちんと髪の毛を結い上げている。わ、わかるよフレイヤ……
ちなみに82話だが、この回のみ「いっそフレイヤになりたい」と思ってしまう。理由ですか? チェシアレお兄ちゃんに詰められるからです。オタクはいつだって限界。あとシンプルに彼を怒らせなかった場合、大主教の姪御という立場ゆえにダンスを申し込まれる相手になるというメリットもあります。82話だけフレイヤになりてえ〜!!!!
まあチェシアレお兄ちゃんは正当な理由がなくてもあらゆる屁理屈でルビとダンスしてそうですけど。絶対イースケに渡すわけがないので。かわいいね。


謝罪が謝罪していない
ノベル版が特に露骨なのだが、彼女の謝罪は本当に全く謝罪ではない。びっくりするほど「でもあなたも悪いんですよ」みたいなスタンスである。
正直フレイヤの有害性を最も顕著に表しているのはここだと思う。彼女が数々の悪役ムーブを心から謝罪していたとしたら、おそらく私はフレイヤかわいいなんて記事を書いていない。
それほどまでに、あの「謝罪のふりした謝罪でもなんでもないお気持ち表明」が高得点なのだ。そりゃあ抱かれねえよフレイヤさん。無理だよ。諦めなよ。


エンツォ
いきなりどうしたという話なのだが、正直に言わせてほしい。
フレイヤとエンツォ、なんとかしてくっついてくれないかな……
どこかの有害お兄ちゃんチェシアレのおかげで色々とどうしようもないのだが、それでも言わせてほしい。なんとかしてフレイヤとエンツォがいい感じになりませんか……

大前提として、私は「悪い男とお嬢様」の組み合わせに極端に弱い。ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』などが非常にわかりやすい一例だ。
ただ、厄介なことに「悪い男」の定義も「お嬢様」の定義も結構ガバガバなのだ。フレイヤとエンツォを見てこの判定を出す程度には。

例えば『ファイアーエムブレム風花雪月』だと、シルヴァンとメルセデスのカップリングにあり得んほど弱い。特に刺さらなかった本作において、唯一カップリング創作を漁った程度には好きである。
だが、悪い男かと言われるとわりと全然そうではない。おそらく私の悪い男判定には「女好き(仕草)」を含むのだと思う。エンツォがそうだし。
おとみかと同じ作者の小説が原作である『ある継母のメルヘン』を読めば「エリアスとオハラってどうにかなりませんかね……」と言い出す。次男と悪女ポジの女という点で見事なまでにおとみかと役割が被っており、大変愉快である。そしてエリアスもまた、女と見れば即口説くタイプである。作者……

ではお嬢様はどうだろう。メルセデスもオハラもフレイヤもみんな貴族の出なので、そういう意味ではみんなお嬢様である。
だがそれを言ってしまえばシルヴァンもエリアスも貴族だ。その点エンツォは微妙だが、兄に爵位がある(ノベル版設定)のでたぶん彼にもあるだろう。
ただ、なんというか「どちらかといえば貴族らしくない振る舞いをする男たち」ではあるので、そういう点では共通しているものがある。女性陣は皆「どちらかというとわかりやすく貴族っぽい」という共通点がある。いい意味でも悪い意味でも。
そして、もうひとつ「相手の行動が自分の常識とかけ離れており、そこに何かしら感情を揺さぶられる要素を見出す」関係性である。メーチェは揺さぶる側、オハラとフレイヤは揺さぶられる側である。
というわけでつらつらつらつら語ったが、私はぶっちゃけエンツォの「女と見れば即口説く」仕草に若干面食らいながらも、なんだかんだ彼のエスコートで庭園を散策していたフレイヤが結構……というかめちゃくちゃにヘキなのだ。
これに関してはフレイヤが悪役だろうとそうじゃなかろうと抱かれない受けだろうとそうじゃなかろうと生じていたであろう感情だ。許して。本当にマジで好きなんで。



そもそも私の趣味が悪い
チェシアレお兄ちゃんのせいでこの漫画を愛している時点でお察しオブお察しだが、私の趣味は悪い。
だからフレイヤが意外と可愛く思えている部分は否定しない。だがそれでも、自称幼馴染みでなんの情もかけられておらず、空回りし続けていていいところが全然ないし、謝罪も自己保身でしかなく、自分のほうが甘やかされているお姫様なくせしてルビへ嫉妬しまくるフレイヤは、可愛い。

とはいえ、ルビの事情を知らなければロマーニャで大事にされてきたお姫様だと思うのは仕方がない。彼女が様々な相手と散々婚約を繰り返してきたのは明らかな事実だが、その理由までは外部に伝わってなどいない。だからフレイヤがルビのことを「散々甘やかされて育ち、男を選り好みしては取っ替え引っ替えする女」だと思うのも仕方がない。直近の破局理由はEDなので、なんならそっち方面でも緩いと勘違いしてもおかしくない。
更に言えば、ルビにはもう一つとんでもない噂がある。兄との近親相姦だ。よろしくない関係なのだと噂になっている。となると兄すら手玉に取るような毒婦だと思われること請け合いだ。
つまりフレイヤは、悪意がなくとも敵意がなくとも、ルビのことを勘違いしていたとてなんらおかしくはないのである。
だからフレイヤの悪いところは対話をせず思い込みだけで他害に走った点であり、彼女の認知そのものは否定できないのだ。我々は神の視点でルビの苦悩を知っているからこそルビに同情できているだけであり、実際フレイヤの立場になればおそらく「こんな変な女が大好きなイースに近寄るなんて!」としか思えないだろう。

もちろん彼女のやり方は普通に最悪オブ最悪オブ最悪である。褒められる所業は一つもない。
だけどなんだか、どうしても私はフレイヤを憎めない。
勝手な思い込みでろくな対話もせずにいきなり他害へ走り、悪事が明るみに出れば自己保身まみれの謝罪をするような情けなさが大変とってもおもしろく、かわいい。
そんなどうしようもない要素を好ましく思ってしまうのは、畢竟、私の趣味が悪いから、という結論に至る話なのだが。


おまけ:チェシアレお兄ちゃんは抱かれない受けなのか?

結論から言えば、違う。
抱かれない受けに間違いないし異論もないのだが、なんというかこう……、自称幼馴染み的おもろさがないのだ。彼には。
キショいし相手されてないしおもろくはあるのだが、なんというかフレイヤのような可愛げのある感じではなく、彼の情緒はただひたすらにがるまにである。
そう、彼は抱かれない受けというよりがるまになのだ。

なお、がるまににおけるウサギのおすすめは『ヒロインを潰え』です。君も好きな女を殴る男のぐっちゃぐちゃでぼろぼろでメチャクチャな情緒を聞こう。私はあれを聞いて何故かチェシアレお兄ちゃんのことしか考えられなくなりました。どういうことだよ。

以上です。

フレイヤ可愛いので抱かれない受け村のみんなたち読んでください。