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リレン
2599文字
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フリンズと現パロ学生夢主
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フリンズさんが車で迎えにきてくれる話
※現パロなので、ご注意ください。
「こんばんは。お迎えに上がりましたよ」
「
――
うん、ありがと」
雨上がりの冬空。折りたたみ傘の出番は無さそう。
通っている予備校の出口を抜けると、フリンズさんが車で迎えに来てくれていた。雨の日は自転車ではなく徒歩で向かうため、帰り時間に兄が迎えに来てくれている。しかしそれが出来ない日は、なぜかフリンズさんが来てくれるのだ。大変だから来なくてもいいよ、と伝えても「お兄さんから頼まれていますからね」と、やんわり否定されてしまう。たしかに夜遅いとはいえ、絶対めんどくさいだろうに。
「
――
はい、これ」
「おや、これは
…
?」
車の助手席前に立って待って居てくれた彼に、缶コーヒーを押し付けた。
「私がココア飲みたくなったから、ついでに買いました」
「なるほど、ありがとうございます。頂きますね」
「うん」
ふわっと微笑んだフリンズさんは、受け取ってくれた缶コーヒーを手に持ったまま、助手席のドアを開けてくれた。
「自分でも開けられるよ
…
?」
「予備校帰りの鞄が重そうなので、つい」
まぁ確かに教科書やらが沢山詰め込まれた鞄ではあるけれど、なんだか御伽話の王子様みたいで
……
ちょっと気恥ずかしい。せっかく開けてくれた行為を無駄にしないためにも、さっさとドアの中に収まることにした。重たかった鞄は足元に置いた。すると、すぐにドアを静かに閉じてくれて、彼は運転席側から乗り込んできた。
以前、なんでこんなことまでしてくれるのか?と聞いたことがある。
「貴女のお兄さんには、返しきれないほどの恩がありまして
……
ね。少しでも返せるのなら、頼まれごとは何でもやることにしているのです」
それが私という兄の妹のお迎えとは、それでいいのか
…
?と思ってしまうけれど、本人が満足そうなので、良いのかな
……
と最近は慣れてきてしまっている。これは非常に良くない傾向だな、とも思う。こんなに美形の年上お兄さんであるフリンズさんが近くにいると、もう同級生なんて見えなくなってしまうから、ね。
お兄ちゃんのバカ、ありがとう。
「せっかく買ったから、冷める前に今飲んでもいい?溢さないように注意するから」
隣に座るフリンズさんにホットココアの缶を見せながら提案する。
「えぇ勿論、構いませんよ。では、僕も頂くことにしますね」
彼は先程渡していた缶コーヒーを手に持ち直し、私のホットココアの缶に、コンッと当ててくる。
勉強疲れの体には、ココアの甘さと温かさが身に染みる。
「今日はどんな勉強をしてたんですか?」
「え?あぁ、予備校の内容?
……
えーと、模試の結果が返ってきてたから、その内容の振り返りとか、やったよ」
結果については、まぁまぁだったけど
……
これから伸び代があるってことで自分を誤魔化している。
「んー、私は英語が苦手でね。
……
そういえば、フリンズさんは海外留学もしてたんですっけ、兄が言ってました」
「そんなこともありましたね。随分昔のことですが、簡単な日常会話なら英語で問題ありません」
「それはすごいね」
「
――
よかったら、お教えしましょうか?」
「ぇえ?
――
いや、遠慮しますよ。そんな、申し訳ないんで」
「ふふっ、そうですか。それは残念ですね」
兄の役に立ちたいからと言って、そこまでしてもらうのは
……
ねぇ?
飲み終えた缶二つは、車内の飲み物置き場に一旦置かせてもらった。あとで忘れないように持ち帰ろう。
「
――
さて、そろそろ出発しますね」
「はーい、お願いします」
静かに出発する車内で、見慣れた車窓をぼーっと眺める。普段は自転車で十五分程なので、車だと数分で着いてしまう距離である。
ちらっと横目で、運転するフリンズさんを盗み見る。この端正な顔立ちで車の運転も上手いとは、同年代の女性たちに引く手数多なのだろうな、と予想してしまう。
――
と考えていたその時、
「ぁっ
――
!」
彼の焦った声に対し、
――
え?と思うよりも早く、急ブレーキをかけられた。
私の視界には、フリンズさんの腕が私を庇うように伸びてきている様子がスローモーションのように見えた。ガクンッと前のめりになりそうな肩を押さえつけられて、衝撃が和らげられた。
「
――
ああ、すみません。大変申し訳ない。なんという失態を
……
お怪我はありませんか?」
「う、うん。何ともないですけど
……
どうかしたの?」
「いえ、猫さんが飛び出してきてしまって、慌ててブレーキを踏んでしまいました
……
」
ふと前方を見ると、猫の親子が居た。無事なようで良かった。その流れで隣のフリンズさんに目をやると、眉を下げて困り果てた顔をしている。
「どこか痛むところはありませんか?」
「ううん、ないよ。フリンズさんが庇ってくれたし。ありがとうございました」
「いえ、
――
咄嗟にだったとはいえ、肩に触れてしまい、すみませんでした」
「
――
へ?あぁ、そんなこと?全然気にしてないですよ」
「そうでしたか。貴女はお優しいですね」
そう伝えると、彼の表情が少し穏やかになったようだった。
気を取り直して、家の前まで送ってもらった。
「今日は危険な目に合わせてしまい、すみませんでした。
……
またお迎えに上がることを許してもらえますか?」
「ふふっ、勿論ですよ。いつもありがとうございます」
普段のフリンズさんの運転はとても上手で心地よいし、今日も無事だったし、そこまで気にする必要は無いのだが
……
。こんなに焦るフリンズさんは初めて見た。何をそんなに気にしているのだろうか?今度兄にも聞いてみようかな。
「あぁそういえば、飲み終えた缶はそのままで良いですよ。僕が処分しておきますので」
「あ
…
持って帰るつもりが、しっかり忘れてました
……
。ではお言葉に甘えて」
「えぇ問題ありません。
――
それでは、また」
「うん。フリンズさん、今日も迎えにきてくれてありがとう。またね」
ヒラヒラと彼に手を振りながらそう伝えると、彼も手を振り返してくれた。それを見てから家の中に入った。
「彼女はコーヒーよりもココア派、ですか。また一つ知ることができました。覚えておきましょう」
彼女が家の中に入るまでを名残惜しそうに見届けてから、彼はまた車に乗り込んだ。
『彼/彼女の新しい一面を知る』
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