山野
2025-12-19 23:51:52
4987文字
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俗物根性

「むかごの冬」の枡野蕊の夢小説を作者が書いたやつ。
ネームレス。むかご以外の女です。
バリバリ18禁ですので18歳未満の閲覧を禁じます

「どうもありがとう。息子も喜びます」
「いいんですよ、これくらいのことはいくらでもしますから」

 真正面からお礼を言われてしまって、照れ半分に顔の前で手を振った。マスノさんはそんな私を見て小さく笑った。
 ――マッチングアプリで知り合った男性だった。つい先日三十路を迎えた私にとって、三十五歳の会社員で、顔も悪くないどころかよく見ると結構整っているのに、それがあまりぐぐっと、印象としてせり出しすぎていない男性というのは最高の人材に思えた。
 会ってみたらバツイチのシングルファザーだと言うから、正直結構がっかりした。
 周りが婚活とか妊活とか焦っているのに歩幅を合わせて、自分もそういう……一般人らしい幸福や日常を手に入れるチャンスなのではと、身の丈に合わない期待をしてしまっていた。
 でもそんな勝手な期待もがっかりも、マスノさんと会って数時間後には忘れていた。
 私はすっかり彼に別の欲望を抱かされた状態で、今日で三度目のデートにやってきた。
 大きなショッピングモールの仲の子供服売り場で、五年生になる息子の服を選んでほしいと言うので付き合った。
 他人の家の子供の「そういうこと」なんて正直柄じゃない。でもマスノさん相手ならしてあげてもいいと思った。
 そういうまどろっこしいことをすればするほど、そのあとに待ち受けているご褒美タイムが、よりよいものになる気がした。



「気持ちいいね、マスノさん」
「ん……
「『ん』じゃつまんないよ、この前みたいに、もっともぉっと……あんあんあん……♥ って、女の子みたいに喘いでくれないと」

 ラブホのベッドの上で、裸になったマスノさんの股間をいじったり、適当に休んだりしながら声をかける。
 ――三十路にもなってなにやってんだよって自分でも思う。
 だけど十代、二十代と過ごして、ドラマとか恋愛小説みたいに異性にちやほやされる、あるいはそれを素直に受け取る人生を己は歩んでいないとわかってきて、三十になる直前あたりで、男を柔らかくいじめるのにハマッてしまった。
 ガツガツと遊び相手を探しているわけじゃない。でも知り合った相手に、ちょっとでもMっぽい素養が見えると、恋の駆け引きはわりとどうでもよくなって、早く身体をいじりたくて仕方がなくなった。
 マスノさんはそんなゆるいS気質の私にとって、素晴らしい男性だった。
 最初に身の上を隠していてごめんなさいと告げられたときからわかっていた。
 この人は私に、アプリのプロフィールに「恋愛的にちょっとSなところがあるかもです」なんて書いている女に、いじめてほしくてやってきたのだ。
 ちょっと責めるだけで可愛く、けれどどこかダルそうに喘ぐのがとてもよかった。
 顔が整っていて、身体も肌がみずみずしくて、たるんでいない。それから私的に大きな加点として、おちんちんが綺麗だった。平均より大きいかな、くらいのサイズ。赤黒い色だけはちょっと業というものを想起させられたけど、むしろエッチだ。裏筋のビキつきも、亀頭の張り詰め具合も、カリの裏側までしっかり血が行き渡っているのも、とにかくよかった。
 美しい男が、この美しいおもちゃを私にしごかれてあんあん言うのは、脳が溶けちゃうような快感を与えてくれた。手や口で彼を焦らしながら、私のおまんこはじくじくと疼いた。
 そしてなにより、マスノさんは分際をわきまえていた。セックスというか、いわゆる本番というか、挿入行為はしたくない私にとって、とっても都合のいい受け答えをしてくれる。
 これはもう生まれつきなんだと諦めているけど、私は膣内の感度が鈍かった。どんな男の人とでも、最後までするとがっかりする。
 前戯のときが一番わくわくするし気持ちいい。失望するくらいなら、最初からもう、しないと決めていたほうがいい。
 そういう思いで、私はM男をさんざんいじめて楽しんだ後に家に帰って、その高揚を追いかけながらオナニーに浸るのが日課だった。入れたいと言われたらゆるく逃げるか、仕方なく従って、もうその男は切ることにしていた。

「あっ……あっ、あふ…………♥」
「くすっ、マスノさんは先っぽをいじめられるのがいいんだよね。だらだら垂れてるお汁、自分で舐めてみる……?」
「ん…………
…………っ♥)

 内心滾った。私の軽口に応じて、マスノさんが口をぽかっと開いた。ファッションマゾじゃここまでできない。

「ほら、あーん♥」
「ああ、ああ……

 先走り汁の絡んだ指を手元に持って行くと、彼は本当に舐めた。
 厚みのある舌で指先をねろりと味わい、自分の分泌液を味わっていく。

「すっごい、すっごい、変態だぁ……
「う……ふ」

 そして煽れば煽るほど、マスノさんのおちんちんは大きさを増した。男の人って難儀だ。興奮するほど弱点が大きくなるんだから。

「マスノさんって、自分のことどう思ってる?」
「自分の……
「こうやっていじめられてるとき、どういう自認でいるの?」
「んんっ……!」
「あ……♥」

 マスノさんは私の指をべろべろ舐め回した。恭順の証みたいな態度だった。
 とろんとした顔で、自分をいじめてくれる女に陶酔する。

(ああ、なんだか……

 ここまでイヌ人間みたいな態度を取ってくれる人はなかなかいない。本物だ。
 それを見て私の胸は、不思議と軋んだ。こんなに嬉しいのに、興奮しているのに、なんらかの不満が炸裂しそうになっている。

「クソマゾ」
――え? あ゛っ!!」

 突然マスノさんが身を起こした。脱いだのは上着だけ、ほとんど着衣状態でベッドにあぐらをかいていた私を引き倒す。

「ま……ま、待って!」

 さっきまでの従順、受動的な仕草がウソみたいな獰猛さだった。
 彼はあっという間に私を組み敷いて、肩口に馬乗りになった。
 まさかと思うまでもなく、唇に勃起したおちんちんが押し当てられた。拒めるわけもないまま、私はそれを咥えさせられた。

「ふぐっ、おぶ、ううぅうっ……!」

 一度そうなってしまうと、もう彼は水を得た魚みたいだった。
 私の頭をぐっと押さえつけながら起こし、おちんちんを喉の奥まで押し込んで、細い腰を何度も打ちつけてくる。

「ふぐぅううううっ……!」

 恐怖があった。あったはずだった。
 なのに私はそれ以上拒むことも、例えば歯を立てるとか身をよじるとかの抵抗もしなかった。できなかった。

「まあ……俺がクソマゾだったら、君もアホみたいな女王様だし、お互い様か」
「んう゛ぅううぅうぅ~~~っ……!」

 喉が動く。吐き気が襲い来る。でもそれすらまた飲み込まされてしまう。
 それと同時に、腰の奥からおまんこの入り口に、どろっとしたものがしたたり落ちた。

「俺をいじめるたんびに、羨ましそうにしてるのが丸見えなんだよ。本当はちんぽイジられる男みたいに気持ちよくなりたいくせにね」
「う、う゛うぅうッ……!!」
「女みたいに喘がれるのが好きなのも、自己同一化だろ? 気持ちよくなれない自分の代わりに、相手をアヘらせて満足してるフリ」
「ふぅぐっ、うぶ、うぅうう……んぅ~~~っ!」
「なのに男をイかせた後は嫉妬心むき出しだもんね? 本当に女って面白いよ」
「んうぉ゛おぉおんッ♥ お゛ひッ♥ おぶうぅううぅうッッッ……♥」

 マスノさんが私の喉を何度も突く。ついに耐えられなくなって胃から液体が逆流した。
 変な味の液体が鼻を通る瞬間に、クリトリスの根元がかあっと熱くなった。

「うわ、えっぐい味付けされちゃった……♥ ごめんね? でも君が悪いんだよ。君が吐いちゃったから、ゲロまみれのちんぽ、おまんこに入れちゃうことになるんだけど」
「んぐふっ……ふぐっ、お、お゛ぉぉおおっっ……!!」

 ようやく喉からおちんちんが引き抜かれて、私は開放感と同時に激しくえづいた。
 えづきながら必死に片手を伸ばして、マスノさんの身体に触れようとする。

「おぐぅっ……お、おねがいしますっ……入れないで、げ、ゲロおちんちんっ……おまんこに入れないでぇっ……!」
「ふふ、ケチな女王様だね。まんこくらい出し惜しみするなよ」
「だ、出し惜しみなんかじゃ……!」
「単にゲロ臭いの入れられるのが嫌?」
「ちが……いますぅっ……

 震えが大きくなる。
 さっきクリに感じた疼きが、全身に広がっていく。

「か、感じないのっ……セックスで……感じたことないのっ……だ、だから……
「うわぁ~♥」

 私の言葉を遮るみたいにマスノさんが笑った。

(あっ、あっ♥)

 触ってもいないのに、クリがどんどん大きくなる。

「膣イキ処女かぁ……♥ 男がイくの見てるときの、羨ましそうな……浅ましい顔にも納得」
「し、してませんっ……♥ そんな顔してませんっ……♥」
「してるよ? 私も気持ちよくなりたいのにぃ……って顔で、おまんこぐちょぐちょにしながらちんぽシコシコしてたんだよね?」
「して、な、ない……うぅうぅ……♥」
「じゃあ股開けよ。パンツ見せて」
(あぁ……ああぁあぁ……♥)

 ――結局、言われたとおりにしてしまう。
 ぐっしょり湿った下着のクロッチを見て、マスノさんは笑った。淫らに喉を鳴らして、くくっ、て。

「ふぁ゛っ……!」

 そして震えながらも開かれた私の脚をわざとらしく閉じさせて、そこからショーツを抜き取ってしまった。

(え……!?)

 結局犯されるのかと思ったら、違った。

「あ……ふ♥」
「ま、ま……待って……

 マスノさんはベッドに座り込むと、私のショーツを両手で引っ張って、自分の股間に持っていった。
 そして濡れたクロッチを亀頭に押しつけて、煽り立てるみたいに手を左右に振った。

「はぁ……べっとり濡れてるから、当たりが柔らかくって気持ちいい……♥」
「や……や、やめてっ……♥」
「なんで? 入れさせてくれないんだから、オナニーくらいさせてよ」
「だ……だめ、それは……だめっ……♥」

 私の言うことなんて聞いてくれない。
 マスノさんは私の下着を使って、自分のおちんちんを刺激していく。

(さ……あ、さいてい、なの、に……

 心より先に身体が、脳が悟っていた。
 ――私が求めていたのはこれなんだ。

「あぁ……あぁ、いい……♥」

 わざとらしく喘がれる。そのたびに私のクリが疼く。

(さ……触りたいよぉっ……♥)

 いや、ただいつもみたいにクリをいじって、気持ちよくなりたいだけじゃない。
 私は生まれて初めて……膣の奥に、おまんこの中に、男の人を欲しがっていた。

「い……い、いれてっ……
「ん……?」
「だ、ダメなんて言わないからっ……入れてください!」
「なにを……?」
「おっ、お、おちんちんですっ♥ マスノさんのおちんちん、わ、私の、膣イキ処女おまんこに……入れてくださいっ♥♥♥」
「いいの?」
「いいですっ♥」
「ナマではめちゃうけど?」
……い、いい、いいですっ!」
「子供ができちゃうねぇ」
「で、できないっ……だ、大丈夫な日だから♥♥♥」

 月経周期なんてろくに記録してない。危険日も安全日もわからない。
 口から出任せだった。

「今はオナニーしたいから。一回抜いちゃって……そのあと考えるね?」
「いや……いや、ああ……おねがいします……♥」

 この生まれて初めての情動を、目の前の男に叶えてほしいのに。
 彼は私を嗤いながら、ひとりよがりに上り詰めていく。
 私は大きなベッドの上でうずくまった。土下座みたいな格好になってしまう。
 この男は全部持っているんだ。
 この男が振り向いてくれさえすれば、今までの人生で与えられなかったような、損をさせられてきたような、そういう気分になってきたものすべてが、報われるんだ。
 そう思えて仕方がなかった。

「あっは、すごい顔……♥ 悔しいね? 俺だけ気持ちよくなっちゃってごめんね……♥」
「うぅうぅ……うぅううぅうぅ……♥」

 私の声が響く。部屋に。頭の中に。
 この人は、女を啼かせる天才に違いない。