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三毛田
2025-12-19 22:56:51
1081文字
Public
1000字6
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11 さ. 差し出された手
11日目
差し出された君の手
「ん!」
差し出された手と、そうした人物とを見比べていると、無理やり手を繋がれて。
「穹。突然どうしたんだ」
「丹恒から触ってくれないなら、俺から触るしかないだろ?」
何当たり前のことを。と言わんばかりの表情。
彼のこういうところが、好ましいと思うと同時に疎ましく感じてしまう時もあって。
俺の傷ついた箇所も、柔らかい箇所も、そんなことなど関係ないと容赦なく触れてくる。
無意識に。
初めは嫌だった。
俺の近くによるな。心をかき乱すな。
そう叫びたいのに、唇は乾いて喉は乾いて張り付いて。
「丹恒?」
「お前は、どうして」
「ん?」
「俺に、構うんだ」
三月よりも付き合いの浅い彼の方が、俺に構ってくる。
「丹恒が好きだからだな!」
俺の手を握ったまま、笑顔で。
胸を抉る。良くも悪くも。
「そう、か」
どうやっても、単調な返事しか出来ず。
「お前が好きだから、何かあれば心配するし、一挙一動が気になる。正直に言えば頼って欲しいし、もっと触れたい」
ジッとこちらを見つめる瞳には、初めて見る熱が宿っており。
逃げようと腰を引くが、離してもらえない。
「丹恒、逃げるなって」
いつになく真剣な瞳。
振り払おうと思えば振り払えるのに、手が動かない。
「俺が嫌い?」
「それは、ない」
「嬉しい」
好きだと答えたわけじゃないのに、彼はうっとりと嬉しそうな声を出し。
触れていた手をそっと離し、それから背中に回してくる。
そろそろと、まるで壊れ物に触れるかのような手つき。
「ん。丹恒、いい匂いがする」
「そんなことない」
グッと胸を押すけれど、びくともしない。
力を入れているのだが、全くと言っていいほど動かない。俺の力が弱いのか? と思って穹を見ると。
「逃げるなっていっただろ? つまり、逃がさないってこと」
ニッコリ笑う。
ソクッと悪寒が背中を走り。
逃げるために手を振り払おうとして、逆に拘束が強くなっていく。
「俺の手を取った時点で、もう遅いんだよ丹恒」
「俺の、どこが」
「全部! って言っても納得しないから、誰よりも優しいところ。それから、一度懐に入れたら甘いところ」
「っ」
俺の、自分の中であまり好きではない部分を指摘された気持ちになり、かぁっと顔に熱が集まり。
「そこがいいところ。俺が特に好きなところ。そういうところがなかったら、俺はもっと突き放されていただろうし、こうして触れることも許されなかっただろうなって」
色々と否定したいのに、上手く言葉が紡げない。
「覚悟を決めろよ? 丹恒」
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