あかまる
2025-12-19 12:42:19
2437文字
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マヒ主ドルパロ掌編_新作(LoveSongは終演に)

原作:クラウディオ〈改〉(@c1aud10_3)
ノベライズ:あかまる(@UHn2r819239)

「チェキですか? はい、どうぞ」

 女性誌のグラビア撮影と、簡単なインタビューが終わった後、インタビュアーがインスタントカメラを持ち出した。雑誌の読者プレゼントに使うサイン入りチェキが2枚必要だということで。白い壁を背にして両手でハートを作る私に、申し訳なさそうな顔をする。

「あの、……すみません。BROさんとMCさんのツーショットと、BROさんのソロでお願いします。MCさんのソロは……
 視線が私からテーブルの傍に居るBROに移る。もの言いたげな視線をものともせずにBROは悠々と私の隣に並んで肩を組んだ。
「ええ。その2枚でお願いします」
 また何かしたのかと声をかける間もなく、インタビュアーがカメラを構えた。パッと得意のアイドルスマイルに切り替えて一枚、私が離れてBROが自分の顔を覆うポーズで一枚。

 用意されていたペンでサインを描き込むけれど、私は一枚しかないのですぐに終わってしまった。BROのサインが描き込まれたソロショットを見る。この恰好を付けたBRO一人が、どこかのファンの女の子の家に行くのだと思うと、胸の奥で、黒い感情が小さく渦を巻く。顔は覆ってるからキスするようなことは出来ない、けど……

 私は机の上から緑のペンを持ちだし、BROのサインに勝手に描き込みを入れた。二枚分の自分のサインを終えたマヒルがこちらを見て目を丸くする。
「お前、それ……
「なに? ほらハートもキラキラも描いてあげたよ」
 ふふん、と鼻を鳴らしてBROのサインのりんごに、可愛い顔を書き足したチェキを見せびらかす。苦笑すると思った彼は、蕩けるような顔で笑った。ぽかんとしている内に、それを私から取り上げ、インタビュアーに交渉している。
「やっぱり2枚ともツーショットにしてください」
「うち女性誌なので、BROさんのソロがある方がありがたいんですけど……
「そこをなんとか」

 渋るインタビュアーさんを得意のさわやかな笑顔で丸め込み、私の傍に立つ彼を見上げる。彼は私の描きこんだチェキを大事そうに胸ポケットにしまうと、肩に手を回した。
「このいたずらっこ。あんなに独占欲まみれのチェキを誰かに渡すなんてできないだろ」ぐっと肩に力が入って、マヒルの方がいたずらっこみたいに笑うから。私も彼の首に手を回して盛大なピースで勝ち誇った笑みを浮かべた。
「BROの隣にはいつも私がいるんだから当然でしょ」

ピッジー。

インスタントカメラのシャッター音が聞こえても、私たちは頭を擦り付け合って笑っていた。