三毛田
2025-12-17 22:30:12
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9 け. 結末はまだ知らせないで

9日目
自分で確かめたいから

「うう……ひぐっ、ぐすっ」
……
「ありがどゔ」
「どういたしまして」
 アーカイブにあった物語を読んでいたら、悲しくて胸が締め付けられて。
 鼻をすすっていたら、丹恒がティッシュをくれた。
 多分、うるさい。って思ってる感じの顔で。
 うん。俺も、我ながらうるさいって思ってた。けど、声が漏れてしまうのを止められず。
「あれ。これ、話が途中で終わってる」
「資料として入手した時点で、そこで終わっていた。後から何とか入手したんだが、未整理の中に埋もれている」
「どうしたんだよ。丹恒先生らしくない」
「跳躍先で集めた資料を、とりあえず登録するだけしか出来ないタイミングが重なっていただけだ」
 らしくないと告げると、少しだけムスッとした表情を浮かべ。
「軽くなら覚えているから、結末を知りたいのであれば教えるが」
「ううん。自分で読む」
「時間がかかるぞ」
「俺にも整理の仕方教えて。手伝うからさ」
「そうか。頼む」
 俺が鼻をすすりつつ手伝うと告げると、ちょっとだけ嬉しそうに。
 一度鼻をかんで、濡れたタオルで目元をそっと拭い。手も綺麗にしてからアーカイブの整理を手伝う。
「あ! 丹恒、見つけたらか読んでもいい?」
「まずは、登録しろ。そしたら、好きにしていい」
「わかった。じゃあ、これの登録をしてから読むので、お時間いただきます」
「ああ」
 丹恒から許可をもらい、他の資料と同じようにまずは必要項目の登録。
 それから、軽く中身を読んで登録して。
 スマホへそのままな髪を転送し、椅子に座って読んでいく。
 もちろん、濡れタオルとティッシュ、それから飲み物を用意してから。
「はあ……
「ん……
「うわ。すごい音」
 俺が読み終わって、感動で鼻をかんで目元をタオルで冷やしているとすごい音が隣から聞こえて。
「丹恒、肩と首回り硬くなってないか?」
「なっているだろうな。基本、同じ姿勢のままが多いからな」
「マッサージするか?」
「素人のマッサージは、危険を伴う。遠慮しておこう」
 ここぞとばかりに丹恒に触れたいだけだったんだけど、断られてしまった。
「お前は、もういいのか」
「うん。ちゃんと結末を読めたから、大丈夫」
「それなからよかった。パムからおやつをもらってくるか? 糖分補給をした方がいいだろう」
「それは丹恒の方だろう? 俺が貰ってくるから、待ってろよ」
「その顔でか?」
「え?」
 そう言われ、スマホのインカメで顔を確認する。
 感動で泣いたからか、想像よりも酷い顔をした俺がいた。