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タロ文庫の作品置き場
2025-12-17 11:17:38
7985文字
Public
作品
きみのバニラに酔いたい
2024-05-04
WinTeamWeek2024 Day4『VURNERABLE』(心の壁をなくして自分をさらけ出す)
そしてWTWT ep1
ep1ウィンの「俺は酔ったヤツや意識のないヤツとはやらない」発言を元に、n番煎じですが書いてみました。
酔っ払いティームと介抱するウィンの話。
「ちょー気持ち良かったぁ!」
かの有名な海外の競泳選手の名言と同じ言葉を口にして、半ば放られるようにベッドに寝かされた姿勢のままティームはえへえへと笑った。
ふっくらと持ち上がる頬に滑らかな触感が当たる。覚束ない手で手繰り寄せれば、するすると気持ちの良いトリコロールリボンの肌触りの先にキラリと輝くメダルがあった。
それが今、ティームを最高の気分にさせている。
表彰台の上で首にかけられてから、更衣室で制服に着替えた時以外はずっと付けている。両手の人差し指と親指で持ち上げて天井と自分の間に掲げてみると、柔らかなオレンジ色の間接照明の中でも毅然とした光を反射させた。
何度貰っても嬉しい。特に今回は。
「ぴっかぴかの金メダルだぁ~」
今日、ティームは競泳人生で初めてメドレーリレーに参加した。
一年生だけで構成されたチームの中で、三番手のバタフライを担った。自由形でクロールがメイン種目のティームにとってバタフライで大会に出るのも初めてなら、自分が泳ぎ切った後に誰かに繋げて勝敗を託すことも初めてだった。個人戦に慣れていたティームは練習期間も含めて複数人で泳ぐ楽しさを初めて知ったのだ。そして表彰台に複数人で立つ嬉しさも知った。そこから見える景色はいつも自分に自信をくれるが、すぐ隣から聞こえる「やったな、オレ達」という声と笑顔にうなづく自分が誇らしく思えた。
「今回のメダル、おっきいなぁ」
ティームはズボンのポケットから個人種目で取得した同じ色のメダルを取り出して、同じように照明に照らしてから徐に両方のメダルを目の上に置いた。まるできゅうりパックをしているようだ。そう違わないのかもしれない。ひんやりした少し重みのあるメダルが火照った瞼には心地よかった。
目だけでなく身体中が重くて熱い。耳の裏や首の後ろなんて発火しているみたいで日に焼けた時の火照りに似ているが、熱はティームの内側から立ち昇っているものだった。ぼんやりした頭の中では、顔中にきゅうりの輪切りを乗せた韓国ドラマの登場人物がポンと思い出されて、またえへえへと声に出して笑ってしまった。
これ、さっき皆の前でやってみれば良かった。爆笑とれたのに、惜しいな。
韓国ドラマの登場人物の周りに先ほどまで一緒にいた三人の姿がぽこぽこと浮かんできて、腹を抱えて笑った。
同じ表彰台に立ち、喜びを分かち合ったメンバーとは、大会の後にそのままの流れで祝杯をあげることになった。それはもう、酒もつまみも美味しかった。アルコールの苦味や重さにはまだ慣れずに顔を顰めてしまうことも多いのに、するすると喉を通っていったのはアドレナリンが出ているからか。開催場所が大学に近いメンバーの一人部屋だったのも良かったのかもしれない。どこかの店に行くなら制服から着替えなければならなかったしメダルも置いていくことになっただろう。大会終わりのテンションのまま買い込んだ酒とつまみを持ち寄って、四人がみんなメダルを首にかけながら何度もグラスをぶつけ合った。それぞれの泳ぎを褒め合っては乾杯し、ライバル校のあいつはジュニアオリンピックのメダリストだったと慄いては乾杯し、練習のきつさを思い出しては吐くふりをしながら乾杯、喧嘩した時の本音を暴露して謝り合っては乾杯を繰り返した。
ティームは特待生のエースゆえになかなか話す機会もなかったから、こうして一緒に泳げて良かった、ありがとう、と。三人からそれぞれカチンとグラスをぶつけられた時は胸が熱くなり鼻の奥がツンとして不覚にも泣きそうになった。鼻水を啜る音をグラスをあおることで誤魔化して、飲み干したばかりのそことメンバーたちに溢す勢いで酒瓶を傾けて周ったのだ。
なんて楽しい酒宴だっただろう。
心につかえているものを吐き出すためにアルコールの力を借りることが少なくなかったティームは、最後まで笑って飲める酒の味を初めて知った。
今日味わったいくつもの楽しさが沸々と身体を満たしてくる。ゆるく半開きのまま体内に籠った熱っぽい息を吐き出していた唇から、間欠泉のように感情がぶわりと噴き出した。
「あーもー、本当に気持ち良かったぁー!」
「おおい! 分かったから静かにしろ、酔っ払い」
「
……
ほぇ?」
天井に跳ね返った大きな自分の声と、部屋の主の呆れ返った声が落ちてくるのが同時だった。
感情の噴出が終わり、メダルを眼鏡のようにずらして重い瞼をのろりと開ければ、そこにはじっとりと半目になったウィンが洗面器を手に立っている。
服は制服なのに髪は下ろされていて、オンオフどっちつかずの格好が面白くてティームはへらりと笑った。気持ちいい独り言を遮られても不満に思わず、目にしたものを直で表情筋に伝えてしまう。ついでに高揚感に浸りきった脳信号は、砂糖の量を間違えたコーヒーのような予期せぬ甘ったるさをティームの声に乗せた。
「ウィンせんぱぁい」
「あぁ、ウィンだ。迎えに行ってから車の中でもエントランスでもエレベーターでも廊下でもずーっとお前に絡まれまくった、ウィン先輩だ」
「髪の毛ボサボサじゃん」
「お前がさっき引っ張って取ったんだろ」
「そうだっけぇ? 覚えてないや。あ! あとおれは別に先輩に絡んでないし!」
「あ? フロアに響き渡るくらいデカい声でひとの名前と『気持ちいい』を連呼したのは誰だ。お前が今、気持ちよくなってんのは俺じゃないだろ」
「うっひっひ、うらまやしいの?」
ちょうど口元まで落ちてきたメダルにキスするようにチュッチュッと唇を尖らせて舌を鳴らすと、ウィンの綺麗な柳眉の間に深々と皺が刻まれて、嫌そうな顔がカートゥーンのキャラクターのようでまた面白かった。
言葉がチグハグになってることすら気づかないティームは、ここに帰ってくるまでの間も楽しさの間欠泉が何度か噴き出してしまったのを思い出した。確かにウィンが部屋に入るためにカードキーをポケットから取り出す僅かな間にも出てしまい、舌足らずな大きな声がうわぁんと響いた。ガチャガチャとドアを開けて顔を覗かせた近隣住民たちに、大きな手でティームの口を覆いながら引き攣った笑顔で会釈するウィンの高速解錠、入室後即施錠の流れはコメディドラマそのものだった。あの時のウィン先輩の動き、パームやマナウにも見せてやりたかったな。
ティームの頭の中で、今度は親友たちが朗らかに笑う。応援席で手を握り合ってぴょこぴょこ跳ねて喜んでくれた二人はまた日を改めてティームの祝賀会を開くと言い残してディーンとプルックと一緒にシャブシャブを食べに行った。二組のカップルにのんびりとくっ付いて行った人は、いつ解散してどうやってティームを迎えに来たのだろう。リレーメンバーの部屋からはティームの車を運転してくれた。
ぼんやりと見つめる先で、ウィンはティームのおふざけには答えずに緩く首を振り、サイドテーブルに洗面器をことりと置いた。
「ほら起きろ。制服のまま寝るな」
「えぇ
……
まだ寝たくない」
「目が麻縄みたいになってるやつが何言ってんだ」
その縄でいつだったか縛られたことのある手首を大きな手が掴んで、引っ張り起こされる。ぐわんと回った世界の中でウィンの指先がメダルを取り上げて、机の中に丁重に置いた。そのまま見続けていると今度は躊躇いなくティームの胸元でちょこちょこと動く。あっという間にシャツを脱がされて相変わらずの手際の良さに、あぁそうかとくらくら回る、回らない頭が言葉を紡いだ。
「先輩、するなら準備しないと」
その低い呟きにティームのベルトをくつろがせていた長い指がぴたりと止まる。気が付けば至近距離にいたアーモンド型の綺麗な目が一瞬見開かれてからティームと同じくらいじっとりと細められた。ベルトにかけられていた指がティームの額を軽く弾く。
「痛ぁっ!」
「このくそ酔っぱらいが。身体を拭くだけだ。まっすぐ立てないやつにシャワーは無理だろ」
「おれがたたなくても先輩がたてば出来、いひゃひゃひゃひゃ、いひゃい!」
「もう黙れ、すけべ」
いつもは服を脱がされたら唇が降りてくる場所を立て続けに攻撃されて、流石の痛みに少し正気が戻ってきた。頬を抓り上げた指はティームがきちんと口を噤んだのを確認するとタオルを洗面器に浸し、ぎゅうと丁寧に絞った。
水面に流れていく小さな水音が心地よい。
ウィンの手の大きさに折り畳まれたタオルを目で追えば、視界いっぱいに広がって顔を柔らかく覆った。温かくて優しい感触がじぃんと痺れる額や頬を撫でる。タオルが通った後はさっぱりしていて、自分がどれだけ汚れていたか酔っていてもよく分かる。
「気持ちいい
……
」
黙れと言われていたのに、感情は緩まった口からポロリと出ていってしまう。チラリと目線を上げれば、ウィンは何も言わずにタオルの面を変えて首筋を拭いた。耳の裏、首の後ろ、発火していた肌を優しく宥められる。汗が拭われてさっぱりはするが、すぐにまたティームの内側の熱で火照ってしまう。それでもウィンが通った後は心地よかった。
タオルが冷えれば洗面器に浸し、絞られる。丁寧に畳まれて、ティームの肌を滑る。
「ありがとう、先輩」
「ん」
左手で肘を支えられて、肩から腋、腕を撫でくだる。手のひらと甲をタオルで挟まれて指の股まで拭われた。
以前にバイクを洗車しているウィンを眺めていたことがある。乾いた布で車体を拭き上げる手の動きに、暑い国なんだからすぐに乾くのに几帳面な人だなと思った。それを覚えているのは大切なものを扱う動きだったからだ。それを思い出したのは、今自分に施されているからだ。
「先輩」
温かくて柔らかいタオルが胸元を通る。汗が拭われて、さらりと乾いた肌が粟立った。反対側の腕を取られて、面を変えたタオルが当たる。
タオルじゃなくて、いつもみたいに。
「おれは、したいよ」
肘を手のひらに包まれたまま、指先を支える腕のシャツの袖口に潜り込ませる。バタークリームの肌は冷たくて、指で持ち上げていく袖口から現れたトライアングルのタトゥーを爪先でカリリと引っ掻いた。
高揚感でほころんだ口からは感情が溢れる。
「ティーム」
聞き分けのない子供に言い聞かせるように呼びかけられて、爪の先のバタークリームの肌が離れた。タオルも離れて、またぬるま湯に浸けられる。ウィンはじっとティームの目を見つめて、はっきりと言った。
「俺は酔ってるやつと意識のないやつとはしない」
「恋人でも?」
「恋人だから余計しない」
それから鼻でため息をついて、濡らしたタオルで先程よりも少しだけ乱暴に左腕をゴシゴシと擦られる。
ウィンとの始まりの夜にも聞いた言葉だ。あの時は熱っぽく否定を強いるような響きでティームの正気を自覚させたくせに、今はどうぞ酔っ払っててくれと言わんばかりだ。
なんだよ。そこは恋人を特別扱いしろよ。
ウィンの特別と公平の使い分けに、緩んだ感情の蛇口から悲しみがぽたりと滴る。
大会の前にキスをするように、大会の後は肌を合わせた。若い身体は水の中で得た熱の共有先を求めている。それも今回の大会の功績にはウィンのバックアップはいつも以上に多かった。
ティームのバタフライは、水を長い腕で掻き出し、黒い翼で飛ぶように泳ぐウィンの泳法から学んだ。ウィンに教わった、ウィンのメイン種目のバタフライで、トップで泳ぎ切り仲間に繋いだのだ。メドレーリレーに出ることも、仲間と祝杯をあげることも、喜んで送り出してくれた。ティームが水に抱いている感情を全て知ってくれるただ一人の人だ。今日の気持ちを、身体を、知って欲しいと思うのは悪いことなのだろうか。
「おれとしたくないの?」
「ティ
――――
ム。頼むから大人しく寝てくれ」
「したくないんだ
……
」
「馬鹿」
悲しみから突き出た唇が幼なげに未練をこぼす。ウィンのはっきりくっきりした物言いは素面そのもので、そこに食い下がって絡む自分は立派な酔っ払いではあったが、立派な恋人でもある。いつもしていたことを拒まれるのはつらい。さっきまでの高揚感はどこへやら、心の中がくしゅくしゅに丸まる感覚に俯いていれば、話を斬ったとばかり思っていたウィンが「そんなことあるわけないだろ」と呟くから、心の皺はすぐにアイロンがかけられた。
アルコールの酔いとは凄いもので、V字回復した脳の浮遊感からティームは顔を上げてウィンに訊ねた。
「じゃあさ、なんで先輩は酔ってるやつと意識のないやつとは恋人だったとしてもしないの?」
酔っ払いとは厄介である。オーリアンなんて目じゃないくらい甘さが過剰に乗った声で話していたはずなのに、普段よりも明快な口調が突然出てくる。それはずっと訊きたくてもタイミングを逃していた話題だったのだが、今のティームは脳に浮かんだそれをぽこりとそのままウィンに差し出した。
ベッドに腰掛けたまま、サイドテーブルでタオルを濯いでいたウィンの動きがぴたりと止まる。あまりにはっきりしたティームの声にこちらを振り返るも、ティームの顔が変わらず真っ赤な林檎顔なことを確認すると、はぁと今度は口から大きくため息をついて顔を元に戻していった。洗面器から手を離して、水気を切った指が小鼻をポリと掻いている。
「恋人として、恋人のことは知っておきたい。先輩、なんで?」
綺麗に拭いてもらいさっぱりした身体でウィンの背中に寄りかかる。右腕を緩く腰に回すとウィンの大きな手のひらが前腕に触れた。ほどかれないことに安心して、ウィンのひんやりした身体や手のひらに身を任せ、ウィンが口を開くのを待った。普段はウィンの方が体温が高い。それ以上に熱が籠っている自分にウィンの温度が馴染んできて次第に境界線が曖昧になる。ウィンのゆっくりとした呼吸に合わせて揺れる心地よさにうとうとと意識を蕩けさせ始めた頃、掠れた声がことりと耳に入った。
「これも明日には覚えてないんだろうな」
「ん? なに、先輩」
起きてるよ、聞いてるよ、とアピールで鼻先を肩にぐりぐりと押しつければ、ウィンがするりと親指で前腕を撫でた。
「虚しいだろ。俺だけが覚えてるなんて」
前を向いたまま呟かれた言葉に、ティームは顔を上げた。オレンジ色の照明はウィンの頬を淡く照らして普段よりも肌の色を朱く見せている。
「二人でした事なのに相手に無かったことにされたり、誰かと間違われてたりしたら虚しいだろ」
う、わ。
ウィンの言葉はどこか頼りなく聞こえた。酔って薄膜が張ったような耳と輪郭がぼやけている視覚がウィンのそれをつるりと取りこぼしそうで、ティームの本能が自分の頬をビンタする。
「せんぱい」
「虚しかったんだよ。こっちは誰でもいいわけじゃなかったからな。
……
だからもう、絶対にしない」
ウィンが言葉を投げかけた方向はティームの胸じゃないかもしれない、過去のウィンにその気持ちを刻みつけた誰かかもしれない。もしかしたら自分自身に改めて言い聞かせているのかもしれない。けれども、あの夜に自分にかけられた言葉の強さの、これでもかと正気にさせられた同意の取り方の、バーのトイレで迫られた時でさえ荒い息に混じらせて紡がれた言葉の、たった今かたくなに拒まれたため息の、全ての根源をウィンが心の奥底からティームの前に曝け出したからには取り零したくなかった。
先輩のばか、なんで酔っ払い相手に言うんだよ。いつもみたいにトラブル回避とか責任の均一化とか、そういう合理的な物言いであしらえよ。こっちは酔ってるんだぞ。
ティームの視線を感じてか、首を巡らせこちらを向いたウィンの顔は気まずそうに恥ずかしそうに潤んでいて、目が合うと綺麗なアーモンドアイはふっと細められた。
「お前にだけは、忘れられたくない」
ウィンの掠れた声はティームの喉にぽたりと滴ると五臓六腑に染み渡り、腹の奥で爆発した。ウォッカを飲んだことはないがこんな感じなのだろうか。いいや、そんなものじゃ済まない。
これはウィンのバニラだ。
とろとろと落ち着いていた内側の熱が急上昇してティームの脳をじゅわりと灼いた。腹から何かが迫り上がってくる。慌てて両手で口元を押さえたが、それでも指の隙間から呻き声が漏れた。
「うぅっ」
「おい! ティーム!! 大丈夫か?!」
緊急事態を察したウィンが尋常じゃない慌てっぷりで立ち上がる。
大丈夫ではない。全然まったく。
洗面器に中身があることに舌打ちして、他に受け皿を探しているウィンの腕を思い切り引っ張りベッドに倒す。その反動で自分は立ち上がり、よろける足に渾身の力を込めて踏ん張った。
「は、吐くか?」
驚いてまぁるくなっている目とぽかんと開いた口、それでも咄嗟に両手を合わせて椀を作ってこちらに突き出してくるウィンに、今日味わった気持ち良いことが全て吹っ飛んだ。
ウィンから香るあたたかい甘さにくらりとする。ひっそりとしまってあった、繊細で柔らかな。
あぁ、くそ、いじらしい。好きだ。愛してる。
吐き出したいのはそんな感情ばかり。なんとか呑み込んで、ティームはウィンに向かって叫んだ。
「シャワー浴びてアルコール抜いてくる! おれは明日の朝どころか一生、意地でも、全部、覚えていてやるからな! そこで待ってろ!!」
「あ、お、おい」
ティーム、という呼びかけにどういう感情が乗ってるかは聞く余裕は無かった。ドシドシと階下に響く足音をさせて冷蔵庫から水のペットボトルを掴み出し、バスルームの扉を乱暴に閉めた。
水をガブガブ飲んで、スラックスを脱ぎ捨て、ほとんど水に近いシャワーを頭から被る。少しでもアルコールが抜けるならウィンの言う通り吐いたって構わなかったが、そこまでしなくても良さそうだ。
「ひっくり返ってないか? 返事しろ、ティーム」
ベッドにいろと言ったのに待ての出来ない犬が戸惑いを滲ませた声でドアをノックする。クリアになった身体は、メダルや酒では得ることが出来ない、自分だけが味わえる酩酊を求めている。金色の少し軋む毛並みをわしゃわしゃ撫でながら、初めて知った甘い眩暈を早く抱きしめたい。
「もう酔ってないってば!」
むしろ今から酔いたいんだと、待てが出来ないのはお互い様なティームの手は、水を滴らせながらドアノブを回した。
+++++++++++++++++++++++
あとがき
TharnTypeの酔った恋人の腕を拭くシーンが好きでWTにも是非!と曖昧な記憶のままやってもらいました。
ティーム初めて団体競技としての競泳を経験して、その他部員(仲間)と苦楽を共にするティームの青春が見たかった。某水泳アニメの動画を見て気分を盛り上げました。
前半はティームのVURNERABLEでした(無理矢理感満載)Breakthroughのが合ってる気もする。
個人的にウィンは本命非モテだと思ってます(笑)
ウィンが手塩にかけるほど相手が息苦しくなるか、当たり前になりすぎて軽く扱われたかな気がします。本作は後者の軽く扱われたパターンです。
「ディーン先輩は観賞用、遊びに行くならウィン先輩が楽しそうだよね。でも結婚するなら断然プルック先輩!」とかモブに言われてそうです。恋人要因ゼロの水泳部トップ3。その中でも本命非モテなウィン。ティームありがとう。
ティームにはウィンのVURNERABLEなところを尊重しつつ受け止めつつ、ありのままのウィンも愛していてほしいです(駄目出しも勿論する)
妄想が長い。
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