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三毛田
2025-12-16 21:54:13
1084文字
Public
1000字6
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8 く. 苦しくて苦しくて
8日目
君が好きで苦しい
痛くて苦しくて、どうにかなりそうだ。
俺以外と話さないで。俺以外を見ないで。
そんな無茶苦茶なことを口走りそうになり。
まだ相手にそれが伝わっていないことをいいことに、心のなかでそんなことばかりを願う。
「はあ
……
」
俺がため息をつくと、丹恒はちょっと乱暴に俺の頭を撫でて。
なおざりなのは、読書中だから。どっちかに集中してくれないかな。
本音は、俺の頭を撫でることに集中して欲しいだけど。
「丹恒」
「なんだ」
「暇」
「ゲームはどうした」
「デイリー終わっちゃった。周回も、体力回復待ち」
「そうか」
「あばばばば」
さっきよりも乱暴に、左右に撫でられた。酷い。
でも、そうされたら苦しくて苦しくてどうしようもなかった気持ちがどっかに行った。
丹恒に触れてもらうだけでも、嬉しいのだと改めて。
「嬉しそうだな」
本から顔を上げ、驚いたような表情。
何処に驚く要素があるんだか。
「そりゃあ、好きな人に頭を撫でてもらったら嬉しくなるって」
「そういうものか?」
「そういうものだよ」
さらっと〝好きな人〟って言ってしまったけど、丹恒はいつも通りだ。
嬉しいような悲しいような。まあ、嫌われていないだけ良しとしよう。
チラッと丹恒を見るけれど、横顔は変わらない。
「ん?」
「なんだ」
「ううん」
気のせいかな。丹恒の耳と首が若干赤いように見る。
「ふふ」
自然と笑いが口から漏れて。
「今日はやけにご機嫌だな」
「うん。丹恒が好きだって、改めて思ったからね」
「
……
そう言うことは、軽々しく言うものじゃない」
「本当に好きだから、口にしてるんだって」
あまり信じてなさそうだけど。まあ、丹恒だから仕方ないな。
自己肯定感? が低いから、好意を信じられない様子なのが見て取れる。
それはちょっとだけ寂しいし、悲しい気もするけど。
「好きだ、丹恒。こら、逃げるな」
わかりやすく動揺しているみたいで、ぱたんと本を閉じて席を立とうとして。
慌てて腕を掴むと、こちらを振り返り睨んでくる。
その顔は真っ赤で。
まさかそんなことになっているとは思っていなかったから、ごくりと喉が鳴った。
「丹恒、好き」
また
――
今度は自然と
――
好きだと口から零れ落ち。
「丹恒は、俺の事
……
どう思ってる?」
気づけばそう問いかけていた。
「わ」
「わ?」
「わ、からない。仲間としては、好ましいと思っている。だが、お前と同じ好意を抱けるかと問われると、難しい。すまない」
「謝るなって。今はそれでいいからさ」
うん。今はそれでいい。
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