三毛田
2025-12-15 21:24:23
1075文字
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7 き. 君という名の

7日目
俺の光

 君という、前に進む未来を見せつけられたら。いつまでも、過去に囚われているのはおかしいのではないか。
 そう思うようになり、龍師たちなぞどうでもよくなった。
「お前は俺の光だ」
 彼は自ら光を放つ恒星。俺は、その光を受けなければ輝くことはできぬ月。
「え? 急にどうしたんだよ」
 スマホから顔を上げ、俺の方を見る穹。
「惚気?」
 反対隣に座った三月からは、呆れた声。
「丹恒にとって俺が光なら、なのにとっての俺は?」
「うーん……空?」
「空?」
「アンタの名前って、〝そら〟を意味するみたいだから」
「へ〜」
「アーカイブにあった、太陽でもあるな」
「それは確かに」
 俺がぼそっと告げると、三月は納得したように頷く。
 ただ一人、当事者だけが納得していない様子。
「なんだよそれ」
「丹恒を照らす光ってこと」
「なのは照らさなくていいのか?」
「照らされたら、ウチ、溶けちゃうもん。氷だからね」
 楽しそうに告げ、穹の肩にもたれかかる。
 そっと肩に手が回ってきたので、俺も彼の肩に頭を預け。
「それじゃあ、これから二人とも俺のです」
「今更〜!」
「ああ。今更だな」
 俺は穹のものであると同時に、三月のもので、列車のもの。
 彼女もそうだ。穹のものであると同時に、俺のもので列車のもの。
「穹、好きだ」
「穹、好きだよ」
 俺と三月の声が重なり、ふと見上げてみると何かを耐えるように唇を噛んでいて。
「やっば。丹恒、後は頼んだ」
「逃げるな」
 慌てたように穹の手をすり抜け、穹の部屋から逃げていってしまう。
「穹。んっ」
 名前を呼ぶも、反応らしき反応よりも先に我慢できないというように押し倒され。次いで唇を奪われる。
「丹恒……
 熱のこもった瞳で、見つめられるとこちらだって我慢できなくなってしまう。
「ぁ」
「興奮しすぎだ」
 垂れてきた液体に、ティッシュを渡す。
「うう……
 数分鼻を強くつまませ、ティッシュを丸めてから鼻に入れる。
「何処に興奮する要素があったんだ」
「二人に好きだって言われて、丹恒とキスしたら。その後のことも、考えたら、つい」
「ついじゃない。膝枕は無理だからな」
「はーい」
 ティッシュを新しいのに変えさせ、血の付いたシャツを洗ってランドリーに入れて。他の洗うものも一緒に入れ、それからスイッチを入れ。
「丹恒、ごめん」
「謝らなくていい。それよりも、横になったりするなよ。完全に止まってからじゃないと、許可しないからな」
「はぁい」
「それから、あまり喋るな」
 俺が告げると数回頷いて。