なりさ
2025-12-15 00:32:38
826文字
Public 駄文拙文
 

帰りを待つ彼ら。


これからも、 明和大日立の、そして麻上龍一のファンでありたいと思います。
お手にとってくださり、心よりお礼申し上げます。 ありがとうございました。
2016/10/09 VIOLET FIZZ なりさ


「試合どうなったんだろうな」
試合が終わったという連絡はもらっていたが、結果までは流石さすがに聞くのがはばかられ『気をつけて帰ってこいよ』という当たり障りのない返事しか返していない。
どんな試合だったのだろうかと話を聞きたくてウズウズしているのは隣りにいる長瀬も同じようで、落ち着かない様子で何度も時計を眺めている。
隣の人間がそんな様子なので、麻上も同じように早く聞きたい気持ちはあるのだがおくびにも出さないで落ち着いて座っていられるのだ。
「そろそろ帰ってきてもいい頃なのにまだ帰ってこないのかな」
長瀬が時計を眺め時間が経たないのを少々イライラしながら待っている。
「どこかで渋滞でも巻き込まれたのかな……、まさかボロバスが故障したとか!?」
落ち着こうと自分に言い聞かせるように遅くなっている理由をつぶやいて一人あせる長瀬に麻上は声をかける。
「悟、さすがに落ち着こうぜ。もうすぐ戻ってくるさ」
「わかってるけどさ……
麻上も時計をながめ、予想している時間よりも少し遅い帰りに焦りと不安の混じった複雑な気持ちを抱く。
「悟、落ち着かないなら体育館と校門まで出てみるか?」
もしかしたらその移動時間分は時間を気にしなくても済むかもしれない、という麻上の考えに、長瀬は同意するうなづきを返すと、椅子から立ち上がって寮の玄関に向かい始めた。
二人で並んで夜の寮への道を学校へ逆戻りする。
上着を着ずに出てしまったので少々寒かったが、かと言って取りに引き返す気もなく早足で歩いている。
「寒っ。何か着て出れば良かったな」
そう苦笑いをする長瀬も引き返す気は全く無い様子だ。
寒さにぶるっと身震みぶるいしたその時、ボロバスのエンジン音が聞こえた。
「おっ、帰ってきたか! 行こうぜ」
早足から駆け足になった長瀬はエンジン音の聞こえる方向を一直線に目指す。
麻上もその背中を追いかけるよう、走り始めた。


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