三毛田
2025-12-14 21:41:47
1086文字
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6 か. 頑なに拒む

6日目
理由は何とも可愛いものだった

「キスくらいいいじゃん! 丹恒のケチ!」
「ケチじゃない。そもそも、お前と口づける必要性を感じない」
「なのならわかってくれるよな?!」
「ウチに話を振らないで! 痴話喧嘩は、他所でやってよ〜!」
「痴話喧嘩じゃない。俺は当たり前のことを穹に告げているだけだ」
 なのの言葉に、少々ムッとした様子で返す丹恒。
 キスくらいしてくれたっていいのに。
「減るもんじゃないじゃん」
「俺の中の何かが減るからやめろ。強請るな」
 ムッとした表情を向けるけれど、丹恒はツーンとした表情。
「二人で決着つけて。ウチを巻き込まないで!」
 バシバシと俺たちの背中を叩き、なのはいなくなる。
 今回ばかりは、味方になってもらえなそうだ。
「何が減るんだよ」
「色々減る」
「その色々を知りたいんだってば」
 問いかけるけれど、答えてくれない。
「俺は丹恒のこと好きなのに」
「それは錯覚だ。刷り込みだ」
「そんなことない!」
 少し強めに応えると、丹恒は驚いたように俺を見て。
……ない」
「なに」
「そんな、都合のいいことなど、ない」
 ボソボソと、まるで信じられないようなものを見るかのような表情をこちらへ向けながら。
 それは、まるで。
「お前が俺の事、好きみたいじゃん」
……悪いか」
「俺こそ、都合のいい夢でも見てるんかと思ったよ」
 手を伸ばし、抱きしめる。恐る恐る背中に腕が回ってきて。
「片想いだと思ってたから、キスするのは嫌だった?」
「そう、だ」
「なら、両思いだからしてもいいだろ?」
……
 問いかけるけれど、肩に顔を埋めてしまって答えがない。
 可愛すぎだろ。
「丹恒、いいか?」
 耳元で囁くように問いかけると、ゆっくりと顔を上げ。
「ああ」
 囁くような声で、頷く。
 ドキドキと煩い心臓の音を無視しながら、そっと唇を重ね。
「ふふ」
「嬉しそうだな」
「だって。丹恒が頑なだった理由が、片想いだから嫌。っていうのが可愛くて」
「可愛くない」
 そうやってむくれるところも滅茶苦茶に可愛い。
 でも、口にはしない。拗ねられたら嫌だから。
「丹恒、もう一回キスしても?」
「ああ」
 もう一度重ねた唇は柔らかく、ずっと貪っていたい気持ちに。
「今、ろくでもないことを考えているだろう」
「そんなことないって」
 栗ビルを貪りたいって、ろくでもないことなのかな? 俺としては、重要な事なんだけど。
「丹恒、好きだ」
「俺も、穹が……好きだ」
 ん~。可愛いだろ。
 キス以外のこともしたくなるじゃん!
「穹?」
 俺を不思議そうに見てくる。可愛い。