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三毛田
2025-12-13 23:44:12
1081文字
Public
1000字6
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5 お. 多くは望まない
5日目
望んでしまえば、際限なく欲しくなる
彼が、彼らが幸せであるならば。笑顔でいられるならば。
この身が朽ち果てようとも、構わない。そう思っていた。
多くは望まない。けれど、彼らの平穏が崩されるならば戦う意志はあると。
だけど、あの時、あの瞬間。お前がいなかったら、俺はあの場に行くこともなく、過去に向き合うこともなかっただろう。
「感謝している」
「何に?」
「お前と出会えたことに」
「大袈裟〜。でも、ありがとう」
俺の言葉に苦笑した後、ふにゃふにゃと笑ってこちらへ手を伸ばす。
「うん。ちゅーしよ」
「お前はまた、脈絡もなく
……
」
頬に手が伸ばされて、それから唇まで滑っていき。
ふに。と、彼の指が唇を押す。そんなことをされたら、言葉を飲み込むしかない。
「一回だけだ」
「やった~!」
勢いよく抱き着いてきた後、そっと唇が重ねられ。
いつもそうだ。勢いよく抱き着いてきたのとは反対に、唇に触れる時は優しい。
そのギャップに、きゅんとしながらちょっとだけドキドキしているのを悟らせないようにする。
「ん。もう一回」
「一回だけだと言っただろう:
「ぐえぇ」
唇を離した後また顔を近づけてきたので、グイっと顔を押すと丹恒酷い。と小さく呟く。
約束を守らない方が悪いだろう。
「じゃあ、今は我慢する」
唇を曲げ、不承不承という反応。
今日は珍しく素直に引いてくれたので、助かる。
「でも、今はだからな」
ニヤッと笑い、俺の耳を撫でて離れて。
「っ」
ぶわっと頬に熱が集まって。
それを見た穹は、驚いたように目を丸くする。
「ぇ」
「み、見るなっ」
「丹恒照れてる? 可愛い」
驚きを引っ込めたかと思うと悪戯を思いついたような表情で、こちらを見て。
それから、俺を壁まで追い詰める。
「キス、するよ」
「や、やめてくれ」
多くを望まない。だって、一度望んでしまったら止められなくなってしまうから。
「なあ、丹恒。いいだろ?」
こういう時ばかり、格好いい表情を浮かべるのをやめてくれ。そう口にしたいけれど、言葉は口の中へと消えていき。
穹が望むまま、彼に望まれるまま、唇を貪られた。
「
……
」
「ちょっと唇腫れてる?」
「お前のせいだ」
「デスヨネー!」
ようやく解放された時には、足腰立たなくなってしまい。その場に座り込んでしまう。
睨みつけるけれど、どこ吹く風。
「丹恒さ。なんかセーブしてるだろ」
「当たり前だ。お前みたいにがっついて、いざという時に動けなくなるのは困る」
「ひどっ。でも、それは建前。本音は、怖いから?」
「
……
」
どうして。
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