三毛田
2025-12-12 22:04:43
1069文字
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4 え. 笑顔でいたいから

4日目
君の邪魔になるものは排除する

「うん。邪魔するなら、消えてもらわないと」
 笑顔でいたいから。心配せせたくないから。
 言い訳のように並べるけれど、本当は彼の手を煩わせたくない。それが一番。
 彼に知られたならば己は列車の護衛なのだから、自分に任せろと絶対口にする。
 少しでも負担を減らしたいし、好きなことに時間を費やしてもらいたい。
 抱いているのは、そんなエゴだ。
 敵を処理することに、何とも思わなくなってきた。もしかしたら、前からそうだったのかもしれない。確証はないけど。
「終わりましたか?」
「ん? 一応今ので終わり。悪いな、サンデー。付き合わせて」
「いいえ。しかし、本当に丹恒さんに告げなくてよかったのですか」
「いいんだよ。論文を書き上げるのに忙しいのに、あんな雑魚を相手にさせたくない」
「そうですか」
「丹恒には、好きなことをしてもらいたいんだ」
 冷たく暗い、水の音がするのにそれに触れることすら許されない空間に長らく閉じ込められていた人。
 自由を手にしたのだから、好きなことをして笑顔でいてもらいたい。そんな自己中な願い。
「惚れた弱みってやつ」
「それはまた……
「言いたいことがあるなら、はっきり言えって」
「いえ。あなたのような人に好かれている丹恒さんが少々憐れですね」
「ひっでーの」
 ケラケラ笑うけれど、サンデーは複雑そうな表情。
 失礼な。
「んじゃ、プリンタルトの美味い店に寄ってから、帰ろうか」
……
 言葉は返ってこないけれど、パタパタと羽根を動かし落ち着きがなくなる。
 わかりやすいな。
 お店のテラスで二人で食べて、色々とタルトとケーキを買って列車に帰る。
「ただいま~! パム、お土産! おやつの時間にみんなに持っていってくれ」
「おかえり。二人での依頼はどうじゃった?」
 俺からケーキとかの箱を受け取り、優しいまなざしで見上げてきて。
「余裕余裕! 丹恒用に別にお土産買ってきたから、届けに行ってくる!」
「では、私は姫子さんたちに報告に」
「頼んだ」
 サンデーとパムと別れ、俺の部屋へ。
 俺が不在の間は、自由にパソコンとかを使っていいと言ってあるのでこちらにいるはず。
「ただいま~。そろそろ休憩にしないか?」
「ん。おかえり」
 振り返った丹恒は、眉間を揉みながら大きく伸びをして。
「キスしていい?」
「手洗いうがいは?」
「実はまだ」
「それを先にして来い。それから、服はランドリーへ」
「それなら、シャワー浴びてくる! これ、お土産!」
「ならお茶を用意しておこう」
「頼んだ!」