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望月 鏡翠
2025-12-09 00:06:15
1011文字
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日課
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#1935 ミノーフィッシュの男たち13
#毎日最低800文字のSSを書く/我らが王の身罷りて 二次創作
ディルストーンの王家は三代続いた。
短い平和とも言えるかもしれないが、その短い戦のない年月は荒野に道を敷き、各領地間の往来を活発にして、リュネストの文化を受け入れるだけの余裕を作った。街から少し離れたところに見える、根本が妙に膨らんだ木立は薪炭林だろう。生命力が強く、幹を切っても脇から次々に枝を伸ばす粘り強いきは、寒い地方に生えるものらしい。
更に北に行くと、建材として用いられる、太く真っ直ぐに育つ針葉樹の単一林へと変化していく。船の建造にも適した良質な木だ。本国レシーの興味は、常にそこにある。
王都まで入ると、流石にまだ喪の空気が抜けていなかった。
流石にもう来客に対しても求める時期は過ぎているものの、王家という華々しい名に対して館の中は静かだった。
自ら喪に服すものが多いのは、王の偉大さに対する嘆きの深さを示すのか、あるいは五名家の人間が訪ねてくる時期に合わせてあえて引き伸ばしたのかもしれない。
リュネストだけでなく他の家も策謀を巡らせていることだろう。王家に擦り寄る様々な提案に対して、まだ喪に服しているからという理由で腰を重くすることができる。それでも強いてというものには、不敬と跳ね除けることができる。政治上まだ大きな混乱が起きていないのは、どこの家も大きな動きを見せていないからだ。
王への想い故だと言われるよりも、そちらの方がトルガには理解しやすい理由だった。いずれにしろ、ディルストーンと謁見するときに考慮しなければいけないのは、感情面ではない。お悔やみ申し上げるという態度をとることは大切だが、玉座を空けてくれたことは都合がいいのだから。
かくしてどこか静かな街を抜けて、トルガは客人としてディルストーンの居城に迎え入れられた。
使用人たちを見ていると、否応なしにエリセオのことを思い出す。流石にディルストーンの使用人は質が良かった。
トルガの侍従は、侍従といいつつ王都まで共をさせる訳には行かない。夜通し馬車を動かしたあと、宿に寝かせて出立するとき起こさず、置いてきた。そのまま館に戻るようにことづけてある。往復したばかりだから、館へいくにも迷うことはないだろう。
使用人の質は主の質と同等に見られる。
便利に使わせてもらっているが、とてもではないがまだ人前に出すことができるようなレベルではなかった。
将来、貴族になることを志す者にとっては不幸なことだ。
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