kuraba
2021-12-31 17:07:09
996文字
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※※※ /ジャンアド(合同創作)

作成途中 この後はジャンルカいっぱいでてアドリアーノはハッピーになります

────雨だ。
一昨日も、昨日も、そして今日も。
エストレム州全域は厚い雨雲に覆われ、各所で記録的大雨……とまではいかないけれど、湿気も雨音もそろそろ皆を飽きさせてきた。そんな頃だ。こんな季節には爽やかな味わいの、そうだな、マスカットなどのフレーバーティーが気分の雲を払ってくれるものだ。

「ねー、人魚っていると思います? 因みにぃ、俺はいると思う」
藪から棒にチェレスが口を開く。振り返れば柔らかく皮が張られたソファの背もたれにその首をもたれ掛けさせていた。
その手には『月刊アトラス 超常UMAファイル 夏の創刊号』とかいう何とも胡散臭い文字の並ぶオカルト雑誌、目の前のローテーブルには書きかけの書類。
……またサボってる。ピエルさんに怒られますよ? あのおっさ……あの人、プリプリしてるぶんにはいいけど目を付けられると厄介ですよ」
「昔兄さんがサボってデザートビュッフェしてた時さぁ、マジでピエルさんあんな顔できんだって思ったもん。身を以て実証済み、ってね」
「ん? 喧嘩なら快く買ってあげようねぇ」
「嫌だあ、ンなおっそろしい顔で見下ろさないで……
「えぇ……僕、優しいのにな? ともかく雑誌は没収だよ。提出してきなさい、大魔王と筆頭様とピエルさんに三重で可愛がられる前に」
我ながら中々の脅しだ。デザートビュッフェと聞けば行きたくなってしまうではないか。全く憎たらしい、とアドリアーノは軽く舌打ちを放つ。
そうまでして漸く、「ウィス」とやる気のない返事をしてチェレスは卓に向かった。
「ピエルさんだけ肩書きピエルさんなのめっちゃウケたんで、俺っち、頑張っちゃいま〜す」
何とも速筆。大方、書く内容は考えてあったが気が乗らず、軽食ついでに買った雑誌を広げ始めた。そして偶々、自分が通りかかって話し相手の席をご用意されたのだろう。どうせそんなところか、とアドリアーノは嘆息する。
「人魚……人魚、か」
我が家のベタ、人魚であったならどれだけ美しいか。2匹いるから、大きく今より自由を手に入れたとしたら喧嘩は一層派手かしら。
ルカは人魚を信じているだろうか? どこに居ると答えてくれるかな。自分は本当は人魚なんだと言ったらどう話し続けてくれるだろう。
仕様もないと振り払った年下の雑談が簡単には離れそうにない。

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7/1 人魚の日








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