kuraba
2019-03-09 06:18:14
426文字
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都々逸(朴蓮)

散文

黒い羊はケラケラと笑った。
「そうだ朴竺、あとがつくほどつねっておくれ、あとでのろけの種にするから」
……そういうの、やめてくれ、……本当、に」
「つれないなぁ、如何してだね?」
……本気にしてしまうだろ」
「なら本気にすればいいじゃないか」
元々細い目を、より薄く。笑う羊などいるものか。その様な朴竺の嫌味も、この男の前ではほんの小鳥の囀りに過ぎない。
濃墨の髪に顔を埋めると鼻先がすれ違い、朴竺は一抹のこそばゆさを覚える。
「思うんだよ。優しいおまえでも、こんなあっしに愛想尽かす日が来るんじゃないか、ってね」
鶯の緑褐色の襟足を指に絡めながら蓮華は独り言ちる。末尾が手毬よろしく跳ねた、どこまで真か分かりはしない。
……別に桃になんて、止まりゃしないがな」
春告げ鳥も、初めは鳴くのが酷く不器なことである。それでも「止まり木は梅」だと返歌をするのが付き合い下手ながら彼の礼儀であった。
口に弧を描きながら、羊は鶯を巣へと押し倒した。






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