三毛田
2025-12-07 22:21:35
1069文字
Public アドベント25
 

07. 似たもの同士

7日目
似ているところもまああるにはある

 俺と丹恒に、似たところがあるかと聞かれると答えに窮する。
 俺よりもカッコいいし、頼りになるし、頭もいい。
『お前も、自頭は悪くないのだから、少し努力をすればもっといい結果になるはずだ』
 とは言われたことがあるけれど、やる気がない時は本当にやる気がないのだから仕方ないだろう。
「はあ……
「ため息をついてどうした」
「ううん。丹恒は有名人に似てるって言われたことある?」
「特には。あまり気にしないからな」
「そっか」
「急にどうした」
「そういう話題を見かけたから。それだけ」
「なるほど」
 頷くだけ頷いて、丹恒は自分の作業に戻り。
 俺も、ゲームを再開。
 丹恒と俺の似ているところが、もっとあるだろうかとそっと観察してみるけれど、答えは簡単に見つからない。
 だって、あまり見つめてしまうと彼の邪魔になってしまうから。
 邪魔はしたくない。それは本意じゃない。
「丹恒」
……
「そろそろ休憩」
 後ろから手首を掴んで、作業を止める。
 不満そうに睨んでくるけれど、ずっとやってるんだ。ほどほどに休憩を入れないといくら丹恒でも、疲れてしまうだろうに。
 己の限界を正確に把握していればいいが、丹恒のことだ。大雑把にしか把握していないだろう。
 それは俺にも言えること。
「あー。丹恒と楽しくお茶をしたいのにな~」
「仕方ないな」
 俺がわざとらしく言うと、仕方のない奴だ。というような反応。
 別にいいけど。
 資料室の外のテーブルに、パムが用意してくれたティーセットを置き。
 向かい合って、まずはお茶を。
「夢茗のところで買ったやつだ」
「星槎海のあの店舗か」
「そう。仙人爽快茶を売ってるところ」
 お茶に合わせたのか、お茶請けも仙舟風だ。
「肉まん食べたくなってきた」
 胡麻がまぶしてある一口サイズの団子っぽいものを、口へ放る。これは売っているのを見たことないから、パムがお茶に会うものを選んで作った可能性がある。
「この胡麻のやつは、意外と悪くない」
「だな。ただ、あげてあるみたいだからカロリーがヤバそう」
「お前がカロリーを気にするのか?」
 驚いた。というように、少々目を丸くして。
「最近ちょっと食べすぎている気がするから、気にしてるんだよ」
「そうか。だが、いつもみたいに『運動するからいいんだよ!』とは言わないんだな」
「俺、そんなこと言ったっけ?」
「いつだったか、大食いにチャレンジしていた時に言っていたぞ」
 微笑ましそうな表情をこちらに向けなあら、お茶を飲む。
 なんか、ズルい。