三毛田
2025-12-06 23:14:49
1077文字
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98 098. おはようのキス、おやすみのキス

98日目
朝も夜も口づけを

「丹恒、おはよぉ」
「ああ、おはよう。こら、まずはうがいをしてこい」
 眠そうに目をこすりながら上半身を起こし、俺に迫ってくる。
「ふわぁい」
 欠伸をしながら、ベッドを下りて洗面所へと向かう。シャツの中に手を入れて、腹をかきながら。
 やめろと言ってもやめないので、諦めている。
「んちゅ〜」
「ん」
 何が楽しいのかわからないが、いつもキスをする時そんな声を出しながら顔を近づけてきて。
「歯磨き粉、残っているな」
「マジ? もう一回うがいしてくる!」
 舌を入れてこようとした瞬間、穹が愛用している歯磨き粉の香りがしたため全力で拒否させてもらった。
 朝から舌はやめてほしい。
「丹恒、どうだ?」
 と言いながら、二回目の口づけ。
 離れた直後はキリッとした表情だったのに、今は俺の返答が楽しみで仕方ないという緩んだ表情に。
「歯みがき粉は残っていないようだ」
「よかった。もう一回」
「起きたのなら、朝食だ。行くぞ」
「はーい」
 つまらん。
 という呟きが聞こえた気がするが、スルーだ。
 食堂で朝食をとる。食事を終え、資料室へ戻ると穹もついてきて。
「いつものアーカイブ整理だ。一緒に居てもつまらないぞ」
「丹恒と一緒に居るのが好きだから、いいんだ」
 後ろから抱き着き、背中に頬ずり。
 動き回るならば、邪魔になる。しかし、水分補給やカロリー摂取の時以外はあまり動かないからまあいいだろう。
「丹恒、ちゃんと休憩しろよ」
 いつの間にか俺から離れ、椅子に座ってゲームをしている。
 彼の前のテーブルには、クッキー、スコーン、コーヒー、紅茶と並んでいて。
「パムが届けてくれた。一緒に食べよう」
 両手を伸ばしてくるので、どうしたらいいのか戸惑っていると、膝を叩く。
 そうっとそこに座ると、ニコニコしながら俺におやつを食べさせてきて。
「美味い?」
「あ、ああ」
「よかった」
 と言いながら、俺が一口だけ食べたクッキーをパクっと食べ。
 間接キスだと気付き、飲み始めたコーヒーを落としそうになった。
「ばか」
「ん?」
 俺の言葉など聞こえていない。そんな表情で、スコーンを食べている。
「そんなに食べたら夕飯が入らないだろう」
「大丈夫!」
 笑顔で頷く彼の唇には、食べかすがついていた。
「丹恒先生、おやすみのチュー」
 今日も就寝時間に穹の部屋へと連れ込まれ、ベッドに寝かしつけられ。
 少しうとうとし始めたタイミングで、そう言われた。
「ん……
「べろちゅーはしないから、安心して」
 という言葉とともに、唇を重ねられた。