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syanpon
2025-12-06 04:09:43
1644文字
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じゃあ明日、買いに行きましょう
(告白してない)
オトスバ
現パロ
歪な形で手に入れたものだった。
どうしてもほしいものだったが正攻法では手に入らないと思ったからこそだった。
ただまぁ、そうは言っても目の前で手に入れたそれはオットーの手のひらからこぼれ落ちようとしているわけで。
それを考えるとやはり正規の手順を踏まなければいけなかったのかもしれない。そうなるとオットーが一生手に入れることができない一番星だったということになる。自問自答や回想は今この時点でなんの役にも立たない。
彼を攫って友情を自らの手でぶち壊したあの時からこうなることは決まっていたのだ。
痩せて緩んだ足枷の隙間にタオルを挟んで抜こうとするスバルをみて自嘲する。
「はは」
「お、オットー。これはちがくて」
びくりと肩を震わせてなんとか弁明を試みようとするスバルに近寄り目の前にしゃがみ込む。数ヶ月に及ぶ室内生活でほんの少し線の細くなった体躯、それでもオットーを視界におさめる瞳の輝きは失われていなくて空に安堵すると同時に恐ろしく思う。
なし崩しに部屋に連れ込んだ。
足枷を嵌めて逃げられないようにした。
毎夜睡眠薬を飲ませて夜に脱走を図られないようにした。
オットーが家を開ける時は監視カメラをつけて彼が何をしているのかリアルタイムで把握できるようにした。
よくもまあこんな生活が数ヶ月も続いたものだと思う。これに関してはオットーの手際が良かったというよりはスバルが思ったよりも抵抗しなかったことが大きい。
「潮時、ですかねえ」
歪な形で手に入れた星でも、夜中に抱きしめて心臓の鼓動を聞くのが好きだった。
ポケットの中にいつも入れている鍵を鍵穴に差し込んで回す。カシャン、なんて乾いた音を立てて足枷はあっけなく床に転がった。
「どうぞ」
「
……
?」
オットーはしゃがみ込んだままパタリと目を閉じる。数秒も経てば自由になったことを理解したスバルが立ち上がる衣擦れの音にこの息の詰まる部屋から飛び出していく足音が聞こえてくることだろう。
情けない話だがそれを目にしてしまえば縋り付いてしまうし押し倒して止めてしまう。
そうしてしまわない自信がオットーにはなかった。
「ん」
結論から言うとそのどちらの音もオットーの耳には聞こえてこなかった。
代わりにオットーのたてた膝にスバルの白くなった足首が靴を履かせてくれとせがむように乗せられている。
困惑をまばたきで伝えるとスバルも困ったように眉を下げた。
「ん!」
「え、なんですか」
「え、前のが緩くなったから新しいのつけてくれるんじゃねぇの」
「は
……
」
「俺、お前と一緒だとなんかよく眠れるし」
睡眠薬盛ってますからね。
「俺が起きた時隣にいて、一人にしないのも嬉しいし」
逃げられたら困りますし。
「ずっとテレビ電話繋いでおいてくれているから寂しくないし」
それ監視カメラって言うんですけど。
「今日何してた? って聞いてくれるの俺に興味ある感じしてありがたいし」
日々の違和感に気がつくためですけどね。
にこにこと笑いながらそうやって一個ずつ上げられていくオットーからスバルへの人権侵害行為。どこからどう見ても犯罪であって喜ばれることなんて一つもない。頭を抱えたオットーにスバルはぎゅうと抱きついて甘える。
まるで恋人みたいに。
「何も言わずに同棲始まったのはビビったけどな?」
同棲じゃなくて監禁って言うんですよ。
オットーは片腕で余ってしまうスバルの細い腰を抱えると床に転がったままの足枷をつまんでため息をつく。
「もうこれ、いらないかもですねえ」
「え、なんで、やだ」
「ええ
……
?」
「さっき緩くなっちったからタオルかなんか詰めようとしてたんだよな」
「なんでわざわざ拘束されにいくんですかあんたは」
オットーの首に両腕を巻き付けてスバルはカラリと笑う。
「目に見える愛情って感じ、嫌いじゃないから!」
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