goyuminogoyu
2025-12-05 22:34:14
1756文字
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たぁざんネタ!五悠





出張帰りの五条が高専の職員室に立ち寄ったところ、自分の机上に置かれている雑誌を見かけた。
「あれ。何この雑誌」
「ああ……先日お伝えしていた、虎杖くんに取材依頼が来ていたフィットネス雑誌です。見本が送られてきまして」
五条の呟きを聞いて、近くの席にいた伊地知が振り向いて話す。
五条は秋っぽい色合いの表紙の雑誌を手に取った。
「あー、言ってたね。完成したんだ」

思い返せばひと月ほど前、雑談の一環として虎杖本人からも聞いていた。
「筋肉が撮りたいらしくて、フィットネス雑誌の人に頼まれた」
「へー、いいじゃん。全国デビューのお祝いしなきゃ」
実際に虎杖の筋肉は誇れるものだし、フィットネス雑誌ならド健全。いい意味で注目を集めるのはめでたいことだ。

そんなことを思い出しながら、表紙を改めてしげしげと眺める。
虎杖はまがうことなく表紙にデカデカと採用されている。
紅葉が感じられる露天風呂の岩場で、上半身裸。全身の見事な筋肉もさることながら、腰にタオルを巻いた虎杖が片膝を立て、もう片方をあぐらのようにして足の間に手をついて座っており、股間に視線を誘導するようなアングルだ。なんとなく思わせぶりで、無垢をアピールするような上目遣いと半開きの口元。
虎杖の後ろに京都校の東堂葵の姿もあるが、東堂の話はこのさい脇に置いておく。
五条は、とりあえず虎杖のポーズや様子がおかしいことに目がいった。
声が自然と低くなる。
……なんか露出、激しくない?乳首出てるし。そもそもポーズもおかしいだろ。思ってたのと違うんだけど」
聞いていたのは、フィットネス雑誌。筋肉を撮りたいという話で、五条がイメージしていたのはタンクトップや短パンを着た虎杖がフィットネスジムの器具に腰かけて笑顔を浮かべているような健全で健康的なものだ。
対して、これは…………
伊地知の歯切れが悪くなる。
「そう言われましても……
五条は自分の顎を掴み、目隠しの下で眉を寄せながら確認した。
「発売見合わせって間に合いそう?」
「もう発売されてます」


これを見た世間の反応が気になる。
五条は高専のロビーに移動し、ソファに腰かけて雑誌を横に置き、スマホでSNSを検索した。
すぐにエンタメニュースアカウントが虎杖表紙の雑誌を表紙画像付きで宣伝しているポストがヒットする。五条の横にある雑誌の表紙と同じものだ。
ポストに数万のリポストと数万のいいね、そして数百のリプライがついている。
ポストをタップすると、その下にポスト宛てのリプライがずらりと出てきた。
【えっろ】
【これはだめだろ】
【えっちすぎる】
【性的搾取案件では】
…………
五条は続いて、ポストをリポストしているアカウントを追った。
一覧で出てくるアカウントのプロフィールにR18の絵文字がついているものが散見される。
悪い予感がして、そのアカウントのいくつかを見てみるとゲイ男性向けや成人向けアカウントの傾向が多く見られた。
他にも虎杖をリポストしているアカウントがどんなものか確認してみれば、五条がたまたま見たアカウントは、男性の裸や股間の膨らみを強調した画像や、そもそも股間自体を露出している画像のポストやリポストで溢れていた。モザイクさえかかっていない。その並びに虎杖表紙の号の雑誌を宣伝するポストが混ざっている。
もちろん虎杖においては股間など露出していないが、そういったものをポストやリポストしているアカウントの持ち主に虎杖がどんな目で見られているか、突きつけられている気がする。

「はーーっ……
片手にスマホを持ったまま、もう片方でこめかみから額を手のひらで覆い、魂が抜けそうな深い溜め息をつく。
そこに、奇遇にも虎杖が通りかかった。
「先生!戻ってたんだ。どったの?」
五条の溜め息が耳に届いたようで、ソファに座る五条の背後から明るく声をかけてくる。言うまでもなく、今は幸い、半裸などではなく赤いパーカーのフード付きの呪術高専の制服に身を包んでいる。
五条は、海外圏にまで拡散され、ポストに延々とつけられている【sexy】だの【I want you】だのの引用をスマホで眺めながら目元を暗くして言った。
「これダメでしょ」
「え?」