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moto
2025-12-05 08:28:46
781文字
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秘密
さまささワンドロワンライお題「秘密」
わざわざ出向いた割には、あっさりと勝負はついた。
「うーん、今日はこんなもんか」
スマホの画面に指を滑らせながら簓が言う。今日は気になるチームに手当り次第バトルをふっかけていった。手応えのあるチームもあれば、ワンバースであっさり終わってしまうチームもあった。どちらにしろ、今日、マッドコミックダイアログは勝ち星を上げ続けている。イケブクロからも離れ、自転車で各地を回る。簓が福引で当ててきた電動自転車は、小回りが効き、なんやかんやと電車や車よりも便利に使っている。MCD号と名付けられた自転車は、左馬刻に丁寧に手入れされていて常にピカピカだった。俺様たちと同じ名前なんだから当たり前のことだ。労うようにサドルに手を置き、一服する左馬刻の隣で、簓は真剣にスマホの画面を見つめている。バトルのあとは腹が減るものだ。マップにピン留めしたこのあたりの気になる飲食店を物色しているのだった。
「ううーん、左馬刻、中華とイタリアンどっちがええ?」
「イタリアン。久々にピザ食いてえな」
「ははーん、チーズが美味い店あんで」
「そこだ」
「おっし、ふむふむ
……
チャリンコで十分やって!」
「よし、ナビしろ」
「アイアイサー!」
MCD号の電源を入れる。充電を毎日満タンにしているのでまだまだ充分に走れるだろう。簓が後ろに乗っても、坂道でさえも、軽々と進んで行く。
「まずは直進で交差点を左な」
見知らぬ街を自転車で駆け抜ける。後ろで簓がナビ以外でもペラペラと明るく喋り続けている。簓が常日頃チェックして気になっている店で食事をする。それが美味くてもイマイチでも、バトルに勝ったとしても、負けてしまったとしても、左馬刻がこの時間を気に入っていることを、簓は気づいているだろうか。
「んっふっふっふっ〜」
「なんだよ」
「なんでもなーい」
楽しげに簓は笑っている。
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