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利一
2025-12-05 08:10:06
1915文字
Public
レオジャミ(小説)
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【レオジャミ】タイトル未定
公式がくる前に色々捏造8章。
⚠️死ネタ
「あいつのせいで俺が死んだら、一生の呪いになるかな」
その日のジャミルはなんだかずっと気分が悪くて、カリムへの恨み言が止まらない一日だった。大きなきっかけがあったわけではないが、連日客を招かれ疲弊していたからだろう。
気晴らしにとレオナの部屋に来てもそれは止まらず、ダラダラと愚痴を吐き出していれば「うるせェ!」と怒鳴られそのままベッドに押し込まれた。
「余計なこと考えずさっさと寝ろ」
そう言われたらもののどうにも頭が覚醒してしまっていて、ネガティブな妄想が止まらない。どうやったら一番の嫌がらせができるかとぐるぐる考える中で、冒頭の呟きがまろび出た。
「それこそ親友のように振る舞って、もっと俺に情を抱かせてから目の前で死んでやるんです。それもあいつのせいで」
「
……
そりゃあ随分と性格の悪いこった」
「でしょう?」
レオナは呆れて隣りで大きくため息を吐く。嬉々として復讐計画を話し出したジャミルの上にのし掛かりその口に噛み付くと、じたばたと暴れる足を無視して裾から手を突っ込み脇腹を撫でると大きく震えてからぴたりと大人しくなる。
「余計なことを考えられないようにしてやるよ」
レオナが低く囁くと、ジャミルは苦笑してから「お願いします」と首に手を回した。
そんなやりとりから数ヶ月後。
「こんなつもりじゃなかったんだけどな」
崩れ落ちてくる瓦礫を眺めながらジャミルはぼんやりとあの夜のことを思い出していた。
学園対抗で発生したトラブルはそのまま肥大化し、魔力の暴走で学園は至る所で崩壊を起こしていた。
寮から魔法の絨毯を連れ出してカリムと共に負傷者の運搬に当たっていたジャミルは、同じようにして逃げ遅れた生徒の救出をしていたレオナと遭遇した。
「そっちは大丈夫ですか?」
「とりあえずな。だがブロットがそろそろ限界だ」
障壁を張りながら退路を塞ぐ瓦礫を砂にして、大きなキズを負ったものがいればその場で治癒魔法を掛ける。レオナのマジカルペンはすっかり濁った色をしていた。
「こんな状況であなたまでオーバーブロットしないでくださいよ」
「お前もな」
レオナ程ではないが、ジャミルの魔法石もまたひどく黒ずんでいた。
ドォン。
どこかでまた爆発音が聞こえる。あちこちで魔力の塊がレーザーのように走り抜け、建物を破壊する。地面が振動し、柱が一本、生徒の一人に向かって倒れてゆく。
「うわぁ!」
レオナが引き寄せ下敷きは免れたが尻尾の先が挟まれてしまった。
「チッ!」
「切ります!」
ポケットから折りたたみナイフを取り出してジャミルが駆け寄ろうとした次の瞬間、割れた窓の外から魔力の塊がこちらへ飛んでくるのが見えた。
「レオナ先輩!」
咄嗟にジャミルは魔法障壁を張った。自分ではなく、レオナに。
眩い光と共に肌が焼かれるのを感じる。背後の壁が射抜かれ、瓦礫が降ってくるのを避けなくてはと思いながら、体は動いてくれなかった。
「ジャミル!」
レオナが叫び、自分の尻尾に乗った瓦礫を砂にするのが見える。
これ以上魔法を使ったらブロット量がまずいですよ。
早く逃げてください。
あなたのそんな顔、初めて見ました。
色々言いたいことはあるのに肺は力なく細い息を吐きだすだけで、ヒューヒューと声にならない音を出す。
「レオナ!ここはもうダメだ!」
絨毯に乗ったカリムが飛び込んできて、レオナの足元に滑り込むとそのまま掬い上げて窓の外に飛び出した。
「待て!まだジャミルがいる!!」
「あいつはダメだ!諦める!!」
「ふざけるな!!」
「レオナ!」
聞いたことのないカリムの怒声にレオナは思わず息を呑む。振り向いて見ればその顔は涙でべしょべしょに濡れていた。
せめて最期の景色は青空が良かった──瓦礫に埋まったまま、ジャミルは思う。
結局、ジャミルはずっと暗闇の中にいた。いつか掴んでやろうと自由を夢見たのも束の間、それも叶わぬ願いとなった。
だがやけに清々しい気持ちでいるのは、きっとあの人を助けられたからに違いない。
身分も立場も関係なくただレオナを愛したあの時間は、間違いなくジャミルの夢見た自由の片鱗だった。
開けててもどうせ暗闇だと、すっかり重たくなった瞼を閉じる。
自分のせいでジャミルが死んだと、レオナは己を呪うだろうか。そうであってほしいとも、そうじゃなければいいなとも思う。愛する人に幸せになって欲しい気持ちといつまでも忘れずにいて欲しい気持ちがせめぎ合う。
心とはなんとも複雑だ。
ジャミルは苦笑いして、ゆっくりと体の力を抜いた。
end
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