三毛田
2025-12-03 22:04:40
1072文字
Public アドベント25
 

03. 誤解と偏見と

3日目
俺もお前も向けられる

 彼は見た目がクールなので普段から冷静沈着なのだろう。
 そんな誤解のような偏見のようなものを向けられていると、俺は知っている。
 かく言う俺も、黙っていれば美少女と言われたことがあるので、彼と一緒だ。
 丹恒は、クールな見た目に反して、仲間思いで熱い男だ。ついでに言うと、手も早い。でも、俺だけが知っていればいい。
 列車のみんなも含めた、俺たちの方が正しいかも。
「うーん……丹恒、ちゅーしたい」
「俺は別にしたくない」
「んぐぅ」
 唸ると、丹恒は口元に笑みを浮かべて。
「冗談だ。お前の好きにしろ」
 俺の隣にやってきて、寝転がる。
「たんこ~!」
 抱き着きながら、いっぱいキス。
 嬉しそうに笑いながら、時々俺にキスを返してくれて。
「丹恒、ついでにエッチも」
「それは駄目だ」
「ぶー」
 抗議しながら胸を揉むと、額を弾かれた。酷い。
「明日依頼があるんだ。もしかしたら、数日戻ってこれないかもしれない」
「ぇ」
 言葉を失って丹恒を見ていると、抱きしめられてさっきデコピンした部分にキス。
「じ、じゃあ、なおさらヤりたい」
 丹恒と数日離れ離れになるのなら、きちんと彼のことを刻んでおきたい。
「穹」
 彼は言い聞かせるように、俺の名前を呼ぶ。
「やだやだ。それなら、丹恒と一緒に行く」
「それは、相手に聞かないと俺は何とも言えない」
 ポンポンと頭を撫で、それから抱きしめてくれる。
「うう……
 唸って、さっきよりも強く胸に顔を押し付け。
「わかった。わかったから、シャツの上から胸に噛みつくな」
 まるで子供のようなことをしていたら、流石に怒られた。解せぬ。
「穹。痕が残るから、噛むのはやめろ」
「残してるんだ。わかれよ」
 胸に軽く頭突きしたら、流石に剥がされた。まあ、これは俺が悪い。
……誤解されていいから、ちゃんと俺のところに帰ってきて」
「何の話だ」
「クールで、近寄りがたくて、冷静沈着な冷徹な蒼龍」
「おい」
 冷徹な蒼龍と呼ばれるのは、あまり好きじゃないというのをわかっていていったら後頭部を結構強めに握られた。痛い。
「蒼龍ちゃんのことは、俺だけが知っていればいいんだよ」
「わかった。連れていこう。だから、いい加減機嫌を直してくれ」
「本当!?」
「急に元気になったな……
 丹恒の言葉に嬉しくなって、目を輝かせるとまた呆れたような声を出す。
「ちゃんと姫子さんとパムに自分で説明するんだぞ」
「はーい!」
 とはいえ、絶対揶揄われるのは目に見えている。
 それでも、丹恒と一緒にいたい。