雨鶴
2025-12-03 00:25:48
1080文字
Public 小話
 

金落寺の話

忍ミュネタ。未来在家(笑)に繋がる話

委員会やお祓い案件で度々お世話になっている金落寺であるが、此度は長次へ寺に来て欲しいと書状が来た。

借りていた書物も返したし、暫く催事も予定はない。長次は首を傾げながら本堂へ向かうと、和尚が「来たか」と出迎えてくれた。
御用は何でしょうか?」
「中在家くんに渡すのも、どうかと思ったんじゃがこれも合縁奇縁。何かの縁だと思う。暫く此方で待っていなさい」
はぁ」
何の事やらサッパリだが、取り敢えず和尚に言われたので長次は本堂で待つ事になる。
暫くすると、和尚が僧侶を携えてやって来た。僧侶は何やら恭しく長物を手にしている。長次の前に運ばれ、置かれたそれは六尺半余りの長柄物。赤蒔絵の柄、飾り布房。
そのどれも見覚えがあった。
「これは!」
驚嘆する長次へ和尚は頷いた。
「そうじゃ、あの侍の物じゃよ。供養墓に納めるには大きすぎての。しかし、この寺に置いておくのも腐らせておくだけじゃ」
恐る恐る手に取るとずしりと重い。歴戦の武将が奮ったに相応しい長柄物。
これを、私に?」
「今は無理としても中在家くんが一流忍者になる頃には使える様になるじゃろう」
「しかし」
こんな貴重な品、いくらなんでも頂くわけにはいかない。
すると和尚は呵呵と笑い。
「なぁにお前さん、最近やたら供養ごとを持ち込むからな。侍殿も心配なんじゃろうなあ。しょっちゅう供養台から動きなさる」
それは有り難いやら、有り難くないやら。佳人は成仏したと思ったのだが違うのか?
長次は眉をひそめた。
「そう身構えんでもええじゃろう。御魂はきちんと仏の元へ歩んでおられるよ」
和尚はそう言い、じゃらりと数珠を両手で擦り合わせた。

「それに、中在家くんの武器は特殊じゃからの。自身の身元が分かってしまう様な武器を極めるなら、他の武器を持っていても損は無いはずじゃよ」

長柄物を手に長次は金落寺を後にした。
和尚の言葉も最もだな、と長次は考える。元々縄鏢は暗器の部類だ。表だって使用する武器では無い。
武器の扱いは下級生の頃に取得するので、長次も他の武器は扱うことは出来る。ただ、選んだのが縄鏢だっただけで。

「長柄物暫く扱ってないな。文次郎に少し教わるか」
(あの人のように、扱える様になるだろうか)

夕焼けに染まる山を見ながら、長次は学園への帰路に着いた。


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元ネタ忍ミュから。
六単再演で未来在家(プロになった長次の事・笑)が持ってた武器が彼の人のだって気付いて本当に有難うございますで出来上がったネタ
六尺半は大体190センチくらい