【ラバナスタ 辺境の墓所にて
――】
(Sigma Siegfried)
……よ、土産持ってきたぜぃ。
(Sigma Siegfried) 酒盛りだ酒盛り。
…うはは、今日は俺のおごりだ。遠慮しねえで飲めよォ
(Sigma Siegfried) (/em は墓前にひとつひとつ、酒を注いで置いていく。
(Sigma Siegfried)
…あいつらは留守番させてんだ。たまにゃ俺ものんびり話してえし
(Sigma Siegfried) (/em は示すように眼帯に触れた。その下に義眼はなく、今は空洞だ。
(Sigma Siegfried)
……まー
…色々あってさァ。奢ってやっからちィと聞いてくれや。いいだろ?
(Sigma Siegfried) (/em は最後に親友の墓前に酒を置くと、自分のグラスを軽く触れさせ、酒を呷った。
(Sigma Siegfried)
………。
(Sigma Siegfried)
……や
…まァ、
…謝んなきゃいけねえことがあってな。
(Sigma Siegfried)
……殺し損ねてたみてえでさ。あん時、お前らが必死こいて託してくれたっつうのにさ。
(Sigma Siegfried)
…で、
…ちと厄介になっちまって
…、
…うん、まァ
…今度は、トドメ刺してきた
…んだけど
…
(Sigma Siegfried)
………ごめん。
(Sigma Siegfried)
……やっぱダメだな、
…気付かねえまま大事になっちまって、
…俺ひとりじゃあ、やっぱどうしようもできなかったよ
(Sigma Siegfried) (/em は目を伏せ、親友の墓に凭れかかった。
(Sigma Siegfried)
…ホント
……しょうもねえなァ。いつまで経っても成長しねえや
(Sigma Siegfried)
……、
…でもさ、信じられっか?
…あのちんちくりんのどうしようもねえクソガキだったあいつがさ、
…どうしようもねえって思ってた状況ひっくり返しやがってさ。
(Sigma Siegfried)
……うはは、とんだ大物拾ったもんだよなァ。
…ホント、ガキってどう成長すっかわかんねえな
(Sigma Siegfried)
…ハ、
…こりゃちっとくらい、いいご褒美くれてやんねえとなァ。
(Sigma Siegfried) (/em は少しだけ微笑み、酒を一気に飲み干すと、地面にグラスを置いた。
(Sigma Siegfried)
……しっかし、まァ
…
(Sigma Siegfried)
…なんで俺らが、こんな目に遭わなきゃなんねえんだって、ずっと思って生きてきたけどさ
(Sigma Siegfried)
……結局、わかんねえまま終わっちまった。
(Sigma Siegfried) 俺らみてえなのをさんざ弱らせて食うのが美味ェんだってよ。ご馳走なんだと。
…その為だけに、お前らも、他の村も、
…あれが言う下拵えに使われただけだってんだから
…
(Sigma Siegfried)
……意味わかんねえよなァ。
…ここまでくるといっそ笑けてくるよな。
(Sigma Siegfried) (/em は引きつったように笑みを浮かべながら、膝を抱えて俯いた。
(Sigma Siegfried)
………ホント
…納得いかねえや
(Sigma Siegfried)
……、
…わァってるよ。理不尽なことなんざ生きてりゃいくらでもあんだ。
…俺らは騎士だから、そんな理不尽に殺されることなんざ、常人にくらべりゃ当たり前にあんだって
…言うんだろ、
…わかってるけどさ
…
(Sigma Siegfried)
………でも、さァ
…
(Sigma Siegfried)
………。
…それでもさ、仕方なかったんだってもさ、
……仲間を殺したくなんかなかったよ
(Sigma Siegfried)
……なァ、
…なんで、俺だけ残したんだよ
…?
(Sigma Siegfried)
……俺だけ、
…俺だけ生き残ったってさァ、しょうがねえだろ
…?
(Sigma Siegfried)
……、俺ァあん時、
……大事な奴手にかけるくらいなら、無駄だって抗って散ったっていいって
……思ってたのにさ
…
(Sigma Siegfried)
………、
…。
…悪ィ、
…お前らに当たってもしょうがねえのにな
(Sigma Siegfried) (/em は湿ったため息をつき、頭を振った。
(Sigma Siegfried)
……でもさ、
…頑張ったよ。
(Sigma Siegfried) やっぱ、
……色んな奴に、助けられながらだけどさ。
…最後くらい、逃げんのやめて、
…落とし前つけてきたんだ。
(Sigma Siegfried)
……拾った弟子も、立派んなったしさ
(Sigma Siegfried)
…そろそろさ、
……俺も、そっち行ってもいいかな
(Sigma Siegfried)
………、
…。
(Sigma Siegfried)
……。
(Sigma Siegfried)
……ハ、
……どうせ怒んだろ、
…言っただけだ。
(Sigma Siegfried)
……好きなもん食わせてやるって、約束しちまったしな。
(Sigma Siegfried)
…大事にしちまった村のことだって、
…ほったらかしにするわけにもいかねえし。
(Sigma Siegfried)
……顔見せなきゃなんねえ奴も、いるみてえだ。
…ったく、あいつ言いふらしやがって
…余計な心配かけちまったじゃねえか
…
(Sigma Siegfried)
……。
(Sigma Siegfried)
……なんだ、
……意外とやること山積みだったな
…
(Sigma Siegfried)
………ったく
…お前らが仕事押し付けなきゃなァ。隊長だからってこき使ってんじゃねえぞォ。ちったァ労われよなァ~
(Sigma Siegfried) (/em は大きなため息をついて、墓石に凭れて天を仰いだ。
(Sigma Siegfried)
……しゃーねえ、
……もうちっとだけやることやってくっかァ
…
(Sigma Siegfried)
……全部終わったらでっけえ手土産持ってってやっから、そこで期待して待ってろよ
(Sigma Siegfried) (/em は土埃を払って立ち上がった。
(Sigma Siegfried)
……さ、て
…んじゃ、ちと行ってくるわァ。お前らはゆっくり飲んでなァ
(Sigma Siegfried)
……またな。
(Sigma Siegfried) (/em は一度振り返ると、優しく微笑んで手を振った。
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