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草
2025-12-01 17:29:34
1253文字
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贈り物は宝石
ナイトメアーなスーツジャミルさんとクーリエカリムくんのふんわりファンタジーパロ。2人の出会いのお話です。
元ネタ:あひをさん
俺は裏組織【オーバーブロット】の幹部、ジャミルだ。今は自宅で椅子に腰掛け、お気に入りのコーヒーを飲みながら一息ついていた
――
のだが。
「お前がジャミル・バイパーだな! プレゼントを届けに来たぜ!」
「は?」
どこからともなく侵入してきた怪しい男に眩しい笑顔で告げられ、上着の内ポケットに手を伸ばす。
「誰だ、貴様?」
「ありゃ、びっくりさせちまったか? オレはサンタクロースの手伝いで、世界じゅうの良い子にプレゼントを配ってるんだ! 」
「サンタクロース
……
? 良い子? 俺がか? 何の冗談だ」
何より、
「今日は九月十二日。クリスマスまでまだ三ヶ月もあるぞ」
「あれっ!? おっかしいなー。クリスマスのはずなんだけど。闇の鏡がバグっちまったか?」
「そもそもお前、プレゼントを持っているのか?」
目の前の男はどう見ても手ぶらだ。指摘すると、男は宝石のように美しい赤い瞳をキラキラと輝かせながら、自分の胸をドンと叩く。
「オレだぜ!」
「はあ!?」
「ちゃーんとプレゼントリストに書いてあったんだ。お前へのプレゼントはオレだ!」
どこまでも澄んだ瞳は、とても嘘をついているようには見えない。ニコニコと笑う男の全身をとっくりと眺める。黒いツナギの中にグレーのパーカー、下にはハイネックの黒セーターを着込んでいる。
……
ふむ。
「でもクリスマスじゃないなら、出直してきたほうがいいか? ごめんな、驚かせちまって」
「いや、実は今日が誕生日なんだ。こんなに嬉しいプレゼントはないよ」
「本当か!? 喜んでくれて嬉しいぜ!」
「ああ」
するりと男に近づき、腰を抱いて引き寄せる。ツナギはオーバーサイズらしく、ほっそりとした腰の感触に自分の口角が上がるのがわかった。
「でもまずはお前が危険な物を持っていないか、服を脱いで見せてもらおうか」
「おう! いいぜ!」
ずいぶんと素直な性格らしい男は、服を豪快にするすると脱いでいく。その姿を眺めながら、俺はニヤリと笑うのだった。
「ジャミルは悪い奴だ
……
ッ!」
数時間後、全裸で毛布に包まった男
――
カリムは紅潮した頬に涙目でそう訴えた。キッチンで淹れてきた二人分のコーヒーを手に、俺はにこりと笑ってみせる。
「俺は『良い子』なんだろう?」
「うう〜っ」
しばらく俺を睨んでいたカリムは、気を取り直したらしくてきぱきと服を身につけていく。あまりくよくよ悩まない性質らしい。
「じゃあ、オレ帰るな!」
「は? 帰すわけないだろう」
「でもオレ、サンタクロースの手伝いをしなくちゃいけなくて
……
あれ、闇の鏡が反応しない。もしかして、クリスマスじゃないからか!?」
手の中に現れたアンティーク調の鏡を手に首を捻るカリムを、後ろから抱きすくめる。
「ふぅん。クリスマスにしか使えないのかそれは」
「あ、えーと」
カリムは頭をかいたあと、にぱっと笑う。
「とりあえず三ヶ月、よろしく頼むぜ!」
「ああ、よろしく。カリム」
一生離さないけどな。俺の宝石。
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