roku
2025-12-01 06:59:30
1945文字
Public イチ沢
 

アドベントカレンダー【イチ沢】

・イチ沢のクリスマス🎅🎄
・アドベントカレンダーを購入してクリスマスまでをカウントダウンする話

「あ!これってアドベントカレンダーってやつですか?」
キッチンの壁に吊るされた紅茶のティーバッグを目にした沢北が訊ねた。
「よく知ってるじゃん」
「アメリカでもツレがやってたんで」
そう言った沢北は、自分はキリスト教徒でもなければ特にクリスマスに思い入れもないのでやったことはないですけどと笑う。
「オレも別にキリスト教徒じゃないけど」
「こういうの好きなんすか?」
覗き込んでくるその大きな瞳は意外だと言っていた。
「ん?好きっていうか、せっかくだから沢北とクリスマスカウントダウンしようかなって」
腰を抱き寄せ少し背伸びをして耳元で囁く。すると沢北の身体がほんの少し強張って全身の熱が俯いた顔に集まった。いちいち初な反応を示す沢北を、一之倉は可愛いと思っている。
……ちょ、イチノさんそういうの、ずるい、です
一之倉は、消え入りそうな声で告げる沢北の唇を塞いだ。
「ン
軽い口づけひとつで甘い声を漏らす沢北から唇を離し口角を上げた一之倉。温もりが去った沢北の唇は物足りないと赤い舌を覗かせている。一之倉はフッと笑みをこぼしながらやかんを火にかけた。
……イチノさん?」
「ん?」
「えっと、いや、何でもないっす!」
何か言いたげな沢北の言いたいことはわかっている。
「セックスする流れだった?」
「いや……まぁ、そーっすね」
あえて口を噤んだにもかかわらず図星を突かれた沢北はその唇をムッと尖らせた。
「クリスマスまでカウントダウンするって言わなかったっけ?」
「言いましたけど」
沢北には一之倉の言わんとしていることが伝わっていないようだった。
「アドベントカレンダーって、そもそもキリスト降誕を指折り数えて待つってところから来てるわけ」
だけどお互いキリスト教徒ではない。なら何を楽しみに待つのか?そこまで考えた沢北はハッと目を大きくさせた。
「イチノさん、ひょっとしてクリスマスまでセックスしないとか言わないっすよね!?!?」
「沢北にしては珍しい。正解だよ」
鋭い瞳がスッと細くなり、唇は三日月に形を変えた。
「いや!「正解だよ」じゃないっすよ!!嫌ですって!」
ティーバッグを開けカップにお湯を注ぐ一之倉の後ろからぎゅうっと抱きつく沢北。そんな沢北を引き剥がすことなく「沢北はコーヒー派だからこっちね」と一杯分のコーヒーをドリップする。
「それは嬉しいっすけど
それとこれとは話が別だと言わんばかりに一之倉の首筋に吸い付いた。そんな健気な沢北の頭を撫でた一之倉は、クッキーとチョコレートを取り出した。もちろんこれらもアドベントカレンダーになっている。
「イチノさん!」
「紅茶にはクッキー、コーヒーにはチョコレートじゃない?」
なんて呑気に言う一之倉の唇を今度は沢北が塞いだ。チュッとリップ音を立てながら角度を変えて、舌で一之倉の唇を割る。けれど一之倉は何一つ反応を示さない。
「沢北。冷めるから先こっちね」
抱きついたままの沢北を引きずるようにテーブルへ移動した。
「あとでするんですか?」
「セックスはしない。でもそれは抜いてやるよ」
頭をもたげた沢北の股間に視線を落とす。沢北はそういう問題ではない、意味がわからない、と騒いでいる。挙げ句、クリスマスまで25日もあるんですよ!と当たり前のことを言い出したので笑ってしまった。
「こんなの、ポリなんとかセックス?より酷いじゃん!」
「へー。沢北そんなの知ってんだ」
紅茶に口をつけクスクスと笑う一之倉の頭の中に、いつかポリネシアンセックスするか、という考えが生まれたのは言うまでもない。
「気持ちいいんですよね?」
「やったことないから知らないけどそう聞くよね。5日でそんなに気持ちいいなら25日だと気持ち良さ5倍になるんじゃない?そしたら沢北死んじゃうかもね」
「ふざけてます?」
一之倉を見る沢北の目はじとっとした湿気を帯びていた。
「オレはいつでも真剣だよ?」
一之倉のそれが本気なのか冗談なのか量りかねた沢北は、「オレが無理なんで!クリスマスまでカウントダウンもセックスもします!!」と一之倉の膝の上に座り、口に入れたチョコレートを一之倉へと移した。
「そっか。沢北がそこまで言うなら試してみる?」
〝四十八手〟と唇に綺麗な弧を描く。
「は、はぁ!?な、なんでそうなるんすか!?」
「だってお前がセックスでカウントダウンするって言うから」
「いや、そんなこと言ってませんから!!って、ちょ、ヤダ、待ってくださいよ!!」
跨る沢北を見上げ、「毎日同じだったら飽きるだろ」と裾から手を忍ばせた。


*クリスマスまで24日あるので、1日2パターンずつすればちょうどいいですね(?)*