yossy
2025-11-29 00:26:53
595文字
Public 自創作
 

手のひらを太陽に

⚠️「KPCのあとしまつ」
シナリオ後SSのためネタバレ有り



自分の血を含んだ、接着剤で固めた水晶玉は、
呆気なく砕け散った。

時間が止まったような感覚。
警鐘を鳴らす脳と、思考が止まらず纏まらない中、
血が止まらない月城さんが視界の端にいた。
皮を剥いだ化け物は月城さんを熟視していた。
心臓の鼓動、沸騰する肉。
はやく、はやく、助けないと。

視線を切り抜けて、蹲る信者を脅し、
ペンダントを奪い取った。
俺も随分とこの異常な状態に慣れてしまったようだった。
正義も善も捨てて、祈る様に、殺す様に呪文を唱えた。

どうして月城さんがこんな目に合わなくちゃいけないんだ!!

明確な殺意を持って退散の呪文を唱えた。



数度の火花。



生きた心地など無かった。
痛々しい跡に胸が張り裂けそうだった。
平静を装い、己の醜い部分を皮膚の下に隠そうと必死だった。

この人を失うくらいならどうにでもなってしまえ。

己の偽善を目の当たりにするより、
己の手からこぼれ落ちそうだった最愛の命に、
必死になって動いたことに、
自分の手が汚れた様だった。





帰宅、電気もつけずにベッドに倒れ込む。
何もかも放って暗闇を見つめた。
火花が弾ける様に何度もフラッシュバックする。
グロテスクな赤。痛々しい傷を。

無力さに腹が立った。不甲斐無い。
死にたくて堪らなかった。
再び手は制御を失ったみたいに震えた。
乾いた笑い声が部屋に響いた。