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桜崎
2016-01-27 01:19:24
521文字
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短いの
ゆりこまひちゃん
夕暮れの教室には狛枝と日向しかいない。茜色が差す机で頬杖をついて、両眼を歪める。
「付き合うことになったよ、日向さん」
「え?」
相手の名前を唇に乗せれば、日向の表情が一瞬、強張った。
「
……
そうか、良かったな」
「うん! 日向さんにもいい人、見つかるといいね?」
微かに震えるそうぼうにぞくりとした。日向のこんな顔を見るのは初めてではない。狛枝が恋人を作る度に彼女は同じそれを飾る。
不意に狛枝へとかかる言葉にゆるりと顔を上げた。
「あ、迎えに来てくれたみたい」
鞄を取って席を立つ。
次は何日持つだろうか。扉の前に在る男へと近づきながら思う。
振り向いて、笑みを誂えた。
「
……
じゃあね、日向さん」
「
……
ああ、またな、狛枝」
柔く歯噛みした。
日向の瞳に狛枝はいない。焦がれるような視線が注がれているのは背後の恋人。
どうして、それを狛枝にくれないのだろうか。
自身が少しだけ好意むけたふりをしただけで、狛枝に好きだと口にするような相手には抱けるのに。
独りになれば日向は泣くかもしれない。その時、隣にいられない己を愚かだと知りながらも狛枝は繰り返すのだろう。
日向が狛枝の手に入らないならば誰のものにもならなければいい。
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