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三毛田
2025-11-28 22:35:43
1073文字
Public
1000字5
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90 090. 希望的観測と悲観的論調
90日目
抱くのは自由だから
「はあぁ〜
……
」
「穹。さっきから、ため息うるさい。ちゃんと掃除しないと、パムに怒られるよ」
「ご飯食べられないのはやだから、やる」
さすがにご飯抜きという、鬼畜の所業はバムはやらない。
わかっているけれど、ご飯のグレードは下げられてしまうことがあるのでまじめにやる。
「また丹恒絡み?」
「そう」
客室車両へと続くドアを、恨めしく見つめていると、太腿を叩かれた。
「はいはい。やります!」
「うむ」
パムが俺に掃除をするよう促すように叩いてきていたので、半ば叫ぶように告げモップを握り直す。
それに、パムは嬉しそうに頷いて。
「はあ
……
」
「今日も疲れた~」
掃除を終え、なのと肩を並べてソファーでぐったりする。
「二人ともお疲れ様。今日のおやつじゃ」
「わーい!」
「今日は何だろう?」
姿勢を正し、配られるおやつを待つ。
「食べ終わったら、丹恒にも届けてくる」
「頼んだぞ」
俺が手伝いを申し出ると、深く頷いて。
パムが届けても反応がイマイチらしい。俺が届けた時は、別にそうでもないんだけどな。
「ん~! これ、何? りんごも甘く煮られてて、でもちょっと酸味があるのがいい! 生地も、思っているよりふわふわだから重く無くて食べやすいし」
「タルトタタンじゃ。今日の飲み物は、それに合う紅茶じゃ」
「うんうん! 飲んでて、このケーキに会うなって思ってたんだ」
「ごめん、パム。丹恒と一緒に食べたいから、半分しか食べてないけどいいかな」
「お前がしたいように星」
「ありがとう。なのもごめん。俺、丹恒のところに行く」
「ううん。ちゃんと話すんだよ?」
「わかってるって」
彼女は時々、自分の方が年上のような態度をとる。
もしかしたら、俺の方が年上かもしれないのに。
「丹恒、入っていいか?」
「ああ、構わない」
「失礼しま~す」
ワゴンを押して、中へ入る。
「掃除終わった?」
「ああ。担当箇所は終えたから、アーカイブの整理を再開していた」
「そっか。パムに頼んで、おやつ運搬を代わってもらったから一緒に食べないか?」
俺は食べかけだけど。という言葉は飲み込む。
「ケーキだけど、食べやすいみたいだからちょっとだけ食べないか? 残りは俺が食べるし」
パムみたいに上手くは淹れられないけど、紅茶を淹れてみる。
「ほら」
「ありがとう。いい匂いの紅茶だな」
「だよな」
丹恒のホッとしたような表情に、胸がきゅっとなって。
彼が好きだと改めて思い知らされる。
俺のことを好きでいてくれたら、嬉しい。希望的観測。
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