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メメント森井もりさわ
2025-11-26 23:46:10
2419文字
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あなたが死んだこと、今でもまだ悲しい
夢小説のつもりです。
G4ヴォルタとそのオペレーターの話です。少しだけイグアスにも言及があります。
見直ししてないので誤字脱字あるかと思います。
よろしくお願いします。
きっかけは、いったい何だったのだろう。
あなたと親しくなったのは。
それでも私はあなたの専属オペレーターでしかなく、恋人どころか、友人と言える仲でもなかったのだけれど。
ああ、うん。思い出せる。
あれはルビコンに行く前。そう、ずっと前。
私はあなたの部隊に入った新人オペレーターだった。まだ何もさせてもらえないのに等しくて、焦りばかり感じていたっけ。
毎日よく眠れなくて、いらいらしてた。
そんな日に、あなたと彼の合同任務があった。
荒れてたのは彼も同じだった。理由は私と違うけど。彼、周りに当たったりしてたね。
オペレーション・ルームの雰囲気も最悪だった。あんなに混沌とした合同任務って他にないと思う。第四と第五のメインオペも今にも殴り合いを始めそうだった。あなたと彼は、そんなに仲悪くないのにね。
…
あなた、途中から通信を切っていたでしょう。
部隊長のくせに。私たちがうるさいからって。
それで私たち、あなたと部隊が無事に戻ってくるまで、やきもきして待つことになっちゃった。
……
。
彼に殴られたときは、びっくりした。巻き込まれ、だったのだけれど。帰ってきてすぐ、オペレーション・ルームで暴れて。正直怖かった。私はたまたま近くにいて、ただ、立ってた。止めなきゃ、とも思えなくて。情けないよね。
それで、自分のオペレーターを殴ろうと振り上げた彼の腕が、私の顔に当たったの。ぶんっ、ばしって感じで。当たったのが目じゃなくて、良かった。
ぼんやり立ってたのが悪かったな。そう、思ってる。彼のこと、まだ怖いけど、なぜか責めたりしたくなくて。
その後であなたは、メディカル・ルームに彼と一緒に来てくれた。あなたから、仕返しに彼を殴っていい、望むなら俺が代わりに殴るって言われて、びっくりした。
そんなの、めちゃくちゃだもの。
それが、きっかけだったっけ。私たち、少しずつ話せるようになったね。
……
。
なんの話だったっけ。
ええと。うん。
あなたが死んだときのこと。
ルビコンに行ってからの私たちは最悪だった。たくさん人が死んで、うまくいかなくて。
それでも私たち、ひたむきだった。毎日、心が熱かった。
だれも言葉にしなかったけれど、どんなに目を背けても、死が近くにあることを、身体が知っていた。立ち止まってしまえば、死に追いつかれるって思い込んでたみたいな毎日だった。
あなただって。死んでしまったね。
よく、呆気なく、なんて言われるけど、そんなことはなかった。あなたは最後の最後まで、くるしく、足掻いていた。
……
。
あのとき、私は
…
。
……
。
***
私の罪の話をしましょう。
壁越え作戦が失敗したと悟った私は退却を提案していました。もともと困難とされた作戦です。ここで戦力を失うのは、今後ベイラムがルビコンで勢力を広げていくために支障が出ます。
しかし、オペレーション・ルームを監督していた本社の役員は私の提案を破棄しました。作戦のメイン・オペレーターである私の提案を、です。
私は遥か星外にある本社を呪いました。
そしてG4搭乗機の履帯が破壊されたと知ったとき、私は
…
。私は、諦めてしまいました。
彼ら戦闘員を生きて帰すことが使命であるはずなのに、不可能だと思ってしまった。私は、私を許すことができない。
…
G4は、私を恨んだでしょうね。
***
あのとき、私はばかみたいに同じ言葉を繰り返していたね。お願いします、退却してくださいって。それができる状況じゃなかったのに。
泣きながら叫び続ける私の声を、あなたは聞いていてくれた。通信を切らずにいてくれていた。
…
落ち着けよ、なんて。ねぇ、どんな気持ちで言っていたの。
それから、頼みがある、と言ったね。彼に通信をつなげられないかって。
本当は許されていないことだった。いくら同じ部隊にいるからって、作戦に参加してない人と通信するのは。
でも、望みをかなえてあげることにした。私が、あなたにしてあげられるのは、それだけだったから。
「悪ィな」
それが、あなたから聞いた最後の言葉だった。
***
壁越え作戦が失敗し、私はメイン・オペレーターを外された。どうなろうと構わなかった。どうせ部隊も再編されるのだ。
死んだG4の形見分けにも参加しなかった。私にその資格は無いから。
肝心な時に何もしてあげられない私には。
…
そう。似合いの結末だった。
ルビコンで、ベイラムは負け続けた。時機を見誤り、打つべき手を打たなかった。本社は、私たちを見限っていたのだろうか。
逆転を狙ったウォッチポイント・アルファでの失敗が、とどめだった。
総長が、死んだのだ。
私たちは散り散りになってしまった。多くは死に、生き残った者も裏切るか、ひっそりと居なくなるかした。
私は、ルビコンから逃げ出すことにした。少なからず賛同してくれる人たちもいた。中には故郷で家族が待っている隊員もいた。せめて、彼らだけでも生きてこの惑星から逃れさせてあげたかった。
***
この窓からはルビコンの方が見えるみたい。
そう言われて、ずっとここに座ってるけれど
…
やっぱり見えないや。宇宙は真っ黒。星が点、点と見えてるだけ。
あとどのくらい、私たちは船に乗っていればいいのだろう。
ルビコンであったこと、あなたのいる思い出。心が熱く焼かれていた頃の記憶を、私は捨てることができないでいる。
苦しんでいる。
全てから逃れたくて。全部ゆるされたくなくて。
あなたが死んだこと、今でもまだ悲しい。
……
。
警報が鳴っている。
不明の爆発現象。
窓の外を覗き込むと、遠くに真っ赤な光が燃えていた。どんどん燃え広がってゆく。
あの光に焼かれて、私たちも死ぬのだと分かった。
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