メメント森井もりさわ
2024-03-15 23:57:54
7768文字
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ルビコニアンデスシャーク

たぶん解放者√が一番近い世界線です。621とウォルター、エア、ラスティ、フラットウェル、オキーフが出てきます。ルビコニアンデスシャークも出てきます。
あまりサメ映画っぽくならなかったです。許してください。

ルビコニアンデスシャーク

 ルビコンⅢは過酷な大地を持つ惑星である。ある所は一年中凍りつき、またある所は人を拒むかのような砂漠。初めてルビコンに降り立ったベイラムの拷問官は「拷問するにも吊るす木も無く、溺れさせる水も無く、埋めるための土も無い」と言って嘆いたという。

 そしてルビコニアンを苛んでいるのは大地だけでは無い。
 海。
 その存在こそが人をこの惑星に呼び込んだものの、そこはおよそ人間が制御できる環境ではなかった。コーラルが巡っているためだろうか。ルビコンの海は潮流の変動が激しく、ひとたび時化ればルビコニアンでさえ近寄る事もできない。

 だが、しかし。今ここに、恐れ知らずにも海に挑もうとする者達がいた。
 強化人間C4-621とその仲間達である。
 彼らはこの海で何を成そうとしているのか。事の発端は、ルビコン一斉蜂起まで遡る……



 あの日、全てのルビコニアン達は真実自由になるため、星外企業や惑星封鎖機構を相手に立ち上がった。旗頭となったのはルビコンに彗星のごとく現れた独立傭兵レイヴン。……そう、強化人間C4-621である。621の声明に呼応して、各地でそれまでに無い規模の戦闘が開始された。
 一方、621は恒星間移民船ザイレムの上で戦っていた。ザイレムがバスキュラープラントに衝突するのを何としても止めなければならなかったからだ。
 エアの協力もあり、ザイレムは人的被害なくアーレア海に落とせると分かったが、エンジン停止の際に621は大きな問題に直面した。他ならぬ自身のハンドラー…… ウォルターとの対決が待っていたのである。
 コーラルと炎吹き荒れる天空の地獄ともいうべき場所で、621は死に物狂いで戦った。それはウォルターを取り戻す戦いでもあった。確かに自分はエアの依頼を受けるという選択をしたが、それはウォルターを切り捨てる事を意味しない。621ははっきりと思った。
 どちらも選び取りたい。
 それは、621の初めての「我が儘」だった。
 果たして、621はウォルターを救い出す事ができた。ザイレムが大気圏に突っ込む寸前にHALを確保できたのだ。今でも621はあの瞬間を思い出すと心拍数が上がり、指先が冷たくなる。2度同じ事ができるとはとても思えない。か細い運命の糸が必死に伸ばした指先に引っかかった、そんな奇跡が621とウォルターの身には起きていた。

 こうして、ザイレムから生還した621は、独立を果たし自由になったルビコンで、ウォルターとエアと一緒に穏やかな日々を過ごせるようになった。
 そして、もう1人。621を「戦友」と呼ぶ男も奇跡的な生還を果たしていた。ルビコン解放戦線のラスティである。大怪我からも気合いで復帰してみせ、今では621と共にルビコンの復興に取り組んでいるのだった。
 621は手に入れた結果に満足し、これからはヒトとしてこの惑星で生きていこうと決意した。自分にとって大切なヒト達と共に。



 だが、しかし。
 “水面下”では惑星ルビコンに新たな危機が迫っていた。原因となったのは621がアーレア海に落とした恒星間移民船ザイレム。この衝突が海に棲む恐ろしい怪物を目覚めさせてしまったのである。
 “それ”はあまりにも巨大で獰猛。その顎は全てを噛み砕き、泳ぐスピードはマッハの速度。迫り来る三角形の背びれを見た者は恐怖のあまり失神するという……
 ルビコニアン・デス・シャーク。
 コーラル酔いしたドーザーがインフルエンザに罹った時に見る悪夢のような、訳の分からない危機がルビコニアンと621に迫っていたのである。



 その日、621は普段通り放課後の子ども達が集まる広場に向かっていた。“授業”を受けるためである。621はヒトらしく生きるべく、まずは初歩中の初歩から、と考えた。具体的には、ルビコニアンの子ども達に教えを乞うているのである。君達が学校で教わっている事を俺にも教えてくれないか、とお願いして。
 子ども達もどこかノホホンとした621の事がお気に入りで、喜んで“教師役”を務めている。そんな621と子ども達の交流を大人も微笑ましく見守っていて……
 そこで、おや?と621は違和感を覚えた。この広場には子どもだけで無く、子どもの見守りに大人達も(もちろん、ただの暇潰しで来ている者もいるが)やって来る。しかし今日はその中に見慣れない顔が交ざっていた。
 広場の隅、ひさしの陰になっている所に座っている男。子どもの中でも特に年少の……(621は“授業”を思い出す)そう、「幼児」の面倒を見ているようだ。しかし、その男の雰囲気はあまりにもドンヨリしている。仕事が長引いた時のウォルターからでさえ、こんなに疲れてウンザリしている空気を感じた事は無い。

 621が興味深げに(ある意味不躾に)眺めている事に気がついたのだろう。男が不愉快そうな表情を作り、621の前から立ち去ろうとした、その時。
「やぁ、戦友」
 ぽん、と621は肩を叩かれた。振り向くと、そこにはラスティが立っていた。
「ラスティ」
「やはりいつもの場所だったか。少し話が……うん?」
 ラスティは621の肩越しにドンヨリ顔の男を見つけて、笑みを浮かべた。まるで、いたずらを企む子どものような感じで。
「あぁ、顔を合わせるのは初めてだったな」
 相手の男は眉を顰めた。
「おい、やめろ。本当に」
 男は本当にやめて欲しそうだったが、いかんせん眠る幼児を腕に抱いている。拒否にも限界があった。それで結局、その男は続くラスティの言葉を止める事ができなかった。
「戦友、紹介しよう。こちらはオキーフ。ヴェスパー部隊で第3隊長を務めていた男さ。ちょっとした取引をしてね、今は味方同士だ。オキーフ、こちらが……
「言われなくとも分かる」オキーフはやっと遮った。「独立傭兵レイヴンだな。そうか、お前が……
 ひとり納得しているオキーフとは反対に、紹介を受けてもピンとこない621に、エアがこっそり教えてくれる。
『ヴェスパー部隊の第3隊長といえば、情報部門の長。諜報にも秀でた人物のはずです』
 621は頷いた。いたって素直に感心していた。「ラスティ、君はすごい人と知り合い、なんだな」
 あまりにも間の抜けた621の言葉に、オキーフは驚き、どう反応すべきか迷い、呆れ、より疲労を感じた。そんなオキーフの心情を見透かしてか、ラスティは笑みを溢した。
「ふふ……
「おい」オキーフはムッとして言った。「何か用があったんじゃないのか」
「あぁ、すまない。あまりに可笑しくて、ね」
 ラスティは微笑んだままだったが、621はすぐに“依頼”の気配を感じた。ラスティは時々こうして気楽なお喋りからシームレスに仕事の話に移る。周りから見れば自分達がまだ無駄話を続けているように見えるだろう。
「師叔フラットウェルからお呼びがかかっている。詳しい話は……
 ラスティはオキーフを見た。腕には眠る子ども。オキーフは肩をすくめた。俺のせいじゃない、という風に。
「流石にここではできないな。場所を変えよう。オキーフ、貴方も来てくれ」



 数十分後。621達はブリーフィングルームにいた(オキーフは預かっていた幼児を買い物帰りの母親に返す事ができた)。
「煙草、良いか?」
 オキーフの問いに621は頷きで返した。気管支系の問題はクリアしている。それを横目で見ているラスティの口元には、やはり笑みが浮かんでいた。
「せっかくスパイ生活から足を洗って、煙草を吸えるようになった貴方が、ふふ、子どもの世話とは」
 ラスティは広場でのオキーフの有り様を思い出していたらしい。
「なかなか様になっていたじゃないか、オキーフ長官」
 オキーフは無視を決め込んだ。何も言う気になれなかったからだ。だが、621の、
「オキーフは、子どもが好き、なんだな」
 というコメントを聞き、オキーフは深く、深く煙を吐き出した。621にはラスティとはまた違った厄介さがあると理解したのだ。悪気が無いぶんたちが悪い……
 フラットウェルが入室してきた時、オキーフは心底助かったと安堵した。しかし、すぐにその希望も打ち砕かれる事になる。より厄介で頭の痛くなるような話を聞く羽目になったからだ。

 メンバーが揃っている事を認めたフラットウェルは、作戦指揮官としてブリーフィングを開始した。溜め息と共に。
……始めに言っておくが、これからする話は与太話などでは無い」
 フラットウェルらしくない言い置きに、621は首を傾げた。一体どんな依頼の話なのだろう?と。
「誠に、誠に遺憾だが、認めざるを得ない。……アーレア海で正体不明の超巨大ザメが暴れている。今回の作戦はその討伐だ」

 一瞬の静寂。オキーフの煙草から灰がポトリと落ちた。
 思わずオキーフはラスティの表情を伺い見るが、特に動揺した様子は無い。ラスティにはあらかじめ話が通っていたようだ。こいつめ……と思わない事も無いが、のこのこ付いて来たのもオキーフ自身だった。
 部屋の中が冷え切っているのに構わず(というか、そうせざるを得ないので)フラットウェルは話を続けた。フラットウェル曰く、先日とうとう超巨大ザメ(地元のドーザーから『ルビコニアンデスシャーク』と呼ばれているらしい)による人的被害が出てしまったという。どうやら無許可で海中のジャンクパーツを漁っているサルベージャーが“喰われた”らしい。その後、ドローンや自立型潜水機による調査から、ルビコニアンデスシャークは墜落したザイレム周辺を縄張りにしている事が分かった。
「今の時点ではわざわざ縄張りに近寄らなければ問題は無い。が、我々としては、奴の縄張りが拡大し居住区のある沿岸部に及ぶ前に手を打ちたい」
 しかし、問題は場所だった。“あの”ザイレム周辺にみだりに人を近付けるのは得策では無い。そこで、フラットウェルは少人数で秘密裏にカタを付ける事を考えたのだった。
「問題はもう1つある。奴……超巨大ザメはコーラルを纏っている事も分かった」
「それで“俺達”が呼ばれたのか。全く、うんざりするな」
「そう言ってくれるな、オキーフ」
 ラスティが宥めたが、オキーフは不服そうだった。コーラルある所に厄介事の種あり。自身もコーラルに深く関わった人間のひとりだ。逃れようもない運命めいたものを感じ、嫌気が差し、溜め息をこぼし……しかし結局いつものように受け入れる(諦める、とも言う)事にした。
 作戦はフラットウェルの立案だった。コーラルに比較的耐性のある621とオキーフが攻撃を担当し、フラットウェルとラスティがオペレーターとしてサポートを行う事。ルビコニアンデスシャークの縄張りまでは買い取った船12隻で移動する事。縄張りに入ったら、デスシャークを取り囲むように船を展開し、船から船へ飛び移りながら攻撃を加える事。
 621はブリーフィングを聞き終えると、ひとつ頷いた。サメであれば“授業”で習った生き物だ。よく知っている。それに、コーラル汚染の危険があるのなら自分が前線に出るべきだった。
「とにかく全て、了解した」
 こうして、621とその仲間達は惑星ルビコンⅢの海原および、そこに棲まう超巨大ザメ・ルビコニアンデスシャークに挑む事になった。



 あっという間に作戦当日になった。
 ACに乗った621とオキーフは、自分達を乗せた船がルビコニアンデスシャークの縄張りに辿り着くのを待っていた。
『普段より波が高いようです。気を付けてください』
 エアが心配するように、先程から海が荒れ気味だった。船が波を乗り越えるたび甲板のACにまで飛沫がかかる。だが、その揺れをものともしないのもAC乗りの特長だった。
 621はコックピットの中で情報を再確認する。ルビコニアンデスシャークの体長はおよそ20m、体重は推定70t(“授業”で習った例より随分体格が良さそうだ)。泳ぐスピードは凄まじく速い。大破し回収された潜水機は巨大な鋭い刃で切り裂かれたようになっていたらしい。そしてコーラルを纏っているとなると、かなり難しい相手だろう。そう、621は考えた。それでも、依頼を受けたからにはやり遂げるつもりだった。
「戦友、オキーフ、聞こえるか」ラスティからの通信。「そろそろ指定のポイントに着く」
 621とオキーフは身構えた。いつでも戦闘を始められるように、全ての兵装の準備は整っていた。
『私もできる限りのサポートをするつもりです、レイヴン』
 エアからも心強い言葉を貰った。後は、問題のサメを見つけ出し、倒すだけだった。だけだった、のだが……

「おい、どうなっている」オキーフの声色には呆れとちょっとの苛立ちが混ざっていた。「全く人払いできていないように見えるが」
 621達の目指すポイントには、サルベージャーの船が数隻浮かんでいた。彼らはルビコニアンデスシャークの噂を聞きつけた命知らず達だった。もちろん非公認かつ無許可のサルベージ船だ。仮に万が一(億が一)ルビコニアンデスシャークを倒せたとしても支払われるものは特に無い。でも何となく報酬を期待しちゃうのが命知らず達の可愛いところだった。
 サルベージャー達は621とオキーフの接近に気が付くと、なんとこちらに向けて発砲し始めた。手柄を譲るつもりも、協力するつもりも無いらしい。オキーフは何度目かの溜め息をついた。サルベージャーが使うような弾ではACに傷を付ける事もできないが、乗っている船に被弾したらちょっと面倒だった。
 だからオキーフは一度船を止めさせ、ぱんぱか弾を無駄撃ちしているサルベージャーを遠巻きに眺め…… そして彼らの船の1隻が海中から現れた超巨大なサメに齧られるところを見た。ガブリ、とひと噛みされて船は沈んでいった。馬鹿みたいに大きなサメだった。
「報告よりも大きい、気がする」
「気がする、じゃない。30mは超えている」
 621の零した感想をオキーフは肯定し、
「呆けている場合でも無い。戦闘開始する」
 オキーフのバレンフラワーが飛び立った。



 結果から言うと、今回の作戦は失敗だった。
 現場のサルベージャー達はパニック状態で右往左往しながらサメに齧られたり切り裂かれたりして、終始攻撃の邪魔になった(し、呆気なく全滅した)。サメもそのスピードで621達を翻弄しながら、コーラルの雷を放ち続けAC機を近寄らせない。
 その上、作戦行動が長引く程に海の状態も悪化し、621とオキーフは嵐の中で散開してしまった。特に強風はAC機の操縦に支障が出るほど激しく、連れてきた船の何隻かは横転してしまった。
 どうにも攻めあぐねているところに、ラスティから通信が入る。
「情報が入った。そちらの海域にトルネードが接近している。すぐに到達予測範囲から脱出すべきだ」
「撤退の準備をする。レイヴン、オキーフ、船に戻れ」
 621が了解の意を伝え船に飛び移ろうとした、その瞬間、海中からルビコニアンデスシャークが躍り出てきた。サメは621の機体に齧り付こうと無数の歯の並んだ口を大きく開けた。621は咄嗟にキックを放ち、距離を取る。が、ゴウッと突風が吹きつけ、サメも621も空中でバランスを失った。

「あっ」
 それは誰の漏らした声だっただろうか?
 621のブーストキックをもろに受けたルビコニアンデスシャークは突風に揉まれ、巻き込まれ、空中に吸い上げられていった。その向かう先は、予測よりずっと早くやって来てしまったトルネードの中だった。
「ラスティ。サメがトルネードの、中に吸い込まれて、しまった」
 なんとか甲板に機体を下ろした621が報告した。バランスを失っていた中での着艦だったため、それは「衝突事故」と言っても良いくらいの有様だった。オキーフの機体も似たり寄ったりの状態で(サメの放つコーラルの雷撃がブースターを掠めたらしい)、ふたりとも戦闘続行が不可能になってしまった。
 船上から621(と、おそらくオキーフも)は、トルネードの中を黒い巨大な影が飛び回っているのを見つけた。サメはまだ生きているのだ。
「いかん……!」
 不意にフラットウェルが言った。どうやらこのトルネード、このまま沿岸部に到達する見込みらしい。トルネードは兎も角、中にいるルビコニアンデスシャークが居住区に雪崩れ込めば被害は計り知れない。
 トルネード。高潮。超巨大ザメ。コーラル汚染。
 オキーフは心の底からうんざりした。この惑星にはうんざりする事が多いとは思っていたが、これ程馬鹿らしく、そして手の施しようも無い事に直面するとは予想していなかったのだ。俺はこんな事のために企業や信条やその他の色々を裏切ったのではない……
「私が行こう」
 健気にもラスティは諦めないつもりらしい。しかし、すかさずフラットウェルとオキーフから制止が掛かる。
「早まるな、ラスティ!」
「やめておけ。いくらお前が速くても間に合わんだろう」
「私のオルトゥスなら空中戦ができる」
「話を聞け」
「他に良い案があるなら聞くが?」

 激揉めの通信を聞きながら621は、ラスティは負けず嫌いなんだな……と思っていた。621は、可能であれば巨大ザメをミサイルで撃ち落としたかったが、今の機体の状態ではそれも叶わない。いざとなったら体当たりでもするつもりだった。ボンヤリ者の621も、この惑星とルビコニアン達を気に入っていたのだ。
 621が突貫のためにブースターの状態を確認していた時だった。通信が入った。
「手こずっているようだな、621」
『お待たせしました、レイヴン』
 その声に621の背筋がぴん!と伸びた。
「ウォルター!エア!」
 次の瞬間、地上と天空から同時にビームが放たれた。地上から発射されたのはウォルター搭乗機・HALによるもの、そして、天空からのビームはエアが操る衛星砲であった。2本のビームはトルネードを貫き、交わり、爆発した。
 熱と衝撃波。
 ルビコニアンデスシャークはトルネード諸共ばらばらに引き裂かれ/打ち砕かれ、海に墜落した。そして、そのまま2度と浮かんでくることはなかった。
「超巨大ザメ、沈黙……
 フラットウェルが戸惑いを露わに報告した。
「戦友、今のは君なのか?」
「いや、俺のハンドラーと、友人が手を、貸してくれた」
 621は感謝と誇らしさを感じていた。ウォルターもエアも“すごいヒト”なのだ。



 トルネードまでもが破壊され、青空を取り戻した海上で、オキーフは遠い波間を眺めていた。先程の出来事について考えなければならない事は山ほどあった。技研の兵装。なぜか起動した衛星砲。それらに100%関係のある独立傭兵。と、それに気づいていながら黙っていた若い狼……
 オキーフは頭を振った。今は考えるのをやめておこう。
 早く帰還して一服したい。それか、美味いフィーカでも良いな。
 オキーフはそう現実逃避(おもっ)た。