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human_hamster
2025-11-24 21:26:02
3985文字
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そのほか
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1814210
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11/22 ワンライ
✨夢
※恋愛関係なし
※✨の姪っ子夢主が⚓️で働いている話
※おおらかな気持ちで読んでください
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
ナマエ
「引越し?そりゃまた急だねェ〜」
「急じゃないんです、私が悪くて
……
。次の物件の目処もついてたんですけど
……
」
「激務に追われて、ねぇ」
「は、はい
……
」
ボルサリーノ大将はティーカップの紅茶を円を描くように揺すって、渦を作ろうとしながら私の話を聞いていた。なんでそんなことをするんだろう。私の淹れた紅茶は美味しくなかっただろうか。
「事務方のコたちのことはよく知らないけどねェ〜、みんな寮に住んでるものとばかり思ってたからねェ。
ナマエ
ちゃんが借家住まいとは知らなかった」
ゆったりとした口調で話すボルサリーノ大将
……
叔父さんは、自分なんて比にならないほどのハードワークだ。そんな人に「激務」だなんて言われると、逆に言われたこっちが縮み上がってしまう。
要は、私が悪いのだ。仕事に追われて借家の更新時期を忘れていて、次住もうと思っていたところはもう埋まってしまっていた。うっかり家なき子になってしまった私は、しばらく海軍本部の宿直室に泊まることでやり過ごすことにした。
バカすぎると自分でも分かっているが、借家を探しに行くだけの気力も体力もなかった。そして、その宿直室に仮住まいをしていたことがサカズキ大将にバレるまで、そう時間はかからなかった。上司の顔に泥を塗るようなことをするなと青筋を立ててブチギレられ、サカズキ大将は私の首根っこを引っ掴み、叔父さんの執務室に放り込んだ。「おまえの姪じゃろうが。どうにかせんか」そう怒鳴られても、叔父さんは平常心で、サカズキ大将に茶を飲んでいくかどうかまで聞く余裕があるようだった。結局サカズキ大将は茶はいらんと言って去っていってしまったけど。あのサカズキ大将の怒号をさらりとかわせる人なんて希少だ。
……
そして、今に至る。
「宿直室に泊まるってのは、いいアイデアだと思うんだけどねェ〜」
「ですよね?ほんの一時凌ぎで少しくらいいかなって、思っちゃって。ダメでしたけど
……
」
「でもさァ、宿直室なんてプライバシーもへったくれもない訳じゃない
……
。
ナマエ
ちゃん、そういうの平気なんだねェ」
サングラスを外した叔父さんが、レンズを拭いている。サングラスのつるの部分に、ものすごい高いブランド名を読み取ってしまい、私は目を逸らした。叔父さんは部下の手前ということもあるのだろうけれど、いつも身だしなみがきちんとしている。髪の毛を振り乱すようにして本部の中を駆け回っている自分のことが恥ずかしく思える。
本当はこんな他愛もない会話をしてるような時間はこの人にはないはずだが、叔父さんはいつも姪の私には優しかった。自分で言うのも、なんだけど。
「プライバシーは別にどうだっていいんです。すぐ出勤できるから便利なくらいです」
「
……
ナマエ
ちゃんも大概、社畜だよねェ〜
……
」
叔父さんは大きな手でちょこんと持っていたティーカップの持ち手に指を通して、やっと紅茶を飲んだ。あちち
……
と小さな声でつぶやいている。どうやらさっきは紅茶を冷まそうとしていたらしい。
「荷物は?」
「私、そんなに物持ちじゃないんです。家具も借家にそなえつけのものばかりで。ほぼ身一つで出てきました」
「そう
……
寮は空いてないの?」
「一杯らしいです。それに、私、寮は嫌なんです!門限があるから
……
」
「なるほどねェ〜。とは言え、
ナマエ
ちゃんが変なところで寝泊まりするのも、わっしとしては心配になっちゃうしねェ〜
……
あ、」
長い脚に肘をついて考え込んでいた叔父さんは、指をぱちっと鳴らして私ににっこりと笑いかけた。
「わっしの家、使ったらいいじゃない」
「
…………
え?」
***
叔父さんの家は、本部からほど近いところにある平屋だった。裏手にサカズキ大将の家があるらしい。前から聞けずにいるけれど、この二人、どういう関係なのだろう。
整頓されているというよりは、使われていないといった表現が正しいような家の中は、よく言えばこざっぱりとしており、悪く言えば空虚だった。たまにハウスメイドに入ってもらうらしく、人が住んでいない割には埃もなく、生活調度品もくたびれていなかった。叔父さんサイズの家だから、私にとっては天井も取手の位置も全部すごく高いけど、狭い借家からこんなに広い家に住処が変わったことの方が慣れそうになかった。
「家、買ったはいいんだけど
……
わっしらは執務室とは別に個別の仮眠室があるからねェ
……
どうしてもそっちで寝ちまって
……
。家も不憫だろ?
ナマエ
ちゃんが使ってくれるなら安心だよォ〜」
鍵を投げて寄越され、キャッチする。キーチェーンも何も付いていない鍵は、オリジナルらしかった。
「叔父さん、スペアキーはないの」
「あったと思うけど、どっか行っちまった。それ使っといてよ」
「えぇ、いいの」
「だって、本当に滅多に帰ってこないからねェ〜」
「じゃあなんで家なんて買ったの」
「う〜ん、なんでだろうねェ〜。でもこうやって
ナマエ
ちゃんの役に立ってるんだから、いいじゃない」
にこにこと微笑む叔父さんは、スーツを脱いでマスタードイエローのタートルネックと家履きのリラックスしたボトムスに着替えてきた。本部にいるときの叔父さんは何時もスーツでビシっと決めているからこちらも緊張してしまうけど、こうやって私服になると、私の大好きな叔父さんだ、という実感がわいてくる。
その日は食料庫にわずかに残っていた麺と缶詰を適当に調理して叔父さんと食べた。そんな有り合わせのものでも、叔父さんはいたく喜んで食べていた。揺れないところで、こうやって自分の見知った人間が出してくれる食事は染みるものだと、海上で実務にあたっている人たちは皆言う。叔父さんが今度帰ってきたら、もっとちゃんとしてものを作ってあげようと誓った。
叔父さんサイズの浴室は、バスタブがすごく大きかった。宿直室の簡易シャワーブースで、宿直当番の人と被らないよう時間に追われながら浴びるシャワーと違ってちゃんと身体が温もった。お風呂を上がり、パジャマを持たない私に叔父さんが貸してくれた服を身につける。もちろんありえないほど大きく、私は袖と裾を何度も何度も折り返して、やっと寝巻きとしての体裁を整えた。
浴室から出ると、叔父さんはソファにいくつもクッションを並べているところだった。
「叔父さん、お風呂ありがとう」
「
ナマエ
ちゃん、服ダッボダボだねェ〜」
叔父さんの目が細くなる。笑っていいものなのか測りかねている目だった。
「叔父さんは大きいけど、私、ふつうサイズだもん」
叔父さんは三メートルほどあったかと思うが、私は百六十センチそこそこだ。いつも横に並んで歩くと、叔父さんは私の話を聞くために、時折身をかがめてくれる。自然と私も声が大きくなってしまうけれど、小さい時よりかは私も背が伸びて、距離はうんと縮まった。
「わっしはソファで寝るから、
ナマエ
ちゃんはベッドで寝たらいいよォ〜」
「叔父さん、あんな広いベッドで一人で寝れないよ。一緒に寝ない?」
「オォ〜
……
」
あんぐりと口を丸く開けて、叔父さんはしばらく返事をしなかった。まずい。流石に良くなかったかな。私は自分の発言を後悔した。
もう幼児でもあるまいし、いい歳をした姪に一緒に寝ようなんて無邪気に言われるなんて、予期せぬ言葉だったに違いない。叔父さんの方としては断るのも気にしすぎているみたいで、困っているのではないだろうか。
でも、本当に小さい時はよく一緒に眠ったものだった。その時の調子のまま、つい誘ってしまった。
「
……
ナマエ
ちゃんがいいなら、いいんだけどォ〜
……
。本当にいいのかなァ〜
……
」
「い、いいよ!ダメなことないよ。ね。一緒に寝よ、ね!」
こうやって絶妙に渋られてしまうとなんだかこっちまで気まずい気持ちになってしまいそうで、私は叔父さんの腰のあたりをぐいぐい押して寝室に連行した。
叔父さんサイズのベッドは、私サイズで言うキングサイズとかクイーンサイズよりも遥かに大きかった。叔父さんの横に仰向けになって寝転がると、一日の疲れが眠気になって襲ってきた。何よりも、隣に叔父さんがいるというのが安心する。
「
……
仕事はどう?サカズキにいじめられてないかい〜?」
「ははは、めちゃくちゃ怒られてはいるけど、いじめられてはないよ」
「クザンは?」
「あの人、誰にでも可愛いねって言うからちょっと苦手」
「そいつぁ聞き捨てならないねェ〜
……
」
「あっ、うそ、うそ、大丈夫、大丈夫だよ」
二人して笑った後で、叔父さんがあくびをした。私にもあくびがうつる。どうやら、お互いに眠気が降りてきているらしかった。
「なんだか懐かしいねェ。
ナマエ
ちゃんとこうやって寝るの、いつぶりだろうねェ〜」
「叔父さんが話してくれる海軍の話、大好きだったなぁ。今思うと、話しちゃダメなことまで私に喋ってた気がするけど」
「コンプラ違反で怒られちまうなまさか
ナマエ
ちゃんが海軍に入ってくるだなんて思わなかったからさァ〜
……
」
「ふふ、叔父さんがしてくれたお話聞いて、私ずっと憧れてたんだよ」
「
…………
」
「海に出て戦うことはできなくても、叔父さんの守る正義を後ろから支えたいって、ずっと思ってた。叔父さん、いつもありがとう」
叔父さんは何も言わずに、黙って私の腕をぽん、ぽん、と叩いてくれた。その一定のリズムがさらに私の眠気を誘う。小さい頃は、こうやって私を寝かしつけていてくれたんだった。また叔父さんが今度の遠征から帰ってきたら、寝物語に聞かせてもらおう。腕に叔父さんの大きな手の温もりを感じながら、私は眠りに落ちていった。
おわり
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