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お芋さん太郎
2025-11-23 14:08:44
1126文字
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ちいさなSS @ONEPIECE
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海の一流コックは食材選びから念入りだ。活きのいい魚介はもちろん、ぴかぴか輝く野菜や上質の脂がのった肉を瞬時に見分け、サンジは次々と買い出し用の箱に入れていく。
サンジにとってそれは、仲間の命と心を繋ぐ大切な仕事である。彼らが進むのは、過酷を極めるグランドライン。駆け上がるのは、つらく厳しい王への階段。温かくて美味しい食事は、そのパワーの源となる。
コックはサンジの天職で、コックであることがサンジの幸せだ。食材を吟味しながら思わず顔がニヤけるというもの。麗しの女性陣
――
野郎どもは決して含めない
――
がギュッと抱きしめて褒めてくれるニョホホな妄想をしながら、食材を山のように積み上げた。
サニー号に帰り、一番先に向かうのはキッチン。ここがサンジの城である。
城であり、戦場だ。
包丁の音は、軽やかにリズムと食材を刻む。肉と野菜が鍋でゆらゆらスパイスの香りとダンスに興じ、麺が茹で上がれば部屋の湿度と気分は最高潮。
瞬く間にできあがった何十皿の料理は、きっとものの数秒で無くなってしまうだろう。それでも決して手を抜かない。大切な人たちには、いつだって人生最高の料理を提供したいから。
立ち寄った島はそれなりに賑わっている。それでもクルーたちは、ひとしきりまわり終えると船に戻ってくるはずだ。夜には必ず。腹を空かせて。サンジのメシを食べに。
それはサンジにとって温かくて、少しむず痒い。新しくタバコに火をつけたのは、ほんのささやかな照れ隠しだ。
ほら聞こえる。明るい話し声と、うるせェ足音。
「サンジ、メシ
―
!!」
大食漢の船長が扉を開くほとんど同時に、メインディッシュの用意が済む。無数の大皿には各地の料理が色とりどりに並び、麦わら帽子の下で船長の笑顔がいっそう輝いた。
賑わいの中で、いよいよ全員が席に着いた。ウズウズと待ちきれない船長と声を合わせて。
「いっただっきまーす!!」
箱型装置の軽快なベルが鳴ると、できたてホカホカの料理が飛び出す。
スパイシーな肉料理にもちもち生地のピザ、大盛のかつ丼、とろける甘さのスイーツまで。多種多様な料理がテーブルを埋め尽くした。
これらの料理を作ったのは、すべてこの箱型の装置である。配膳も完璧で、まるで一流のコックが仕上げたみたい。
そう。この装置があれば、美味しい料理をいつだってボタン一つで簡単に楽しめるのだ。
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〈海の一流コック〝黒足のサンジ〟監修〉
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