九條もぐ
2025-11-23 08:11:10
4596文字
Public
 

お題【早くキスして】

伊剣ワンドロワンライ
久々に筆が乗ったので…大遅刻ですが書かせてもらいました!!
このお題を見て…みんな大好きポッキーゲームをちゅーの口実にすることを思いついたので😜
安定のデア軸で、ぐだ君と平助くんが出ます。
久々に小説書いたので…下手くそになってると思います…。

「んっ!!」
「せ、セイバー
(どうしたら良いんだ、この状況は)
 伊織は非常に対応に困ってしまっている。というのも目の前で細長いチョコ菓子をくわえたタケルから催促を受けているからだ。

 ◇

 事の発端は、タケルがマスターである立香と最近カルデアに召喚された藤堂平助と鉢合わせたところから始まる。
美味いな」
「でしょ〜?平助くん、チョコアイス好きだから気に入ると思ってさ〜」
 いつものように一人でカルデア内を彷徨いていたタケルは、そんなそんなやり取りをしながら菓子を食べる二人を見つけたのだ。
「何をやってるのだ?」
「あっ、タケル」
「おい食べながら話しかけるなよ。お見苦しいところを見せて申し訳ないです、タケルさん」
「相変わらず堅苦しいな、きみ。して、何を食べてるのだ?」
 タケルは藤堂が持つ赤い箱の菓子が気になるらしい。タケルの食べることが好きなことを知る藤堂は「ああ」と声を上げた。
「これはポッキーというお菓子だそうで僕がチョコアイスを気に入ってるということで、マスターがくれたんですよ」
「ほむほむ
 菓子に興味を示したタケルをそばから見ていた立香は、にま〜っと悪戯っ子のような笑みを浮かべた。
「タケル食べたいんでしょ?」
「なっ!?そ、そそそそそこまで云っておらぬぞ!!」
「マスターがサーヴァントをからかってどうするんだよ
 タケルと立香のやり取りに藤堂はゲッソリとした表情を浮かべながら突っ込む。タケルがどんな人物なのかをよく知る藤堂からしたら、立香のやり取りは冷や汗ものなのだ。
 立香はそんな様子の藤堂をよそに、自分が持っていた菓子をタケルに手渡した。
「ほら、俺のポッキーあげるから
 立香は藤堂に聞かれないようにタケルの耳元に顔を近づけ
「これで伊織を誘いなよ?」
「なっなななななな何を云い出すのだリツカぁあ!?」
お前、何また変な事を吹き込んでるんだよ」
 立香の悪巧みは藤堂にお見通しなようで、藤堂は本気で呆れ返っていた。そして顔を真っ赤にしたタケルを部屋に送り込むと同時にこれからタケルがやらねばならないことについて説明していた。当然ながら藤堂は呆れていたが、タケルのためシミュレーションルームにいる伊織を連れてくると云って部屋を出たのだった。
 だがタケルは藤堂が居なくなった瞬間に顔を真っ赤にしながら声を荒らげた。
「何故、私がは、恥ずかしいことをしなくてはならぬのだ!!リツカの説明だとその
「うん、キスすることになるね」
「きすぅ!?」
 ますます立香の考えていることが解らず、頭を抱えるタケル。立香はそんなタケルを見ながらため息をこぼした。
「あのさ最近拗ねてるでしょ、伊織が全く構ってくれないから」
「うぐっ」
 立香から痛いところを突かれぐぅの音も出ないタケル。確かに伊織は最近鍛錬ばかりでタケルに構ってくれない様子だ。特にカルデアに原田左之助と近藤勇が来てから尚更だ。立香はタケルの肩を叩きながらまた口を開く。
「たまたま平助くんとお菓子の話をしてる所にタケルが来たからコレを思いついたけどタケルはいい加減に素直になりなさい!!」
うぅ〜」
 タケルはまた顔を赤くしながら、今にも泣き出しそうな表情を浮かべた。すると外から藤堂と伊織が話しながら部屋にやってくる声が聞こえてきた。
「とにかくたまには近藤さん達の誘いを断ってタケルさんの相手してください!!」
「だが、近藤殿らの誘いを無下にする訳には
「だぁああああもうっ!!僕が良いって言ってるんだから良いんですよ!!次そんなこと言ったら、本気で斬り伏せますよ!?」
ははは、めっちゃ怒ってる」
「アヤツ本当にアヴェンジャーなのか?」
 ギャーギャー言い争う伊織と藤堂の声にタケルと立香は唖然とするしかなかった。すると部屋の扉を乱暴に開ける音と共に、藤堂に腕を掴まれ引き摺られながら来ましたと伊織がいた。
「全く沖田くんも融通利かないから、殴って気絶させてから引きずり出してきた」
「だ、大丈夫なのそれ」
「大丈夫さ、あんな程度で倒れるほどヤワじゃないし」
「「「………。」」」
 ある意味脳筋プレイを披露してきた藤堂に立香どころか伊織とタケルも顔を青ざめていた。藤堂は伊織の腕を引っ張り、そのままタケルの傍に座らせた。
「これ以上は野暮なので、僕とマスターは退散します。行くぞマスター」
「はいはいではごゆっくり〜。タケルは頑張って〜」
「??」
 こうして立香と藤堂は伊織の部屋を後にした。残された伊織とタケルの間に微妙な空気が流れるがタケルが持ってる菓子の箱が伊織の目に入った。
「セイバー、それは?」
「こ、これか?菓子だ、チョコ菓子。リツカから貰ったのだイオリと食べろと」
「そ、そうか」
(妙に声が震えてるな何か企んでるのか?)
 伊織は妙に声が震えてるタケルの様子を怪しむが、タケルは箱から菓子を一つ取り出しチョコがついた方を伊織に差し出す。
「ほ、ほら疾くくわえろ」
はぁ?」
 伊織はタケルの考えが全く理解出来ずにいた。タケルは立香に云われたことを伊織にも説明することにした。
「これはな、互いにこの菓子の両端をくわえてそのまま食べながらどれだけ近づく事が出来るのかを競う遊びらしい」
「いや、全く意味が解らん。何故に斯様なことをせねばならぬ?」
仕方ない」
 タケルはヤケクソになったのか、持ち手の方をくわえて伊織にまたチョコ菓子を差し出す。
「んっ!!」
「せ、セイバー
(どうしたら良いんだ、この状況は)
 そして冒頭のやり取りに戻るということだ。伊織は本気で困り果てているが、このままだとタケルが本気で拗ねてさらに状況悪化を招くと判断した。
はぁ、解ったよ。お前が云った通りにするから」
「っん〜ん」
 伊織が折れて云う通りにすると云った瞬間、タケルは嬉しそうな表情を浮かべた。伊織はそんなタケルをよそに渋々とチョコ菓子をくわえた。それを合図にタケルはポリポリと菓子をかじり始める。伊織もそれに合わせて菓子をかじる。
(徐々にセイバーとの距離がああ、成る程そういう魂胆か)
 徐々にタケルとの距離が近づくことで、伊織はタケルの目論みを理解したようだ。口づけをして欲しいという甘え下手なタケルからの誘いだということに。そしてこの遊びは、その口実だということも。タケルは徐々に距離が縮まる度に心臓を高鳴らせる。
(イオリとの距離がそのまま、そのまま私の唇に)
 タケルは期待を込めて目を閉じる。ほんのりと顔を赤くしたタケルに伊織は笑みをこぼす。少しからかってやろうと思ったのか、伊織はスッとタケルから離れてしまった。
(……あれ??)
………っ」
 伊織は何も起きない事に首を傾げてるタケルに吹き出さないように必死に堪える。そして未だに何も起きない事に不安になったタケルが目を開けると意地悪なことをする時のような表情を浮かべた伊織が視界に映った。菓子の方に視線をやると本当に口づけ寸前で離れたのだと知り、ポリポリと菓子を食べそのまま頬をぷく〜っと膨らませた。
「なぜ離れた!?」
「っさぁ」
「っ〜〜〜〜〜!!」
 明らかに意地悪してる伊織だと理解したタケルはまた菓子を一本取り出して「もう一回!!」と吠えながらまたゲームをするが、伊織は口づけ寸前で離れて、またゲームをしてを4、5回繰り返す羽目になった。
「ぐぬぬぬだから、なぜ離れるのだ!!意地悪するな!!」
「お前がどうしてほしいのかとちゃんと言の葉にしてくれないと、俺には解らん」
「嘘をつくなっ!!」
(明らかに理解しておるだろ!?その顔は意地悪する時の顔だと解ってるのだぞ!!)
 タケルは一向に口づけしてくれない伊織にプンスカ怒ってるが、甘えたいが故の行動だと解ってるため全く威力がない。タケルはヤケクソになりながらまた菓子を一本取り出した。
「こ、これで最後だからな!!離れたら本気で怒るぞ!!」
「ふっどうだかな」
「ぐぬぬぬ
 タケルは頬を膨らませながら菓子を口にくわえ、伊織も反対側をくわえる。そのままポリポリと食べ進めあと少しで口づけできる距離になる。
「っ
(バカバカイオリのバカっ!!絶対理解してるはずなのにっ、なぜ意地悪するのだ!!これ物凄く恥ずかしいのに!!お願いだから早く口づけ、してよぉ)
 さっきまでプンスカ怒っていたが、散々意地悪されたせいかタケルの心は折れてしまったらしい。じんわりと涙を浮かべながら目を閉じたタケルを見て、流石にやり過ぎたかなと思ってしまう伊織。
(些かやり過ぎたか。泣かすつもりはなかったのだがいじらしいタケルが見れて満足したから、してやるか)
 伊織は一気に距離を縮め、片手をタケルの後頭部に回しぐっと引き寄せる。
「っ!?」
 いきなり後頭部を掴まれ驚いたタケルは目を開けると目の前には目を開け自分を見つめる伊織。唇はしっかりと重なっていた。
「っ〜〜〜〜!?」
……。」
 タケルはこれでもかというぐらい顔を真っ赤にし、伊織はそれを見て目元が意地悪な笑みを浮かべたかのようになる。伊織はそのままもう片方の腕をタケルの腰に回し、タケルの口内に舌をねじ込む。
「んむっ、ふぁっ、んんっ♡」
「んんっ
 互いの舌が絡み合う度にチョコ菓子の味が広がる。タケルは久々の口吸いに身体をビクビクと震わせながら、伊織にしがみつくしかできないでいる。
(うぅもうっ、だめっ腰、砕けそう♡)
 口吸いですっかりふにゃふにゃになってしまったタケルは身体に力が入らない様子だ。ずっとタケルの様子を見ていた伊織は、これ以上すると夜まで理性が保たないと判断しタケルから離れた。
「ぷはっはぁ、はぁ、はぁあうっ♡」
 タケルは力なく伊織にもたれ掛かる。伊織はタケルの後頭部に回していた手で頭を撫でてやる。
「あまり構ってやれなくてすまない藤堂殿があそこまで怒ってきた意味が理解できたよ」
「っばか」
 タケルは上目遣いになるような感じで伊織を見る。涙目で頬も赤いため、伊織からしたら猛毒でしかないが必死に耐える。
少しは、私に構え、寂しいんだから
 そう云ってタケルはまた伊織の胸に顔を埋めた。あまりにも可愛すぎる発言に伊織は思わず天を仰いだ。
(これほど俺を狂わしてくるのは、お前だけだというのにだが、夜まで耐えろ宮本伊織)
 本当は今すぐにでも抱いてやりたいところだが、夜まで我慢すると決めた以上我慢するしかない。その代わりに、愛しさを込めてタケルの額に口づけを落としてやる。
「今日はたくさん構ってやるさ、その代わり
 伊織はタケルを抱きしめながら、タケルの耳元に顔を寄せる。
今宵は、寝られないことを覚悟するんだなタケル」
「っ、どさくさに紛れて名をんむっ!!」
 喚こうとしたタケルの唇を己の唇で塞いでタケルを黙らせる伊織。夜まではいつものように部屋でダラダラと過ごしていたが夜は、これでもかと云うぐらい色んな意味で甘やかしてやったのは云うまでもない。