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宮腰
2025-11-23 00:07:17
10842文字
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水龍3分クッキング
リオセスリ殿お誕生日おめでとう!
リオセスリの誕生日を祝うためにヌヴィレットさんがスペアリブ作りに挑戦するお話。
▼メタネタ盛りだくさん
▼ヌヴィレットさんは大真面目だけど内容はおふざけです
▼かっこいいヌリはいない
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『歳の数の薔薇、高価な宝石、最高の夜景に高級レストラン。そんな誕生日もまあ悪くはない』
『だけど俺は、大好物とたくさんの友人、そこに美味しいケーキでもあれば文句無しだな』
「ヌヴィレット様~、スープはレシピ通りに完成しました!」
「ああ、ありがとうリュティンヌ」
「シグウィン。テーブルクロスは何色がいいかな? やっぱ白?」
「うーん公爵は黒とか赤色が好きだけど
……
お祝い事だから、白が良いと思う」
「誰か手の空いてる人! ロマリタイムフラワー追加で摘んできてー」
「はぁい」
ワイワイ、ガヤガヤと。フォンテーヌ廷地区郊外に建つヌヴィレットの私邸は、大勢のメリュジーヌで賑わっていた。フォンテーヌ廷とメリュシー村から手の空いていたメリュジーヌたちが大集合しているのには、二つの理由がある。
一つは、父親のような存在であるヌヴィレットの大切な人、リオセスリの誕生日を祝うため。
もう一つは、その誕生日パーティでヌヴィレットが料理の腕を振るうと、耳を疑うびっくり仰天発言をしたからだ。
「ふぅ
……
後はメイン料理ですね、ヌヴィレット様」
「うむ。スペアリブはリオセスリ殿の大好物だ。気合いを入れなくては」
本日のメニューは、無欠のピュルテ、ドゥボールケーキ・デラックス。メインはスペアリブのローストだ。
ケーキは三ヶ月前からホテル・ドゥボールへ予約済み。いまはメンタが受け取りに行っている。無欠のピュルテはヌヴィレットが数カ月をかけて水から選び数日前から寝る間を惜しんで仕込んである。メリュシー村で一番料理が得意なリュティンヌがスープ作りを引き継ぎ、最後の仕上げをしてくれた。残るは本日のメインディッシュ、リオセスリの好物スペアリブのローストだ。
「レシピは完璧に記憶をした。後は実践あるのみだ」
「私たちがお手伝いをするので頑張りましょう! ヌヴィレット様」
「公爵様が驚くような最高のスペアリブを作りましょう!」
「ああ、心強い」
えいえい、おーっ! と、メリュジーヌ達の可愛らしい掛け声がヌヴィレット邸のキッチンへこだました。
【レシピ① スペアリブ肉の薄皮をとり、食べやすい大きさにカット】
「まずは肉の下準備ですね。ヌヴィレット様」
「問題ない。既に購入してある」
ヌヴィレットはそう力強く頷き返し、冷蔵庫からスペアリブ用の塊肉を取り出した。肉屋の軒先でしか見かけないその大きさに、メリュジーヌ達から「おおーっ!」と歓声が沸き上がる。
「すごーい! プクプク獣のお腹みたいにおっきいお肉」
「これならたくさん作れますね!」
「うむ、まだある」
皆がたくさん食べられるように、といざ自分が失敗してしまった時の為に、ヌヴィレットは材料を多めに用意していたらしい。塊肉がもう一つ登場しメリュジーヌ達が再び歓声を上げた。そしてもう一つ、まだもう一つ、もう一つ
……
。キッチンへ塊肉が一つ追加されて行く度に、メリュジーヌ達が一人、また一人と真顔に戻って行くのにヌヴィレットは気が付いていない。
「
……
あの~
……
ヌヴィレット様」
「うん? どうした」
「これで何人分なのですか
……
?」
最後のひと塊を出し終えたヌヴィレットは、ふむ、と首を傾げ肉屋でのやり取りを思い出した。
「──すまない。人数分で換算するとどの程度であるのかは、失念していた」
「あらあら
……
特別許可食堂でお肉を仕入れた時みたいな量ね」
ヌヴィレットが肉を購入したその日は、特売日。最高審判官様がパーティ用に肉をと店へ立ち寄ってくれたのを、店主も光栄に思ってくれたのだろう。あれもこれもとサービスをしてくれたので、ヌヴィレットも厚意を無碍にはできないと、店にあるスペアリブ肉を買い占めてしまったそうだ。
「よいしょ、よいしょ
……
ええと、全部で二十キロありますね」
「二十キロ!?」
レシピに書いてある分量はスペアリブ肉二キロ。その十倍の量を、ヌヴィレットはヴァザーリ回廊からえっさほいさと持ち帰ってきたらしい。好きぴには与えたがり水龍、本領発揮である。唖然としている愛娘たちの様子で何かを察し、さすがのヌヴィレットも気が付いたのか。またやってしまったかと肩を落とした。
「すまない
……
流石に多すぎたか」
「う、うーん
……
? ちょっと多いです、かね?」
すると、どでかスペアリブ肉で盾を持ったヒルチャールごっこをしていたキアラとグラシュティが遊びを止め、キョトンと小首を傾げた。
「え、ヌヴィレット様。また作ればいいんじゃないかな」
「
……
ふむ? スペアリブをか」
「そうそう。お肉って冷凍しておけるんでしょ? いっぱい買っちゃったからまた遊びに来てって、公爵様を誘えばいいよ」
無邪気な発想から生まれた真理である。
なるほど、その誘い方があったかとヌヴィレットは目から水龍の鱗が落ちるような感銘を受け、深く頷いた。
「そうか、次回へと繋げる
……
素晴らしい柔軟な発想だ。ありがとう、キアラ、グラシュティ」
「ふふ、お家お泊まりデートを増やすってことね。それなら公爵もきちんと休んでくれそうだし、ウチも大賛成なのよ」
そうして、二十キロ塊肉の行き先は今後のリオセスリの胃袋へと決定した。頑張れ公爵。
スペアリブ肉の薄皮を取る。それはとても繊細な作業だが、タイダルガの薄皮剥きが得意なメリュジーヌ達が上手くフォローをし、なんとか無事に終えた。
腕力が必要な肉のカットは攻撃力参照物理型ヌヴィレットが担当し、フン!ハァッ、シャァァァ!ハァァァ!と、無事に切り分けられた。「英語版ボイスだ!」とメリュジーヌ達もキャッキャと盛り上がっている。
食べやすい大きさにカット。だが、そこはいわゆる原神メシ。一つ一つがばかでかいのが特徴だ。
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