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ぽふむん
2025-11-22 23:37:20
928文字
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甘美なる悪夢
#童しの版深夜の真剣物書き60分一本勝負
「ホットチョコレート」
現代if
童磨の一人語りです。
転生後のしのぶちゃんとは「まだ」巡り会えていないし、前世の記憶も全くありません……が
ここでのお酒と隠し味ですが、通常よりかなりの量。結構な量を入れてるイメージで書いてます。
鍋に牛乳を入れ火にかけた。
ホットミルクくらい電子レンジでも出来る。
それがない訳ではない。
それでもわざわざこんな作り方をするのは、一味違うからに他ならない。
気のせいだと言われたらそうなのだろう。
でも、なにか一味違うんだ。
鍋の牛乳がふつふつ言ってきたから、そこにチョコレートを一粒ずつ入れ溶かしていく。
その溶けていく光景を見ていると何かが思い起こされる。
あれはただの夢のはずじゃないか。
それなのに、何故だろう。
それは十八歳の誕生日を迎えた夜から、毎夜見るようになった夢。
親元を離れ、一人暮らしを始めて以来、ずっと見続けている。
世間一般的には、これは異常な悪夢と言っていいのだろう。
なのに、忘れたくない甘美で中毒性のある夢だった。
チョコレートが牛乳によって溶かされ、完全に混ざりあった。
耐熱グラスに、二十五年もののウイスキーを注ぐ。
そこに今しがた作ったホットチョコレートを注いだ。
甘い液体とほろ苦い液体が混じりあっていく。
ウイスキーだって、別にこんな上等なものでなくとも、熟成の浅いウイスキーでもいいはずだ。
洋酒入りのチョコレートを使ってもいいはずだ。
でも俺はこの作り方にこだわった。
やはり、何か風味が違う気がするから。
ほんの少しだけ唐辛子を効かせてある。
ピリッと辛い、洋酒入りホットチョコレートは、飲むと、甘みと喉を焼く。
このスパイシーさがたまらない。
夢の中でもそうだった。
夢の中の俺は、頭から血を被ったようだった。
チョコレートがミルクに溶けていくように、洋酒の妖艶な苦味と混じり合いグズグズに溶けて
甘くて辛い、病みつきになるような風味がした
……
あれはなんだろう。
あれに溶かされ、病みつきにされたんだ。
あれは、このウイスキーのように芳醇で
苦くて甘くて
病みつきになる中毒性のある
甘い悪夢だった
あの芳醇な香りと共に、ひとりの少女の影が浮かんでいた。
決して忘れたくないはずなのに思い出せない。
酒のせいではない
胸が熱い
唐辛子のせいでは無い喉がひりつく
もう一度逢いたい。
誰に?
わからない
けれど
逢いたい。
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