haruka037
2025-11-22 10:23:20
1248文字
Public
 

悲恋

 スバイカ。
 想い合う二人が引き裂かれる話。
 R18。
書きかけです。

 竜神社の寝室に敷かれた布団の上で、スバルに抱かれる。
「はっ……、あ……、ひあっ……、すばる……、あぁ、すばるっ……!」
 私を抱くスバルの名前を甘えた声で呼んで、汗ばんだ背中をそっと抱き締めた。
 動きを止めたスバルが、そっと私の頬を撫でた。
「どうして、そんなかおをしているんです……?」
 スバルは今にも泣きそうな、苦しいのを我慢しているような、そんな顔をしていた。
 彼のそんな顔を見ていると、こちらまで苦しくなる。
「あなたは、本当にこれで良いんですか……?」
 そっとスバルが私の手を握った。
「イカルガさんが望むなら、オレは……
 微笑んでスバルの口を手で塞ぐ。
「スバル……、それ以上は言ってはいけませんよ……
 優しいあなたの事だ。
 きっと私の為に全てを捨てようとしてくれているのだろう。
 だが、私はそれを望まない。
 私はこうしてあなたに抱かれているだけで幸せなのだから……
「私は幸せですよ。スバル」
 微笑んで見せれば、耐えきれなくなったのか、スバルの瞳から涙が零れ落ちるのが見えた。
「ああ……、泣かないでください……
 スバルの涙をそっと手で拭うと、苦しいくらいに抱き締められた。
「愛しています、イカルガさん……
 震える声で告げられた愛の言葉に、微笑んでそっと目を閉じた。
 今この瞬間、あなたに愛されている。
 それだけで私は世界一の幸せ者だと思えた。
「私も、あなたを愛しています」
 そっとスバルを抱き締めて愛を囁く。
 どうか忘れないで欲しい。
 私があなたを愛しているのだと言う事を……
 
 
 ◇◇◇◇
 最初こそ刃を交えた間柄だったが、私が冬の里に拠点を置き何かと顔を合わせるようになってからと言うもの、次第に舞手の人柄に惹かれて行った。
「おはようございます。朝から精が出ますね」
 畑仕事に励むその背中に声をかけると、舞手が振り返る。
「イカルガさん、おはようございます。里の見回りですか?」
「ええ、今の所は異常はありませんが、気を抜いてはいけませんからね。式神だけでなく、こうして私の目で見て回る事にもちゃんと意味があるのですよ」
「毎日ご苦労様です。イカルガさんのお陰で里の皆が安心して暮らせます。本当にありがとうございます」
 舞手が頭を下げる舞手を制した。
「頭を上げてください。これは私の職務であって、あなたに礼を言われる必要はありません」
「それでも、オレが言いたかったんです」
 そう言って舞手は笑った。
 屈託のないその笑みに、心の臓がトクリと脈打った。
 舞手のふとした仕草や表情に、ときめいてしまう自分がいる。
 これが恋だと言う事に、私は気付いていた。
 けれども同じ男同士と言うこともあり、またいつか自分は都に戻らねばならない立場でもあるから、この想いは伝えないつもりだった。
 ほのかな恋心を秘めたまま、友人の一人として舞手と接した。
 それだけで満たされていた。
 その筈、だった。