凪田シロ
2025-11-21 22:59:49
2559文字
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アム誕生日に寄せて

xから再掲。
🪓軸。アムが存在してくれたからこそあの夢みたいな幸せは成立したんだよという話です。安定のシャアムENDあとコンハロの中身が二人説を推したかったので書けてよかったです!アム、産まれてきてくれてありがとう🎉
裏話としてはししえエンド後ピカっと謎の光に包まれた二人は宇宙を平和に漂う思念体的な感じで仲良くよろしくやっていた的ないい感じのフィーリングでお願いします👐死んでからも二人でなら寂しくないね

なんて美しい、これ以上にないハッピーエンドだ。
この世界での俺の役目は終わった。あとは彼女たちが自分たちの手で未来を築いていくだろう。名残惜しいが役割を終えたのなら舞台から降りるべきだ。奇跡的なバランスで成立したこの世界に自分がこれ以上関わればどんな影響をもたらすかわからない。
「ジークアクス、まって!」
「なっ、どうしてキミが……!」
「わかんないけど、なんか来ちゃった。……というかここどこ?ん、そもそもお兄さん誰?てっきりジークアクスだと思ったんだけどな……
「はは……。間違って知らない人の夢にでも迷い込んだんじゃないか?」
マチュ。アマテ・ユズリハ。人のために全力で戦える優しい子だ。とはいえまだまだ未成熟な部分も多く、昔の自分と重なる部分もあって手を貸していたのだが。自分には成し遂げられなかった結末をこの子は掴み取った。だからもう、大丈夫だと判断したのだ。どうやらそれなりに長い時間を共に過ごした影響でこちら側に迷い込んでしまったのだろうか。
「えー?でもさっき私のこと知ってるような口ぶりだったよね」
「むっ、するどいな……
「わぁ!じゃあやっぱりお兄さんがジークアクスなんだ!えー、イメージちょっと違うかも?」
「ふふ、流石。マチュは凄いな。……うん、君はやっぱり、そうして元気なのが一番似合う」
「わー……やっぱりジークアクスだ」
そもそも、もうすぐ消えるのだから別に隠し立てすることでもないかと自分の正体を素直にばらすことにした。遠慮の一つも見せずにアムロの顔を覗き込んだかと思えば周りをぐるぐると回って、訝しげにしたり、僕の正体がわかった途端嬉しそうに笑ったり。年頃の少女らしい目まぐるしく変わる表情と屈託のない様子にが微笑ましくて。つられてアムロも笑ってしまった。
「残念だけど、もうお別れだ。マチュもはやくあの子のところに帰りなさい。あまりここには生きている人間は来ない方がきっといい」
「そっか、なんとなくそんな気はしてた。シュウジも探さなきゃだし、寂しくなっちゃうなぁ」
「マチュなら大丈夫さ、強い子だからね」
……私が戦えたのはジークアクスが居てくれたからだよ。あなたがいてくれなかったら、きっと私、取り返しのつかないことを沢山しちゃってた。だから本当に助けてくれてありがとう!」
……こちらこそ、ありがとう」
自分が生きた世界で起きてしまった、変えられない出来事。アムロにとって全て過去であり、もう終わってしまったことだ。アムロも、同じ時代を生きた人達も全員が必死だった。傍から見ればそれらは悲劇にだって見えるのかもしれない。けれど、かけがえのない人達に出会えたことはアムロにとって何よりの幸福だった。だから人の可能性を信じることができた。ただ、それでも。大切な人たちが死なずとも幸福に生きられる世界があるのかもしれない。そんな可能性を知ってしまった。それならと動かずには居られなかった。この先を見届けられないのは名残惜しいがはやく帰らないと、
「む、せっかく私も来たというのに。帰るのか?全く、こちらのサイコミュ調整に手間取ったせいで完全に転移するまで時間がかかってしまった」
「は?」
「君が突然ちょっと他所の宇宙まで出かけてくるなどと言って飛び出したかと思えば、いたいけな少女を誑かして何やら楽しそうなことをしていたからな。私も来てみたくなってしまった。なに、余計な干渉はしないさ。君はとっとと帰ってハロとでも遊んでいなさい」
……前言撤回だマチュ。」
「えっ、それってジークアクスともっと一緒に居られるってこと?……というかこの黄色いおじさんだれ?……ん?いや、でも会ったことがあるような」
「おじっ……!?」
「ふっ、あはは!おじ、貴方がおじさんかぁ!」
この人はいつまで経ってもアムロの悩みの種になると頭痛がしかけたが、あまりにもマチュの実直な物言いにおかしくなってしまった。まあ確かにマチュの知ってるシャアと僕の世界のシャアではあまりにも辿った経験が違いすぎるので、マチュが気が付かなくてもしょうがないか。とはいえ、コイツを野放しにすれば何をやらかすかは本当にわからないので、気が済むまでは監視役が必要だ。……なんて言うのは、建前かもしれないな。

「全く、こんな身体しか無いなんて聞いてないぞ。まあそれは君も同じか」
「俺はけっこう気に入ってるけどね。あなたも素直に大人しくしてろってことだよ。……ところで、あなたはこの世界に思うところは無いのか」
「思うところ?」
「その、ララァと一緒にいられる自分が、羨ましい、とか」
「ああ、なんだそんなことか。あれは私の見初めた原初のララァ・スンとは似て非なる存在だ。……それにこの世界には君が居ない。ライバルの居ない世界に嫉妬をしてなんの意味がある?ふふ、もしかして不安になったのかな、アムロくんは」
「う、うるさい!!」
「機械の身体というのはわかりやすく感情を反映してくれるのは良いな、まあ君の可愛らしい表情が見れないのは残念だが」
「もういいから!黙れ!」
反射的に腕を伸ばして殴りかかったが安全設計のハロボディではポカポカと間抜けな音が鳴るだけだった。……この夢のような世界を知ってしまったシャアから。もしも、アムロと出会ったことを否定されてしまったら。実際、貴様さえ居なければと言われたこともある。それに関しては半ば極限状態において咄嗟に出てしまった言葉であり、本音ではあったが君と出会わなかった人生など想像できないと釈明されるに至った経緯があるのだが、それはさておき。実際、それが叶ってしまった世界をシャアが目の当たりにしてどんな反応を示すのかアムロが不安になっていたのは事実だった。それをシャアがあっさりと切り捨てたことに安心感を覚えたことに、言及されるのはどうにも恥ずかしかったので。とりあえず逆さに転がして元に戻れなくしてやった。ふん、そうやって暫く情けなく足をパタパタさせていろ。
「ねえマチュ、最近ハロとコンチなんだかよく喧嘩してるよね。それに、なにか……視えるような……
「喧嘩するほど仲がいいって言うしいいんじゃない?まあ、大丈夫大丈夫!それに、賑やかな方が楽しいでしょ!」