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三毛田
2025-11-22 21:00:00
4889文字
Public
Webオンリー
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放課後生クリーム
穹丹webオンリー展示
学パロ放課後デート
「丹恒、クレープの移動販売!」
「食べたら夕飯が食べられなくなるぞ」
「午後に体育だったから、余裕余裕! 見て! クリームメガ盛りオプションがある!」
看板の前で騒いでいると、お姉さんと目が合って苦笑された。
ちょっと恥ずかしくなって、丹恒のシャツを掴む。
「それなら、お前はそれを頼め」
「丹恒は? 食べないのか?」
「おかずクレープにする。甘いものは、今日は駄目だ」
俺ほど甘いものが好きではないからなのか、それとも違う理由があるのか。
詳しくは知らないけれど、丹恒はその日の体調によって、デザートの類が食べられなかったりする。
「ふむ。ツナマヨ卵にするか」
「お姉さん、生クリームメガ盛りで苺チョコを一つ。それから、ツナマヨ卵を一つお願いします」
「わかりました」
会計をしてもらい、出来上がるのを待つ。
俺たちが待っていると、クレープに気づいた人たちがメニューを見に来て。それからそこにいた半分の人たちが注文し始めて、急に忙しくなっていく。
「メガ盛り苺チョコとツナマヨ卵のお客様、お待たせしました」
「ありがとうございます」
生クリームが山盛りというかメガ盛りなので、スプーンを付けてくれた。ありがとうございます。
「ありがとうございます。穹、生クリームを落とさない内にそれだけ食べろ」
「うん、そうする。あ、でも」
「なんだ」
「食べる前に、写真撮って」
「俺ので撮るぞ」
「お願いします」
店から離れピースしながらクレープを少し顔に近づけると、丹恒が器用に写真を撮ってくれる。
「ふふ。お前の顔が小さく見える」
「普段の俺の顔は大きいってこと?!」
「そうじゃない。ああ、ほら。拗ねるな」
確かに、生クリームが盛られたことでグレープが大きく開いているから彼が持つものよりもパッと見は大きく見える。だからって、俺の顔が大きいとか失礼だろ!
「美少女に向かって失礼だな」
生クリームを大きくすくい、口へと運ぶ。
甘すぎず、だからといって味がないわけではなく。クレープ生地と、苺の甘みと酸味、それからチョコといい感じにマッチしていて美味い。
んだけど。
「ちょっと飽きた」
自分で頼んでおいてなんだが、飽きてきた。
「そう言うと思っていた。ほら、食べていいぞ」
丹恒は当たり前のように、手にあるクレープを差し出してくる。
「でも」
「お前が食べたがるだろうと思っていたからな」
俺のことなど、なんでもお見通しだと言わんばかりの表情。
ちょっと悔しい。
「いただきます。美味しい」
一口貰う。ツナマヨのマヨは、普段だったらもったりしているから途中で飽きる。でも、生クリームの口直しにちょうど良く感じる。
「それならよかった。ただ、全部食べると夕飯が入らなくなるからな」
「わかってるって」
生クリームをもう少し減らし、それから歩き出す。
丹恒からの視線がちょっと痛い。ちゃんと座ってから食べろと、言いたげだ。
「食べ歩きはしないって。ほら、少し先に公園があるだろ?」
「あったな」
「自販機もあったから、飲み物も買おうかなって」
「落とすなよ」
「だから、ゆっくり歩いてるんだって」
そう。俺にしては、ゆっくり歩いている。
もう少し落ち着きを持てと、散々怒られているから気を付けるようにしているんだよ。これでも。
「手が汚れたら、ウェットティッシュがあるから言え」
「ママ」
「誰がママだ」
「てっ」
手が塞がっているわけじゃないけど、手を出すのが面倒だったのだろう。
ふくらはぎを軽く蹴られた。
丹恒って、たまに手が早いんだよなぁ。
いつだったか、買い物に出かけた先のショッピングモールで待ち合わせしていた星となのがナンパされていたところに割り込み、それでもしつこい相手の手をひねり上げていた。
俺? 丹恒を止めるのに必死でしたよ。
一応相手の方が先に手を出してきたから、正当防衛が認められたからよかったけど。
そうじゃなかったら、大変だった。
「なんだ」
実は喧嘩っ早い恋人を生温かい目で見ていたら、不満そうにこちらを見てきて。
「ううん。丹恒って、美人なのにたまに残念だよな」
「お前には言われたくない。美少女を自称する割には、奇行が多い」
「自称じゃないだろ。この美少女を捕まえて、ひどくないか」
俺が頬を膨らませると、少しだけ目を細めて。
ぐぅ。なんか、負けた気がする。
「ちょっと待て。今、タオルを敷く」
「タオルが汚れるだろ。ティッシュでいいって」
「そうか?」
「うん。ちょっとしか座らないんだから、ティッシュで十分」
「わかった。今出すから、敷いてから座れ」
「はーい」
こういうところが、ママなんだよ。本人は無自覚っていうか、パムがやっていることを真似しているだけな気もするけど。
俺にクレープを持たせ、ティッシュを二枚並べる。
「座れ」
「ありがとう!」
「どういたしまして」
先に俺が座り、その隣に腰を下ろしてからクレープを受け取り。一口食べ、ゆっくりと咀嚼。
咀嚼して飲み込む時の喉の動きに、色気を感じる。
俺が彼に欲を感じているからだろうか。
「穹? どうした」
「う、ううん。丹恒、唇にマヨがついてる」
「ん。とれたか?」
ペロッと赤い舌で唇をなめる。その仕草が、とてつもなくエロい。
「夕飯コンビニ買って、俺の家行こう」
「パムが、お前が来るからと夕飯を張り切って作っているはずだが」
「うぐぅ」
そう言われると、丹恒を連れ込んでエッチなことをしたい気持ちが揺らぐ。
色気より食い気だと思われているのは癪だが、事実でもあるので文句も言えず。
「今日は、誰もいないのか?」
「銀狼がお仕事してるはず。様子見てくれとは言われてるけどさぁ」
家主で保護者のカフカは、昨日から暫く出張。
『君たちのご飯は、姫子のところのパムに頼んだから。後は、銀狼とエリオのお世話よろしくね』
と、電話でほぼ一方的に告げてきて。だが、俺にだけじゃなくて星にも頼んでくれ。そう思ったが、黙っておいた。
だって、あいつはやらないから。どうせ、ここぞとばかりになのの部屋に入りびたりだろう。
『別に恋人を連れこんでもいいわよ。でも、銀狼の邪魔はしないでね。大きなプロジェクトを任されたらしいから』
それすなわち、エッチなことをしなければ平気ということ。しても、声を我慢しさえすればいいのだ。
それを見越しての忠告だ。とはいえ、俺だってお年頃なんだよ。恋人とイチャイチャしたいんだよ。
「俺は、その
……
週末まで我慢、出来る。でも」
「でも?」
「お前が、俺の部屋に泊まるのは
……
駄目、だろうか」
「泊まらせていただきます!」
ほんのり頬を赤く染め、そんなことを言われたら。イエス以外の返事をできるわけない。
「お泊りセット、置いてあったよな?」
「もしなかったとしても、俺の服を一式貸そう」
「丹恒の服とか、興奮して寝られない気がする」
そうと決まれば、さっさとクレープを食べて帰らなくては。
「ゆっくり食べろ。これ持っていろ。飲み物を買ってくる」
早食いをするなと、丹恒のクレープを持たされる。
多分、外じゃなかったらきっと頭を撫でられていただろう。
それならば、大人しくゆっくりクレープを食べることにしよう。丹恒の言うことをちゃんと聞いておけば、後で褒めてくれるから。
「コーヒーだとカフェインで眠れなくなるだろうから、ココアにした。甘いクレープだから、更に甘くなってしまうかもだが」
「ううん。気を遣ってくれてありがとう」
クレープを持っていてもらい、プルタブを開けて。それから、ゆっくり飲む。確かに甘いけれど、嫌じゃない甘さ。
「丹恒、ありがとう。今度は俺が持っておくから、お前も飲み物飲んだら?」
「それなら、お言葉に甘えて」
自分のと丹恒のクレープを受け取り、座った彼が飲み終えるのを待つ。
「穹。ほら」
途中で飲むのをやめ、俺の手から自分のクレープを取る。
「いいのか?」
「食べておかないと、夕飯が入らない」
「それもそうだな。食べちゃおう」
二人でなるべく早く食べてしまう。
「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした」
缶ゴミは缶ゴミ用のごみ箱へ。紙ごみは、燃えるゴミへ。
水道で手を洗い、ハンカチで拭く。
「手を繋ぎたいです。いいですか」
「ああ、構わない」
丹恒も手を洗って拭いてから、そっと俺の手に重ねてくれて。
二人で手を繋ぎ、歩く。
「今日の夕飯なんだろう」
「唐揚げと、オムレツだ」
「唐揚げ! パムの作る唐揚げって、美味しいから嬉しい!」
「多めに揚げると言っていたから、明日の弁当のおかずにもなるだろう」
「やった〜!」
俺が手を挙げると、繋いだままだから丹恒も自然と手を挙げることになり。
「こら」
諌めるような声色だが、表情はどこか楽しそう。
丹恒のところに泊まることを、一応銀狼にも連絡を入れると、後でクレープを奢れという返事。
「丹恒」
「どうした」
「ここから一番近いクレープ屋はどこ?」
「おねだりされたのか?」
「丹恒とラブラブするからそのお詫び」
「
……
」
「痛いって」
繋いでいない手で軽く叩かれた。
俺がラブラブと言うと、すぐこうやって叩いてくる。手が塞がっている場合は、足がでる。意外だと思われているけど、案外この人は武闘派なのだ。
「下見ついでに、デートしようよ」
「それなら、まあ」
「俺と銀狼が二人で出かけるのは、嫌とか思わないのか?」
「兄妹に見えるし、彼女はそう見えるようにお前に甘えて色々買わせるだろう?」
暗に、少しは嫉妬して欲しいなって伝えてみるけれど何度も銀狼と会っている上にたまに俺と同じようにおねだりされているものだからカラッとしている。つまらん。
「あ。追加連絡だ」
「何だ?」
「丹恒も一緒にだとさ」
「気が利くんだか、利かないんだかわからないやつだな」
呆れた表情でこちらを見る。そう言われても、俺にもあいつはよくわからないから。
「ただいま〜!」
「ただいま」
「おかえり、二人とも」
「パム。突然で悪いが、穹が今夜泊まることになった」
「そうなのか? 朝食は
……
足りるな。量が足りなかったら、自分たちで買ってくれ」
「わかった。ありがとう、パム。突然だったのにさ」
「よい。賑やかな方が、オレは好きじゃ」
突然の申し出なのに、ニコニコと俺を見上げながら告げるパム。
「三月は帰ってきているのか?」
「星と一緒にちょっと前に帰ってきておる。今は、サラダとスープ作りを任せた」
二人にやらせて大丈夫だろうか? 丹恒の顔にもそう書いてある。
いや。姫子に比べたら、誰だってマシなはずだ。
その思いを込めて頷くと、彼も心得たというように頷く。
「改めて。一晩お世話になります」
「任された」
胸を張り、小さな手を腰に当てて俺たちを見上げるパム。
「パム〜!」
「着替えてからじゃ!」
抱きつこうとしたら、怒られた。
「ん」
「何だ」
「丹恒とハグしてない」
丹恒の部屋に荷物を置かせてもらい、ついでに置いていった部屋着に着替えてから腕を広げると怪訝そうにされ。
説明すると、仕方ないやつだというように息を吐いた後抱きしめてくれる。
「丹恒、好き」
「
……
俺も好きだ」
「デート、楽しみにしてるから」
「ここは、俺もと答えた方がいいか?」
「そうだったら嬉しいけど、強制はしない」
そう答えると、額を肩にぐりぐりと押し付けて。
「丹恒?」
「お前に好かれているのが、嬉しいだけだ」
「そっか。じゃあ、キスしよう!」
「話が繋がらない」
とは言いつつも、キスしてくれた。
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