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望月 鏡翠
2025-11-21 10:09:32
926文字
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日課
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#1912 ジョアンの耐えがたい主人について2
#毎日最低800文字のSSを書く/我らが王の身罷りて 二次創作
なればこそ、ジョアンは平民が大きな顔をして振る舞うことにも耐えられるはずだった。耐えられると思って、この役目を引き受けた。
しかし実際に会うと実際以上に鼻持ちならない男で、その振る舞いを許すには、大変な努力を必要とした。貴族は貴族に相応しい振る舞いと寛容さを持ち合わせなければならないし、これは家に与えられた責務だ。
そうでなければとうに切り捨てていたのだから、彼はジョアンが貴族であったことに感謝をするべきなのだ。
ただの飾り物であれば、まだ耐えられた。暗殺や戦で身代わりになってくれるカカシに対してなら愛着さえ抱くこともできた。
しかしトルガという男は、傲慢だった。自分が飾り物であるということを理解せず、本当にリュネストの主になったつもりで、家を動かし王位継承戦に参加しようとしていた。
商人など、貴族の足元を這い回り小銭を拾って生きているような職業だ。手にしたものを自分のものだと思い込む図々しさは、なるほど商人の出というのも納得だ。
第一、屋敷の使用人の序列を軽視するような振る舞いも気に入らなかった。家令に何も言わずに出かけたかと思えば、朝になるまで帰ってこない。大体、格が低い店の酒場に入り浸っているらしい。
貴族社会に馴染めない男は自分の店に入り浸って自分を慰めている。
かと思えば、勝手に街の有力商人と厄介な話をまとめてきて、勝手に政策を決めている。
領地をどのように動かすのかは、リュネストのものに確認を取るべきだ。それができるように、ジョアンがいるのだから。
しかしトルガが確認をとってくるのは、領地に敷く法の形式をどのように整えるのかやよそに出す書状の書き方といったような形だけ。それはリュネストの名誉に関わるから答えないわけにもいかない。
肝心のその中身については勝手に書いて、勝手に動かしている。
レシーから人を買うこと、傭兵を斡旋することを禁じるという令も、気がつけば勝手に敷かれ、港に広まっていた。格好の商機にそれを封じられた人買いは混乱していたが、屋敷の混乱はそれどころではなかった。
トルガが戻ってくるなり、ジョアンはその首根っこを捕まえてリュネストの主人のための部屋に押し込んだ。
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