ななき
2025-11-21 00:15:31
2644文字
Public 吸死
 

ドラロナ 短文詰め

(ドラロナ・Δドラロナ)
書きたいとこだけ書いたとても短い文

 転化しよ、ロナルドくん (本ドロ)


「今日こそ転化しよルドくん!恋人の一生のお願いを無碍にするべきではないぞ」
「お前の一生って死ぬまで?三秒?」
「五秒は持つわ」
……
……どうしても、だめ?」
……。お前さ、俺が頷かないの何でだと思う」
「え、失敗したらーとか執筆とかお兄さんとヒマリ嬢のこととかか?」
「税金」
……は?」
「ダンピールではない人間が転化する場合、公には一度死亡したものとして処理される。吸血鬼としての戸籍が新しく作られ、書類上は別人になる。手続きとしてはこの新しい戸籍に対して、財産その他を相続することになるんだが……相続税がかかる」
「お、おぅ」
「吸血鬼になると場合によっては国の制度からすら外れるからな。人間同士で相続する場合より控除の条件が厳しい上に金額がでかい」
「そ、そうなのか」 
「金持ちが吸血鬼になって脱税するのを防ぐために吸血鬼が知られ始めた戦後に作られた制度らしいが実質、資産没収に近い。俺程度の資産でもかなりとられる」
「へぇ」
「ヒマリに仕送りしてるのしってっだろ。苦労させたくない」
「そんなにか」
「そんなにだ」
「そう……
「だから」
「そうだな、ヒマリ嬢を大切にするのは当然だ」
……資産整理と贈与手続き終わるまで待ってろ」
「えっ、あっ、ああーー!!!」

 
 

 幻の「姫」 (本ドロ)


高校一年の文化祭にさ、喫茶室やったんだよ。で、客寄せにってことで何人か女装... 姉妹から借りたセーラー服とかバラエティショップのナース服とかそんなんだけど、やったんだよな。

俺?俺は裏方。いや俺と半ダはメイド服着る予定だったんだけど、当日着替えて出たら皆なんか無言になっちまって。そんなダメかよ!?って聞いたら、お前らはいいから裏方に回れって言われて...。俺も半ダも今ほど身長なかったしそれなりに似合ってたと思うんだけどよ...。
あ? ロナル子ちげーわ! ロナル子お姉さんは年上、......よし殺した。

「ゴリラ未満だったせいで似合い過ぎちゃったんだろうな。自覚がないから無防備に笑いかけたりしてさ。しかも隣にはタイプの違うのがもうひとり並んで距離感近く絡むわけだ、純粋な若人には刺激が強い」

「...... いやしかし、あーー、……………………………..」

「やあやあカメや君、ちょっとお訊ねするんだが... 学生の頃の……

 
 

 変わった姿の魚だったよ、と恋人は笑う (本ドロ)


なあ、お前、おれに何食わせたの。

今日は煮付け、昨日は塩焼き……はいはい香草焼きな。で、一昨日はフライ、その前はまあいいや。最近しばらく魚だったよな。ん?いや、うまかったよ、全部。そこに文句はねえよ。そうじゃなくて、全部同じ魚だったよな。油っこくて弾力のある、食ったことない感じの赤身の魚。

お前、じいさんの土産だって言ったな。どっかで捕まえてきた珍しい魚だって。じいさんと親父さん、今日突然来たの知らねえだろ。やっぱりな。
じいさん、魚の土産なんてしらねえって言ってたぜ。じぃっと俺のこと見て、孫がごめんね、って。親父さんなんかもっとあからさまだった。悲しいみたいな辛いみたいな顔して、我ら一族はポールの味方だ、って。

今思うと、あれ俺の様子見にきてたんだな。
やっと黙ったな。あの人達に謝っとけよ。お前のこと、本当に大事にして、俺のことまで本気で心配してくれてんだぜ。
昨日、指切ったんだ。血が一滴出ただけですぐ塞がった。今日は、わざとカッターで切ってみた。やっぱりすぐ塞がった。試しに一発、手のひらに弾も打った。あ? もう何ともねぇよ。ほら痕もねえだろうが。 

なんとなく。なんとなくだけど、腕一本くらいなら落としても戻る気がする。なんでだろうな。
最初の魚料理、あの日からだったな。俺が、吸血鬼にはならねぇって言った日。そうだよ。唐揚げっつってたのに、めったに夕飯にでてこねえ刺身だったから覚えてる。

……なあ、お前、俺に何食わせたの。俺、今『何』なの。

 
 

 休日 (Δドロ)

 ひとりといっぴき暮らしが染み付いた身にはその視線ですらうっとおしい。
 
 なあ、遊ぼう。なあ、腹へった。ドラ公、今ひま?
 なあなあなあなあ。
 
 きゃんきゃんきゃんきゃん。白い子犬が脳内を駆け回る。
 外へいけ!と怒鳴りそうになるが、しかしそうなると監督義務のせいで私もでなくてはならない。各種ソシャゲが季節のイベント追い込みで忙しいというのに!
「あーーー!!!やかましい!!!」
 耐えかねた私は、機械に頼ることにした。PS5からNutflixを起動。ぶち、ぽち、テテーン。あとでみるリストから適当に一本再生する。
「ロナルドくん、しばらく映画みてなさい」
「え、やだ」
「なんで!」
「せっかく休みなのに」
 せっかく(お前と一緒の)休みなのに、と聞こえたのは自惚れでもないだろう。懐かれて嬉しくないわけではないのだが、こちらは日々の勤労でボロボロの貧弱カナリヤである。体力モンスターと同じテンポでは遊んでいられない。
 可愛いなぁに対する罪悪感と、まとわりつかれる煩わしさ。今日は僅かに後者が上回った。
……映画みていいこにしてくれたらご褒美にチューしてあげるから!!」
 待った。言い訳させてほしい。これはもともと、ジョンとの戯れでよく使っていた手だ。いいこにしてたらチューしてあげるよジョン。もー、しょーがないぬー。という愛と茶目っ気あふれるスキンシップだ。それを、休ませてほしい!頼むから!が爆発した私は、うっかり口走ったわけである。
 だが、目の前にいるのは愛らしいマジロではなく、呆れた顔をする吸血鬼の青年である。セクハラ? お巡りさんは私です。しかしここで言い繕うとなんだか本気っぽくならないだろうか。
 見上げてくる半眼と冷や汗をかいて無言で見つめあう。数秒のあと、呆れ切ったらしいロナルドくんは、はあぁあ、と特大の溜め息をついてリモコンを私の手から受け取った。
「わーったよ、おとなしくしててやる」
 よし!何はともあれ映画一本分の静かな休日を手に入れた!!

 
「それで、ご褒美は? なあ」
 にやにやと笑いを含んだ声と共に背に後ろからしなだれかかられ(膂力の差を思えば実質拘束である)、再び冷や汗をかいた哀れなダンピールは……どうしたかはご想像にお任せする。