2025/11/19発売のJB初ノベライズ「サイド・ベット・ストーリーズ」の感想…というか、読んで感じたり、皆さまの考えを拝見して思ったりしたことを自由に書き散らしたものです。
まずは冒頭の注意書きをお読み頂けますよう、何卒よろしくお願いいたしますm(_ _)m
*注意*
・初見で引っかかった点を多く書いています。なので、ネガティブな感想は聞きたくない、という方にはあまりおすすめできません。
・基本的に、ノベライズは手放しでは喜べない、という立ち位置の人間が書いております(でも公式だから読む)。身構えてしまう理由はいろいろあるのですが、私が好きな文章や表現ってかなり限られているよな、と常々自覚しているのが主な処です。
・この小説の内容は公式のもので、田中先生が「がっつり監修した」と仰っていることは承知しています。プロの作家としてご活躍されている筆者様の文章を貶す意図も全くありません。ただ、自分に合うか合わないか、という話をしているだけです。
・読んだ順番は、さめ→しし→ぴこ→まふ です。
くどくどと書きましたが、要は偏屈な弱小字書きの勝手な言い分を連ねたものに過ぎません。何卒ご寛恕くださいませ。
以上をご理解頂いた上で、お進み頂ければと思いますm(_ _)m
* * * *
【まふ編】
・正直なところ、これがいちばん読みやすく、楽な気持ちで楽しめました。時系列もシチュエーションもはっきりしていて、余計なことで悩まなくてよかった。みたとまふ、それぞれの性格と能力もきっちり発揮されていて、読後感も良かった。要するに、自分に合っていたと思います。
・まふにとって「愛」というのは何か特別でどうしようもないものなんだな、ということが、PPPに続いて示唆されたのも良かったです。本人に関する手がかりが極めて少ないまふだからこそ嬉しい。こういう、本編でのキャラ解釈にふんわりと味付けを足してくれるような感じこそが、スピンオフである小説に求められてるものじゃないかな
…あの場面、字は主に動作と台詞を追っていて、まふの表情の描写がほとんど無かったけれど、それはそれで良かったのかなぁと思いました。逆に田中先生の絵でこの時のまふの表情が思いっきり描かれていたら、深読みしまくれて怖いことになっていたかもしれません。それはぜひ本編で、ここぞという時にまたやってほしいです。
・最も引っかかったのは、まふの髪が「褐色」のひと言で済まされていたこと。えっ!?それでいいの!?
…って愕然としました。もっと明るい色じゃないの
…?
主人公の特徴的な髪色にいろいろ表現乗せないのか
…とも思いましたが、まあ知ってる人が読む前提だろうし、この場面に必要かと言えば違うかも。うん。
・さめ編で妙に説明臭い文が多く、しかも偏っていたのが気になって気になって疲れてしまっていたのですが、まふ編での骨董に関する説明はそこまで気にならなかったです。たぶん、みたが店内を見ていく流れと一致して小出しになっていたのと、私があまり余計な知識を持っていなかったからだと思います。
・でも他のお話を読んでここまで来て、やっぱり文のリズムが合わないなーと思ったのは事実ですね
…読点の位置がなんかバラバラだな、って感じてしまって入り込めない。
例えば「一つは御手洗が実は骨董品の完全な素人ではないということだ。」の文は読点無しで一気に書かれているのですが、その続きでは「そして、もう一つは、御手洗は一度見た~」と「もう一つは」の後に読点が入ってる。これ、対になる文章だと思うんだけどな、揃えないのかな、って気になっちゃうわけです。更に次の行では「実はさっき入店した際に目に入った~」と、また読点無しの一文で書かれていて、読んでいて息継ぎのタイミングが狂う。ずっとこういう感じなので、集中できないな、と感じました。
繰り返しますが、あくまで私個人の感覚を説明しているだけです。筆者様の文章を批判したり貶したりしているわけではありません。
・あと、その場の情景を描く時の形容も、自分にはしっくりこない点が多かったです。何というか、すっと目の前に景色が浮かばない。これはぴこ編で触れます。
【さめ編】
・これは、どこで診療してるんですか。いったい、いつの村雨先生なんですか。
……大半はこれに尽きました。
・性悪患者の追いつめ方は、実に村雨先生らしくていいぞ
…!と思ったし、最後の狂気っぽい手術の仕方も、まあ相手は悪者だし好奇心10のれーじだしな
…♪で済んだのですが、勤務状況と時系列がふわふわしてるせいで、全体的に入り込めませんでした。「一卵性双生児であることを利用した誤診詐欺を見破る村雨礼二」という構造を書きたいがために、診療場所や時系列の描写をうやむやにしているように見えてしまって、どうしてもそこが残念だと感じられてしまいました。
・一希が手術する時の礼二は、入院先である大学病院に勤務しているはずです。「チャッチャと治しちゃってくれよ」「肉親は執刀に関われん」のやり取り、「なんなんだこの腹の中は」とカルテや画像を見た前提の言い回し。何より勤務先でもない病院で白衣着てたら、そもそも一希が変に思うはずなので、礼二はそんなことしないと思うんですよね。IDカードは見えていませんが、ポケットに突っ込んでいても別に構わないですし。
休載絵のIDカードはそれなりの総合病院のものだと思うので、やはり勤務医してる礼二はいるはずなんですよ
…そして一希の手術時は、勤務医のはずなんです。
・でも、一希の手術から本編の時点まで、どれくらい間があるのか? 本編と小説の時系列は? が分からないから混乱してしまう。小説の診察シーンって、どう見ても大学病院ではなく普通の開業医シチュなんですよね。
本編の礼二は29歳、医者になって5年目のはずです(アメリカで飛び級してきた、とかの仮定はここでは無しにします。家族大好きな礼二が敢えてそうする理由もなさそうなので)。まだ外科の専門医を取ったか取らないかという年齢で、なのに開業してから何年も経っているとは考えにくい。そもそも最初の2年間は臨床研修医なので、要件が満たせる病院で勤務しているはずです。となると、①小説は本編の数年後 ②小説は本編と同じ頃でバイト先の医院での話(普通の医院か闇医院かはさておき)くらいしか思いつかないんですよね
…勤務しながら自分で開業、は無理があると思うけれど、不定期開業の闇医者なら可能なのか? でも闇医者が診察券とか作るかな?
(Blueskyでの流れを拝見したので追記:25歳で医者になる→大学病院で研修医を終えて27歳で外科医に→ほどなく一希が入院、とち狂って賭場へ行き短期間で荒稼ぎ→専門医とか捨てて退職、28歳で開業、人の腹を開くことに特化→眼を得て今の礼二に、て感じなんですかね
…ちょっと闇寄りになっちゃうけど。あと、今の眼を得る前から賭場でそれなりに強かったことになるけど、礼二なら出来そうな気もしますね。)
・まあ「そんなこと言ったら地下で賭博をやってる銀行自体が許されるわけがないので」という田中先生の最強の御言葉もあるので、JB世界ではこれでいけるんだよ、と言われれば、それで終わりなのですが。
個人的には、勤務医+闇バイトの礼二もまだまだ捨てがたいです
…。
・医療関係の説明が
…妙にねちっこい所があって引っかかります
…CD-ROMのくだりとか、メスの名前わざわざ言いたがるところとか。あと、他の方も指摘されていましたが内視鏡のシステムとか検査の流れ。何でそこだけやけにリアルで詳細なんでしょう? 何というか、全体的に濃い部分と薄い部分のバランスが悪くて、流れに乗れない感じがしました。
・そのわりには「二年以上は経っている癌」と、さらっと全員で断言しているのが
…現実味が薄くて、これまた引っかかります。内視鏡の写真で、そんなこと断言していいの
…? それに二年以上経ってる癌が「薄い襞に紛れるよう」な程度のものなの
…?
こういうところがいちいち気になってしまうので、トリック先行という印象が拭えないんですよね。でもこれは、読んでいる自分が悪いんだろうな。
・最後の手術シーンは初見では自宅なのかな、と思ったのですが
…でも「真っ白な内装の手術室」て書いてあるので違いそうですね。何処ですか。そもそも真っ白、て
…その診療所に、そんな手術室作ってるのかなぁ。
独りで患者二人に並行で全身麻酔かけて手術するのも大概すごいので、やっぱり未来のもっと凄腕になった礼二が開業してるんじゃないかなぁ、と思ってみたりもしています。あと、術後の二人を三日間寝かせた状態で管理するのは、あれこれ手間かかるし大変だと思う。バイトの看護スタッフでもいるのかな。点滴や呼吸管理などの医学的な処置はともかく、村雨先生が自分で患者二人分のオムツ交換とかしてるとはあまり思えないのですが。
・初見は電子で読んだので、これを書きながら改めて紙の本をめくりましたが、さめ編だけ結構短いんですね
…それなら、もう少しトリック以外の部分も書いてくれて良かったんじゃないかなぁ、などと思ってしまったり。うーん
…。
・礼二が炯眼で小悪党をこらしめて手術、という流れ自体は大変おいしいだけに、引っかかる部分が多すぎたのが残念と言わざるを得なくて
…大方私が悪いのだとは思っていますが、やっぱりわりと残念でした。追いつめるところは、本当に好きなんですよ。
【ぴこ編】
・閑静な住宅街の一角。教会の門は電子錠。広い敷地と立派な建物。礼拝堂の奥にある小さな扉を抜け、入り組んだ廊下を経て生活空間に辿り着く。品のあるインテリアの数々。こういう情報はありがたいですね。
ぴこ、ちゃんと自分で紅茶淹れてる
…! 新聞とってる
…! キーボードもとてつもない速さで叩けるんだね
…やっぱりパソコンやネットには相当強いのだな、ということが改めて見えてきてよかったです。
・右手に金属バット、左手に漂白剤のスプレー、とは。いや、たぶん読んだ反応としては普通にウケればいいんですよね。結局、相手を見据えて戦う準備だったわけですし。ぴこもある意味大変やばい奴なのはわかってるんですから。
でも、礼拝の様子にはびびりました。これだともう新興宗教ですよね
…。田中先生のインタビューで「身につけているものはほとんどが実際の神父さんの服」と言及があったし、初登場時の肩書きも「神父」だったので、普通にカトリック系の教会だと思っていたのですが。
それに、後のほうでは「教会は礼拝や町内イベントで近隣と付き合いがあるから」って書いてあるんですけれど
…怪しい新興宗教だと思われていたら、そんな風に地域とは溶け込まないだろうし、ということは周辺住民ほとんどがぴこの信者
…⁉︎ まさかと思うのですが、ぴこならあり得る、でしょうか
…。
・冒頭近く、雷のシーンの「床に原色の影を落とした」で引っかかってしまいました。で、改めて思ったのですが
…やっぱり情景描写の形容が、自分には感覚的に合わないです
…噛み砕くのに一瞬時間が必要で、すっと景色が浮かんでこない。これが他の話でもちょいちょいあって、読み進める上で地味にストレスでした。
・解決部分の「あまり濡れていなかった」の反復。繰り返してあげるのは一応優しさなのかな、と。それに、フレンズでつるんでいるうちに、さめの録音返しがぴこにもうつったのだったら楽しいな、と思いました。何だかんだで雨天コンビは、話し方が似ているところがあると思うんですよね。
・自分としては、和馬少年の境遇に同情はするけれど、血が繋がっていなくても自分のことを見てくれる保護者はちゃんといたのになぁ
…って思ってしまいました。まあ、子供だからなぁ
…わからないか
…。
ぴこに出会えて、救われて、本当に良かったなぁと思います。
・ぴこは冒頭で「右目につけた黒い眼帯」と書かれていたので、現在の本編以降のぴこだということは、はっきりしていて。なので、自分の中では幼ししさんとは結びつきませんでした。和馬少年の背景や行動、聞こえてくる声も、ししさんとは全然違うと感じられたし、重なる要素は無いなぁって
…これ、少数派なんでしょうか
…?
和馬少年は、拗ねて、甘えてた。幼ししさんはそれすら出来ずに、ただひとりで前を向き、上を見据えるしかなかった。
それをやり続けて今の場所まで来たししさんは、本当に凄いし、これから絶対に幸せになってほしいなと思います。
・何にせよ、ぴこはどこまでもぴこだったので、安心して先へ進めました。そういう意味では読みやすかったです。
【しし編】
・明るい部分から。
…さめにステーキ焼いてあげてるんだ、ほんとに。この時点で既に。良いですね
…! 美味しい炭酸水も常備で、しかも村雨先生も気に入っている様子。これは後々、行為を終えた後にベッドで一緒に飲むようになるに違いない、と脳直で思いました。さめしし脳。
・ハーフライフの記載「1/2」はすべて全角文字でいいんですね! 字間は開いちゃうけどOKなんだ! 縦書きでこれ書くのはどうすれば
…ってあれこれ悩んでた(縦中横にするか、記号の½にするか、フォントサイズをそこだけ弄るか、など)ので、これは公式のひとつの回答ということで、うまく字間を詰められなくても怯えないようにしようと思います。
・榊さんも好きなので、司会が榊さんなのは素直に嬉しかった。今のししさんの戦いぶりを見ながら、榊さんがこの時のことを思い出したりしてるのかもなぁと思うと、また味わい深いです。
・鳳くん、糞ほど嫌な奴だけれど
…眼力は一応まあそれなりにあったし、ししさんもそれは分かったと思うので。なので、試合前に服装や髪や筋肉について細かく指摘していたのを、きっとししさんはこの後の自分の向上に活かしたんだろうなと思うと、うるっとしてしまいました。今ではジムのパーソナルトレーナーと契約したりしてるのかな。
・ペナルティでの怪我が酷すぎません
…? 頚椎痛めて「首を動かすと電流のような痺れが手足を駆け抜け」はやばすぎる。しかも他の方が指摘されてましたが、本編の1/2ライフ祝勝会ってこの二日後なんですよね。頚椎カラーくらい付けてないと危ないのでは? フレンズの手前、見栄張って外したんだったらダメだよししさん
…(汗)
カラス銀行直属の病院には何か特殊な回復薬があるのか、全体的にケガが治りやすい世界だと思っていたほうがいいのかもしれないですね
…だってこれ公式だから
…。
・マウスピースつけてる状態で、こんなに喋れるのかな。まあでも、これは野暮かな
…つけないわけにもいかないし、台詞を全部わかりにくくするわけにもいかないし。
・明言されていないルールの裏を読んで活かす、決まり手は一撃、相手が動けなくなることでの勝利というのは、普段の銀行の戦いと同じ感じがして、すっきりしました。まあ、LiA以前のししさんがこれ出来たんだ
…っていうのは少々違和感があったりもするのですが
…相手への意地と勝負の形態が味方した、ということで
…。
・過去部分。ししさんが鳳を殴り返さなかったのが、後から思うとわりと胸に刺さってました。正面から喧嘩してもどうなるものでもない、て思ってたのかなと。どうせ自分に味方はいない、相手はボクシングしてるからもっと殴られる、という諦めの他に、こんな奴を殴っても仕方ない、て醒めた、突き放す感じもあったのかなと。ピカピカに手は届いていなかったけれど、ししさんが見ているのはこの頃からずっと上の方なんだなと思いました。
・この汚れた制服も、帰ったら自分で洗濯してたんだろうな
…ほんと頑張ってるよ
…ししさん
…。
「保健室で寝てた」ということは、養護教諭の先生はちゃんとししさんの家庭の事情とかを分かってくれてたんだなぁと。そういう大人も周囲にいたんだ、という事実には救われる思いがしました。
・わかっていたつもりだったんですが、過去部分でも昇格戦でも、ししさんが思ったよりずっと体張ってたのでああぁぁ、ってなっちゃいましたね
…よく生き延びてきたなぁ、あなたは
…。
【蛇足:紙と電子】
・電子書籍で小説を読んだのは初めてだったのですが、字がすかすかで眩しく思えて読みづらい印象でした。慣れたらもう少し違うのかな。あるいは調整するオプションとかあるのでしょうか。調べねば。
・「!」「‼︎」が斜めのフォントなのも違和感
…と思ったら、これは紙版だけでした。電子版ではどの話でも、まっすぐの「!」「‼︎」になっています。「?」「⁉︎」「⁈」も形が違って統一されているので、紙と電子でフォントが微妙に違うのかな
…どちらが正規なのかわかりませんが、拘るところでもないのでしょうね。
【全体として】
・何といっても公式なんだし内容は確認せねば、の思いで読まずにはいられませんでしたが、今後自主的に何度も読み返すかというと
………わからないですね。今回れめ編が無い&20巻描き下ろしもれめじゃなかったから、たぶん小説2巻がいずれ来るのでしょうけれど、個人的には不安が大きいです。
・でも、田中先生の描き下ろし絵は、もちろんめちゃ素敵だった
…! 特に過去ししさんは衝撃でした。ふわふわの短い髪の毛かわいい
…まだ細い体と手足、伸びやかな危うい時期の少年らしさも堪らないですね。他のも全部良かったし、先生ありがとうございます
…!
長文乱文をここまでお読み頂きまして、誠にありがとうございました。
何か思うところなどありましたら、ひと言でもこちら↓やDMなどに放り投げて頂ければ嬉しいです(*^ ^*)/
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