朝起きて、左馬刻の姿が見えず、散々探し周り、何かしらの原因で外に出てしまったのかと青くなっていると、リビングのカーテンの裾から白いふさふさのシッポがのそりと出てきた。さっきまで左馬刻の名前を呼びまくっていたのにこのタイミングである。
「もお〜、左馬刻、もお〜」
カーテンを開けて座り込む。簓が抱きしめると、ゆらゆらとシッポだけ動かして窓の外を熱心に見ている。
「あ、雪降ってたんや」
ちらちらと舞う雪は夜明け前から降っていたようで、ベランダにもうっすらと積もっていた。左馬刻があまりに夢中なので、そっと窓を開けてみる。冷たい風に簓は震えて、左馬刻は耳を後ろに倒して目を細めた。
「ちょっと出てみる?」
薄く積もった雪をじっと見つめて、左馬刻は前足を出したり引っ込めたりを何度か繰り返し、意を決したようにトトッとベランダに降りた。
そしてすぐに部屋に飛び込んだ。
「あらら」
足についた雪を振り落とし、肉球を丁寧に舐め上げて、鳴き声を上げた。それはとても恨みがましいものであった。
「いや、むっちゃ出たそうやったやん」
「ンナァ」
「はいはいごめんて」
不満げに鳴きながらこたつ布団の端をガリガリしているので、めくってやるとすばやくこたつの中に収まった。
簓もこたつに入り、足を伸ばすと、そこにこてりと左馬刻の頭が乗るのを感じた。
「あったかぁ」
今日は寒いから一日ゆっくりとぬくぬくしようや。
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