あふれる愛もほどほどに  番外編 一緒にシャワーを浴びた日のこと

◇DMC5◇ネロキリ

甘くて大人な雰囲気——

本編のワンシーン。
ネロが酔った勢いでこぼした言葉
「この前、二人でシャワーを浴びた時なんかさ」
の真相を書いてみました!
本編→あふれる愛もほどほどに https://privatter.me/page/68d2b27866c7b

 湯気が立ち込めるバスルーム。
 ネロとキリエは並んでシャワーを浴びていた。
「久しぶりだな、こうして二人でシャワー浴びるの」
 ネロの声に、キリエは小さく頷く。
(なんだか……妙にドキドキする……
 何度も体を重ねているはずなのに、明るい照明の下では肌を隠せず、その恥ずかしさにキリエは胸の奥が熱くなった。
(いい加減、こういうのも慣れないと……
 高鳴る鼓動を抑えるように、キリエは体を洗おうとボディソープへ手を伸ばす。
 そのとき、鏡越しにネロと目が合い、キリエは慌てて目をそらした。
 耳まで赤くなっている彼女を見て、ネロは思わず微笑む。
「ん?どうした?顔が赤いぞ」
「!べ、べつに……
 ネロはクスクス笑うと、キリエの濡れた髪をそっと指でとかした。
「今更、恥ずかしがることでもないだろ?」
「だって……
「まぁ、そんなふうに恥ずかしがるのも、可愛いけどな」
 そうぽつりと呟く声に、キリエの頬がさらに赤く染まる。
……ところで、どうして急に『一緒にシャワー浴びないか』って、誘ってきたの?」
 キリエはボディスポンジで体を洗いながら、ネロに尋ねた。
「明日から、仕事でしばらく家をあけるだろ。それで、少しでも一緒に過ごしたくて……
 ネロは目を優しく細め、照れくさそうにそう言うと、キリエの小さな肩にそっと手を添えた。
……そうなのね」
 彼の言葉が胸に沁みる——
 嬉しさと恥ずかしさが溶け合い、キリエは胸の奥があたたかくなるのを感じた。
「ほら、肩の力抜けよ」
 体に熱がじんわりと広がる最中、泡のついた肩を滑らかに撫でられ、キリエは思わず体がこわばる。
「ははっ、そんなに緊張しなくてもいいのに」
「っ……だって……
 ネロはキリエの頬に指先を触れ、濡れた髪の束を耳の後ろにそっとかける。それだけの動作なのに、キリエの肩は小さく跳ねた。
「ほんと、可愛いな。いつも……
 恥ずかしがる反応を見て、彼女を愛おしく思うネロ。
 ネロの手は肩から背中を滑り、キリエの腰のラインを優しく撫でる。
「っ……
 その手触りに、思わず甘い声を漏らしそうになるキリエ。それを堪えようと、ボディスポンジをぎゅっと握り締める。
(だめ……こんなに近くで、そんなふうに触られたら……
 キリエは顔を真っ赤にして、潤んだ瞳で鏡越しにネロを見つめた。
……キリエ、そんな顔されると」
……?」
「続き……したくなるだろ」
 その言葉に、顔が一気に熱くなるキリエ。
 驚きと恥ずかしさで胸がざわつき、勢いよく振り返るとネロの胸板を小さく叩いた。
「もう……!シャワー浴びる前に、『何もしないから』って言ったでしょ……?!」
「ああ、わかってる。何もしないよ。今日は“シャワーだけ”」
 そう言うと、ネロは小さく口角を上げた。
「え……シャワーだけ……?」
「そう。シャワーだけ」
 胸をくすぐるような言い方に、体の中心がうずくキリエ。
 恥ずかしそうにネロの胸へ視線を落とすと、小さく呟く。
「ネロのそういうところ……ずるい」
「お互い様だろ?」
 ネロは穏やかに笑い、キリエの額に軽く口づけを落とす。
 やわらかな唇と温かな息を肌に感じ、キリエの体はさらにうずいた。
「ネロ……
「ん?」
「シャワーだけじゃ、いや……
……わかった」

 シャワーの水音の中で、黙ったまま見つめ合う二人。
 甘い雰囲気のなか、二人は互いの腰を抱き寄せたまま、それ以上深くは踏み込まない。

—— 今は、ここまで。

 そう囁き、そっと唇を重ねたあと、二人は浴室を後にした。


 脱衣所で体を拭き、バスローブを羽織った二人は、扉を開けて廊下へ出る。
 扉が閉まったその直後──

「きゃっ……ネロ……だめ……
……少しだけ」

 静かな廊下に、二人の濡れた足音が響く。
 バスローブの裾がふわりと揺れたあと、そっと足元に広がった……

 その先は——秘密。